松本哉ののびのび大作戦

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 みなさん、どうもどうも〜!! 最近は世界マヌケ革命路線に変更していて、国内向けの発信はこのマガ9を筆頭にサボりまくっていた。しかし、最近気が向いてきたので、やっぱりいろいろ報告することにした!  
 ってことで諸君! 世界の大バカたちを巻き込んでのびのび大作戦再開〜!!

 さて、ちなみに! 2011年ごろから特に東アジアあたりを中心に全力で交流圏を広げまくってきたわけだが、早くもその海外マヌケ作戦も3年以上が経過して、そのとんでもないやつらのネットワークもいよいよものすごいことになってきている。まずは一番近い韓国から始まり、台湾、香港あたりと急速に仲良くなり、去年はついに東南アジア・マレーシアの連中と仲良くなり、今年の前半にはついに中国・北京の連中との接触にも成功!!(あ、中国はかなり面白かったので、今度折を見て紹介しまーす!) 今では各地に無数の独立系地下文化スペースとの交流が生まれている。で、これもちろん、ただ旅行に行きまくって友達ができてるってだけの話じゃない。誰がなんと言おうと自分らの力で自分たちの場所を切り開いてるやつらの交流圏。変わったお店をやってたり、アート系や音楽系のスペース、謎の情報屋、あやしい溜まり場などなど、これまでも色々紹介してきたようなスペースだ。
 
 いま、世界経済はいよいよニッチもサッチもいかないことになってきていて頭打ち状態が続き、金持ちの国同士による財産の取り合いという、非常にマヌケな事態になっている。そんなこともあって相変わらず戦争やら紛争やらが絶えないわけだが、そんな金持ち連中のイザコザに付き合うほどバカバカしい話はない。「戦争はよくない」とか「弱者はいたわったほうがいい」とかも常々言いたくなるが、なかなか金に目が眩んだやつらが耳を貸すとは思えない。ってことで、例によって実力行使!! そう、各国政府はどこも悪い政治ばかりやってて最悪な一方で、どんな世の中だろうとそんなものに巻き込まれずに勝手に自分たちの拠点を作りまくって独自のライフスタイルを切り開いてるやつらが大量にいる。それどころか、不自由な世の中を反映して、逆に加速度を上げて面白い場所が増えまくっているような気がする!! う〜ん、この民衆側の世界的な流れに乗り遅れるほどもったいないことはない!!! さあ、一刻も早く全世界のアンダーグラウンドでバカ騒ぎしてるやつらのところを渡り歩き、強力なマヌケ文化圏を作って、戦争ばかりしてるバカなやつらに対抗するしかない!
 ・・・っていうのが、だいたいこれまでのおさらい(久しぶりなので、一応)。

 余談だけど、年明けにはマレーシアで行われる香港、台湾、シンガポール、マレーシアのやつらが集まる音楽やら映画上映やらのイベントがあるらしいのでそれに混ぜてもらうことになり、日本のマヌケなやつらの紹介をしてくる。いや〜、東アジア圏から東南アジアと、いろいろ広がってきましたね〜。

 さて、ではそろそろ本題! 近隣アジア圏のネットワークが相当充実してきている感じもするが、ちょっと待て諸君、大事なところを忘れてはいないか? 我が日本の隣国とは韓国や中国、台湾だけではない。そう! 誰もが忘れているロシア!!!!!!!!!!!
 
 実は、ロシアってめちゃくちゃ近い。特に、極東の港町ウラジオストクなんて改めて東アジア地図を見てみるとびっくりするぐらい。日本海を隔ててちょうど対岸。地理的に見たら完全にアジア圏だ。実はだいぶ前に一度だけ行ったことがあるんだけど、飛行機に乗ったら一瞬でついてしまう。しかし、街を歩くとそこは完全にロシア。北方アジア系の民族の人もいるので、その辺でわずかにアジア感はあるけど、街並みは完全に違う。こんなに近いのにここまで違うとは! う〜ん、国境恐るべし!!
 
 それにウラジオストクはそこそこの大都市。経験上、この規模の街なら、絶対大バカなことを目論んで勝手なコミュニティーを作ってるマヌケなやつはいるはずだ。仲良くなりたい!!!!!!!!! 面白そう!!!! 
 で、そもそもウラジオストクにいるまだ見ぬ大バカたちはどうかというと、間違いなく心細い気分のはずだ。首都モスクワからは地球の裏側で完全にほっとかれてる状態。一方、本当は近いはずの東アジア圏ではいろんな面白い文化が山ほどあるのにあまり交流も少なく、ウラジオのやつらからしたら「気候の暖かいところで何やら楽しそうにやってるな〜」って寒い北国から羨ましがってるかもしれない。と、なってくると、いよいよヨーロッパでもアジアでもなくなってきて、ヤケクソになるしかない。「もういいよいいよ! どうせ誰も相手にしてくれないんだよ、コンチキショー。ピロシキ食べながら雪だるま作るから、いい、いい! ほっといてくれよ! チッ」とイジケてるに違いない。これはかわいそうだ!!!!
 
