地域発の市民メディア「映像ドキュメント」
編集部
森さんがかかわられている映像配信サイト「映像ドキュメント」も、地元を中心とした活動の一つなんですよね。『谷根千』に関連するコンテンツのほか、憲法9条や日米安保などに関連する記者会見、市民によるさまざまなアクションなどを映像で記録して配信されています。
森
白山辺りにテレビのプロデューサーや環境問題にかかわってきた人たちなどがいて、最初は「9条の会」の講演会の記録をなさっていたんですが、それだけじゃなくて一般の人たちの戦争体験も記録したい、と私のところへ来られたんですね。
『谷根千』でも以前「学童疎開」や「わがまちの空襲」を特集していたし、町の人たちの戦争体験を映像で記録したいという思いもあって、かかわるようになりました。その後だんだん話が発展して、地域のマンション紛争、八ッ場ダム、普天間基地の問題なんかを追いかけるのに忙しくなってしまって、戦争証言の記録はあまり進んでいないんですけど。
編集部
森さんも撮影に行かれているんですか?
森
行きますよ。読谷村議の知花昌一さんが首相官邸前で座り込みをされていたときにもインタビューに行ったし、最初は「谷根千最後の日」なんていう映像も作ったし・・・。ハンディカムのビデオカメラなんですけど、おもちゃみたいで楽しいです。本当は編集も覚えなきゃいけないんだろうけど、目の病気をしたし、そこまで1人でやらなくても、と思って。
私は運がよくて、必要なときには必ず助けてくれる人が現れる(笑)。『谷根千』で27年間集めた資料のアーカイブを作ろう、というときも、たまたま映像関係のアーカイブの専門家集団とご縁がで きて。それはうちのヤマサキ(『谷根千』をともに創刊・発行した山崎範子さん)がずっと積み重ねてきたご縁なんですが。今、千駄木にある蔵を、その映画保存協会とシェアして使っているんですけど、その一階を映画館にしているんですね。こないだはそこも使って「ダムとわたし」映画祭という催しをやったんですよ。その関係で、毎晩飲み歩いたりして、楽しかったです(笑)。
「必要なときには助けてくれる人が現れる」のは、
なんとも明るくて気さくな森さんの人柄ゆえ?
次回は、「ここ数年、畑仕事をしに通っている」という、
宮城県・丸森町でのお話を中心に伺います。