カエルの公式

 こんにちは。早いもので、もう年末もすぐそこですね。

 特定秘密保護法をむりやり成立させ、さらにはエネルギー基本計画で原発を復活させようと考えている政府の動きにすっきりしない年末になりそうですが、おいしくて安心なものを食べて正月を迎えたいと思っています。

 さて「食べ物と言えば…」、と無理やりのこじつけですが、今回のカエルの公式では、前回の「ランキングの持つ力」の続きとして、グリーンピースが行っている「お魚・スーパーマーケットランキング」をご紹介します。

 ぜひ、おせちなどお正月料理の買い物の参考にしてください!

「お魚・スーパーマーケットランキング」 vol.3


 
 「お魚・スーパーマーケットランキング」は、お魚の持続可能性や安全性の観点から国内スーパーマーケット大手5社(イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友)の魚介類商品の調達や、情報公開等に対する取り組みを調査・評価したものです。

 前回のランキングで最下位だったイトーヨーカドーが大躍進の1位、前回3位だったダイエーが順位を落として最下位という結果になりました。ランキングの詳しい結果については以下のバナーをクリックしてください。

 そのイトーヨーカドーが前向きな姿勢に変わってくれたのには、消費者からの働きかけがありました。

 

消費者が動かすスーパーマーケット

 前回のランキングで最下位だったイトーヨーカドーに対して、グリーンピースは全国の消費者のみなさんと同社に方針を変更するように働きかけてきました。

 その一環として、グリーンピースは今回のランキング発表に先駆けて、消費者の皆さんからお預かりした「未来に魚を残すため、放射能汚染、乱獲、違法漁業の魚を売らないで」と呼びかける約8000通のオンライン署名を、イトーヨーカドーを含む大手5社及び業界団体に届けたりもしました。

 これらの働きかけで、イトーヨーカドーだけではなく、ほとんどのスーパーがグリーンピースと前向きな話し合いを始めています。

 多くの「消費者の声」が、今回のイトーヨーカドーの動き、そしてスーパーマーケット業界全体の背中を後押ししはじめているというわけです。

すでに、具体的な成果も実現!

 2013年、各社の「持続可能性に配慮した魚介類の調達」について具体的な前進もありました。

・スーパーマーケット国内トップ5社(ユニー、ダイエー、イオン、イトーヨーカドー、西友)が絶滅危惧種であるヨーロッパウナギの取り扱いを中止。
・西友が、「種の特定ができて流通経路を追跡できる魚介類を原料とした商品のみを取り扱う」として魚介類調達方針の強化を約束。
・イオンと、同グループのダイエーが、深刻な資源の減少が問題視される太平洋クロマグロの幼魚「メジマグロ」の販売自粛を決定。

 これらの前進は、企業が「消費者の声」に耳を傾け対応したことのあらわれです。「消費者の声」でスーパーマーケットは変わります!

 でも、まだまだスーパーマーケットの取り組みは不十分ですし、前進するスピードも遅いです。

 安心して魚介類を購入するため、次の世代に私たちの食文化と豊かな海を残すためにぜひスーパーマーケットへ、あなたの声を届けてください。

★詳しい各社回答とグリーンピース評価はこちら

ランキングの持つ力をもう一度

 ある企業の取り組みを変更させたいという場合に、市民や消費者の視点で同じ業界の企業を評価し、ランキングにすることはとても効果的です。

 前回のカエルの公式でも書いたので繰り返しになりますが、ランキングが効果的な理由は3つあります。

 1. 企業のお客さんである消費者が評価していることから、企業としても無視しにくいこと。
 2. 企業にとって自社よりも上に他社がランキングされていれば「こんな無理なことはできない」と言いにくいこと。
 3. 継続的に行うことで、企業の担当者としてもわかりやすく、競争原理が働くこと。

  つまり、ランキングという消費者にわかりやすい手法を取り入れることで、企業は「お客様」の面前で「他社」と競争しなければいけなくなるのです。こうすることによって、「グリーンピース VS ある企業」ではなく「企業 VS 企業」という仕組みができます。これが、継続的な改善を企業に促すことにつながります。

 このランキングは企業を評価することだけでなく、市町村の政策などでも有効に使えると思います。

 

スマートフォンアプリも開発しました!

