7月16日に東京で予定されている
「さようなら原発10万人集会」。
その呼びかけ人の1人として準備に奔走しているのが、
ルポライターの鎌田慧さんです。
3・11の以前から日本各地を取材し、
「原発とカネ」の構造を世に訴え続けてきた鎌田さん。
改めて今の思いをお聞きしました。
「本気で頑張ってこなかった」後悔が原動力
編集部 鎌田さんが呼びかけ人の1人になられている「さようなら原発署名市民の会」では昨年から、「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める1000万署名」を呼びかけてこられました。現時点でどのくらいの署名が集まっているのですか?
鎌田 6月半ばの時点で約750万筆。目標にしている1000万まであと250万筆ということで、これは達成できる、と思っています。6月12日には横路孝弘・衆議院議長に、15日には野田佳彦首相(受け取り・藤村修官房長官)に、それぞれ集まった署名の一部を提出しました。
編集部 さらに7月16日には、東京・代々木公園での「さようなら原発10万人集会」も企画されています。
鎌田 だから、最近はやることがたくさんあって、寝ていても「ああ、あそこに電話しなきゃ」と思い出したりで目が覚めて、睡眠不足です(笑)。もともと僕は事務作業は苦手で、いろんな運動にかかわるときも、集会などに呼ばれていって、あいさつするだけのことが多かったんだけど、今回は文書作成や連絡なども自分でやっているから。
編集部 鎌田さんが、それほどまでこのアクションに力を注がれているのはどうしてなのでしょう。
鎌田 それは、福島の事故が起こるまで、ちゃんと「運動」をやってこなかったという思いがあるから。もちろん、建設反対の住民運動や反原発を掲げた集会などには参加していたけど、大集会にはならなかった。チェルノブイリの事故があったときでも集まったのは2万くらい、それもそんなに頻繁に開催されていたわけでもない。少なくとも僕自身は、ルポは書き続けてきたけど、運動で本気で頑張っていなかった、という思いがあるんです。