 だが、考えようによっては利点もある。各国の窮屈な世の中に対抗した場所作りって言ったって、ロシアの支配者はなんでも力でねじ伏せる政治姿勢のあの最強の男=プーチンだ。従わないで勝手にやる素振りなんか見せようもんなら、大変なことになりそうだ。とは言ってもロシアでの勝手なやつらの場所作りもみんなで応援したい! よし、こうなったらやはりウラジオストクしかない!! モスクワから最も遠いところで「コノヤロー、もう言うこと聞かないぞ! バーカバーカ。やーい、来れるもんなら来てみやがれ!!」と、一瞬だけ叫んでみることもできる。で、もし本当にプーチンが「言ったな、てめえ!!」と、バイクに乗って地獄の軍団を引き連れて来たら、北海道や中国に一目散に逃げ散ればいい。うん、これは便利だ! よっしゃ、やはりウラジオストクだ!

 また、逆に日本側も同じだ。他のアジア圏に近い九州や沖縄なんかは、みんな気軽に韓国や台湾に遊びに行ったりしてるし、音楽フェスをお互い一緒にやったり、いろんなイベントに参加したり、西に行けば行くほど交流は深い。羨ましい。じゃ、東京はどうかというと、その先には海しかない。で、その海の向こうにハワイがある。おい! 遠すぎるよ!! そう考えると東京ってのは実はかなり端っこの方にある都市に見えてくる。さらに東北や北陸などの日本海側などに至っては「裏日本」などと呼ばれ、あまりいい思いをしてこなかった。しかし! 実は我々にはウラジオストクがあるではないか! そう、日本列島は南方から来るいろんな人や文化の行き止まりではない。ウラジオストクとの交流が活発化したら、日本はちゃんと通り道になって面白いことになるに違いない。これはもったいない! もちろん、今でもいろんな文化交流はやってるんだろうけど、やはり我々にできることは大バカなやつら同士の交流! これが始まったらいよいよ面白いことになってくるに違いない。

 実は、何を隠そうこの作戦1〜2年前から計画していて僅かながらも進んでいた。だが、さすがウラジオストク、意外とハードルが高く情報が極めて乏しい。近隣アジア圏にしても東南アジアやヨーロッパなど、各地域は色々と人づてに聞いて回ったらなんだかんだと情報は入ってくるもんだが、ウラジオストクは手強い。なかなか手掛かりに有りつけない! よし! こうなったらもう、大々的に情報を集めにかからないとだめだ! みなさん、協力お願いしま〜す!!!
 ウラジオストク調査団をなんとか実現して、まだ見ぬ大バカな仲間を探しに行くしかない!!!

 ということで、下記大募集!!

ウラジオストク・マヌケ情報

 こんなくだらない店があるとか、謎の文化発信地のようなスペースなどの情報。あるいは、とんでもないバカなことやってるやつがいるらしいなどの情報も重要! 全く無駄なことを異常に熱心にやってたりするやつなんかいいね。ささいな情報でも歓迎!!

酒豪募集

 ロシアといえばウォッカ。特にシベリア地方のやつらとか、寒いからか本当によく酒を飲む。以前ウラジオストクに行った時も、バーとかに行ってみると、みんな酒の量が半端じゃない。しかも、ロシアのいかつい人相のやつらも飲み始めるとみんな超大バカな感じになって大騒ぎになる。この酒文化はやばい! かつてのロシア革命も絶対に酒の勢いで成功したに違いない! となったらロシア人をも唸らせる酒豪中の酒豪が調査団に加わってくれればこんなに心強いものはない。ここはひとつ焼酎を水のように飲みまくる九州人か釜山人あたりに期待したいところだ! あるいは商店街の長老クラスの酒豪たちに熱燗マシンを片手に参加願うというのもいいね! 

極寒に耐えられる人募集

 ウラジオストクといえば、シベリアの入り口。いうまでもなく極寒の地。となったら行くなら冬。えっ? 夏の方がいいって? ダメダメ! 寒い土地の一瞬の夏に行ってもなめられるだけ。それは北海道も同じ。かつて、バイクで北海道ツーリングに何度も出かけたことがあるけど、夏に行った時に地元の人と話してもたいてい「いいよね、この時期に来ると気持ちがよくて。でも、冬は全然違うからね〜! ここの冬は厳しいよ〜」などと言われる。う〜ん、これは癪だ。じゃ、冬に来てやろうと思って、2度ほど真冬の北海道にバイクで出かけてみた。服を着込んでフル装備で野宿なんかしてると、たいてい死体と間違われて、夜中に「おい、しっかりしろ! 大丈夫か〜!!」などと起こされる。そんな時に「いや〜、旅行中なんですけど金がないから野宿してるんですよー」とかいうと、「おまえ、バカじゃねえか!」と驚かれる。そう、これこれ! たまに本気で怒られるけど、「よりによってなんでこんな時に来たの?」っていわれ、異常に仲良くなることが多かった。ウラジオストクも同じで、この作戦で真冬の猛吹雪の中、行ったほうが一目置かれる可能性も高いに違いない。よし、第一陣は真冬に決行だ! おお、これは楽しそう!!!! 台湾とかマレーシア、沖縄のみんな! 行くぞ行くぞ!!