 グリーンピースは、消費者のみなさんと一緒に日本の市場をグリーンに変えていきたいと思っています。

 そこで、スマートフォンで使えるお買い物アプリ「グリーンお買い物ガイド」を開発しました。第一弾は、お魚編です。

 「グリーンお買い物ガイド」には、環境と、わたしたちの健康を守ることにつながる食品を選ぶための情報がぎっしり詰まっています。あなたもこのアプリで、グリーンなお買い物をはじめませんか。詳しくは以下のバナーをクリックしてアクセスしてください。

 

  

※コメントは承認制です。
第37回 「ランキングの持つ力」2 – 市民の力で、スーパーマーケットが動き始めた」 に3件のコメント

  1. magazine9 より:

    私たちの生活に、とっても身近な「スーパーマーケット」。だからこそ、消費者・利用者として声を届けやすいし、そこから変化が起こる可能性も高いといえそうです。せっかくのお買い物、売り場に並ぶその前の過程にも賛同できるものを選びたい。たくさんの人がそう考えて、そしてそれをちゃんと声に出して伝えていけば、ほんの少しでも社会は変わっていくのでは? 

  2. いぶし丼 より:

    うっかり他の記事のコメントでランキングと競争を批判しちゃったケド勿論この記事への批判じゃないよ、念のため。「お客に(長い目で見れば人類全体に)どんなメリットをもたらすのか」それを忘れない事が健全な商売って事だよね。日本はそれを長いこと「上の者が決めることだ」と疑わずにやって来ちゃったから、自分もお客も見失ったんだろうなきっと。我が儘なお客の声が商売を作っていくなら作り手も売り手も買い手もみんな幸せ。それこそが自由民主主義の本質だよ。そういう世の中になったら「親方日の丸の余計な指導はもう要らない」って言えるよね。

  3. 花田花美 より:

    グリーンピースは9割本当の話をして、1割変な方向に誘導する悪い点があるように思います。
    大きい団体になると、そういう弊害が出てきてしまうのでしょうか?
    「持続可能」の意味をよく考えてみましょう。
    環境活動家好みの耳あたりのいいフレーズですね。
    ここにこだわりすぎると、大切なものを見失います。
    自然の「持続可能」のために、人の命・健康が軽んじられる危険性さえあります。
    グリーンピースの主張を重ね合わせていくと、原発が必要という結論になると私は考えます。
    建前では、反対していて、危険性を主張しますが、中身は異なると私は考えます。
    温暖化防止のためにも原発が必要だと安倍自公政権はいっているけれど、
    グリーンピースはその嘘(人為CO2温暖化説)を広める一翼をになってしまっています。
    人為CO2温暖化説が嘘だということは、クライメートゲート事件でばれてしまっていて
    日本人以外はあまり信じていません。
    深くほりさげて考えていかないと、原発問題はひとすじなわではいきません。
    グリーンピースにいる人は人為CO2温暖化説を一度は疑ってみてください。

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佐藤潤一

佐藤潤一(さとうじゅんいち): グリーンピース・ジャパン事務局長。1977年生まれ。アメリカのコロラド州フォート・ルイス大学在学中に、NGO「リザルツ」の活動に参加し、貧困問題に取り組む。また、メキシコ・チワワ州で1年間先住民族のタラウマラ人と生活をともにし、貧困問題と環境問題の関係を研究。帰国後の2001年、NGO「グリーンピース・ジャパン」のスタッフに。2010年より現職。twitter はこちら→@gpjSato

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