木内みどりの「発熱中!」

映画、テレビ、舞台と幅広く活躍してきた女優の木内みどりさん。
3・11以降は、脱原発についても積極的に活動しています。
脱原発への思いや憲法のこと、政治や社会参加についてなど、
日々の暮らしや活動のなかで感じていること、気になっていることを
「本音」で綴っていただきます。不定期連載でお届けします。

第30回

合田佐和子さん

画家、合田佐和子さんが亡くなりました。

佐和子さんが描いてくれたわたしの画像。
今まではわたしだけのものでしたが、
佐和子さんの貴重な仕事のひとつとして公開します。

みどりちゃん、
さわこちゃんと言いあって、
まるで中学女子のような仲でした。

いろいろなところに行きました。

シリアに行った時もあまりにもおかしな経験で
お話しできないほどです。

我が家にも来てくれていたし、
さわこちゃんが電車に乗れなくなってからは、
さわこちゃんの家に行きました。

近年、調子が良くなくなって、
電話で話すことが多くなりました。
そのたび、衰えが加速度ついてることを感じていました。

引っ越しを手伝いに行った時、
驚きました。
斜めにしか歩けないのです。

でもでも、
誇り高きさわこちゃん。
ほんとにとんがった女性でしたから、
並みのオトコじゃあ、かなわない。
並みのオトコはすたこらさっさと居なくなる。

だって、彼女は類い稀なアーチスト「合田佐和子」なのです。
合田佐和子は「合田佐和子」の時間を生ききったのです。

もっと言えば、

「耳」だけを作り続けた、
三木富雄さんの未亡人です。

三木さんの「耳」、
今も電通の玄関ロビーにあるのでしょうか。

さわこちゃん、
さわこちゃん、
さわこちゃん、
さわこちゃん、
さわこちゃん、

もういないなんて、
淋しすぎる。

けれどね、
近いうちにわたしも行くところだから。

そのうちに、ね。

さわこちゃん、
おやすみなさい〜

 

  

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第30回 合田佐和子さん」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    寺山修司や唐十郎主宰が主宰する舞台の美術、ポスターなどを手がけた合田佐和子さんが、2月19日にこの世を去りました。詩のような、手紙のような木内さんの言葉から、たくさんの愛情が伝わってきます。

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木内みどり

木内みどり(きうち みどり): 女優。’65年劇団四季に入団。初主演ドラマ「日本の幸福」(’67/NTV)、「安ベエの海」(’69/TBS)、「いちばん星」(’77/NHK)、「看護婦日記」(’83/TBS)など多数出演。映画は、三島由紀夫原作『潮騒』(’71/森谷司郎)、『死の棘』(’90/小栗康平)、『大病人』(’93/伊丹十三)、『陽だまりの彼女』(’14/三木孝浩)、『0.5ミリ』(’14/安藤桃子)など話題作に出演。コミカルなキャラクターから重厚感あふれる役柄まで幅広く演じている。3・11以降、脱原発集会の司会などを引き受け積極的に活動。twitterでも発信中→水野木内みどり@kiuchi_midori

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