顔に説得力ある人募集

 ウラジオストク調査団というと聞こえはいいけど、別に政府や財団が金を出してくれるわけでもないし、スポンサーが付くわけでもない。もっともらしいアートや市民交流なんかだったら行政が金を出してくれたりもするし、学術研究とか市民活動家の交流なんかだったら、大学や学者さんが資金を出してくれるかもしれない。しかし、今回のウラジオストク調査団は、日本はじめアジア圏のバカなやつらがウラジオストクのマヌケなやつらのところに、酒を飲んだり遊んだりくつろいだりして仲良くなりに行くというもの。こんなくだらない作戦に、お金を持っている有識者が理解を示してくれるわけがない。彼らにはまだ難易度が高すぎる。「それ、いいね!」と、食いついてくるのは、すでに金をかけずに面白いことをやるために情熱を注いでるやつらばかりのはずなので、基本自腹で作戦を遂行せねばならない。そうなってくると、泊まる場所を確保したり、うまくイベントをやらせてもらうように漕ぎ着けたり、食料にありついたりと、いろいろ話を進めていかなければならない。しかも、ロシア語というのは非常に難解なので、これはもう顔で話を進めるしかない。よくいるでしょ、わけわかんないやつのクセにやたら風格だけ出してて、なぜか話持ってくやつ。そういうやつ。頼むよ、ロシア! 

背の高いやつ募集

 ロシア人はでかい。日本人は小さい。最近仲良くしてるアジア人もみんな小さい。チビっちゃいのが大勢でロシアに行って、大きいロシア人を見つけて駆け寄って、周りに群がって大きい人の話を聞いてたら、完全に小学校の遠足じゃねえか! これはいかん!! それにロシア人と仲良くなったとしても、街を案内してもらう時に、柵のついた台車に我々が乗せられて大きい人に押してもらったんじゃ、格好がつかない。柵付きカートに「ウラジオストク調査団」って看板つけたりして・・・。みっともない!!! おーい、でかい人! 2mぐらいの人、手伝って〜!!

瓦割りできる人募集

 国が傾いてきたり弱ってくると極右勢力が増えるという法則がある。そう、自分たちに自信がなくなってくると極右に走り、無意味に体を鍛えたり棍棒を持ったりして「俺たちは強いんだ!」と言い聞かせ、移民や旅行者、パンクスやラブ&ピースな人々など自由人なんかを殴ったりして憂さを晴らすというとんでもないやつら。これはタチが悪い。最近欧州やロシアでは台頭が著しい。ウラジオストク調査団など生贄もいいところだ。しかも、この屈強なロシアファシストに対して、我々アジア人などひとたまりもない。ましてや、軍隊もなければ田舎のサバイバル力もない東京人と香港人は世界最弱といっても過言ではない。どうだ、まいったか! これは走って逃げるしかないわけだが、追いつかれたら事だ。そんな時はすかさず瓦を出し、「でやーっ!!!!」と、瓦を素手か額で割って、ファシストがひるんだ隙に、蜘蛛の子を散らすように逃げ散るしかない。

ラーメン作れる人募集

 ロシアに行くのはいいんだが、最近ロシア通貨のルーブルが急落して両替所閉鎖とかいろいろ大変なことになっている。うかつに全財産をルーブルに換金して、それが一瞬で無価値になったら日本に帰れなくなってしまう。そんなとき、我々に残された道はラーメン屋か寿司屋しかない。いや、こうなったら太極拳とかカンフー講座でもいい。どうせ顔同じだからなんでも大丈夫。アジア風のものならなんでもいい。こうなったらボッタクリ雀荘とかやっちゃうか! いや、だめだ! ぼられたロシア人にぶっとばされる! よし、ラーメンだ、ラーメン! 調査団員メンバーにはラーメンの達人が必要だ!

 と、募集しまくってきたけど、これキリがないぐらい人員や情報が不足している! なんとか来年冬には実現したいところだけど、果たしてどうなることやら!!!!!
 世界の大バカなやつらが結託してのびのびし始める世界マヌケ革命!!! これは大反乱を起こしたり国家転覆を計ったりするわけじゃないので、知らない間に着々と進んでしまう! そう、世界マヌケ化はすでに始まっている!!!!!! ウラジオストク調査団大募集!!!!!

 

  

※コメントは承認制です。
第84回急募!
ウラジオストク調査団員!!
」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    4月以来、久々の更新となりました。海外マヌケ作戦は着々と進んでいるようです。今回は、なんと「ウラジオストク調査団大募集」。身長2mで瓦が割れて、顔に説得力のある方、いかがでしょうか!? なんだか、選挙結果とかに後ろ向きになっている場合じゃないなと思いました。力強くのびのびと、自分たちのやり方でとにかく始めていかないとですね。

  2. 新潟にさ、新潟ロシア村っていう有名な廃墟の心霊スポットがあるらしいから、そこへ不法侵入して、日露友好ロックンロール・カチューシャ・フェスでもやったら? ロシア攻めるならまず新潟でしょう!

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まつもと はじめ:「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ

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