カエルの公式

 こんにちは!

 いよいよ2013年。

 今年もグリーンピース、そしてカエルの公式をどうぞよろしくお願いします。

 ユニクロとグリーンピースが画期的な合意に!

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 さて、2013年最初のカエルの公式は、「変えた」明るいニュースから。

 前回の「社会を変える”理想”の公式はこれ! グリーンピースの”IDEAL”原則」でご紹介したグリーンピースの有名アパレルメーカーに有害化学物質全廃を約束してもらうというキャンペーンで、またまた成果が出ました。
 本日(2013年1月9日)グリーンピースとの合意文書をウェブサイト上で発表したのは、アジア最大の売り上げを誇る、あのユニクロで有名な株式会社ファーストリテイリング社。

2020年までに有害化学物質の使用全廃を約束

 今回グリーンピースがファーストリテイリング社と合意したのは、有害化学物質の全廃に向けたロードマップ。同社は、グリーンピースに2020年までにすべての有害化学物質の使用を「予防原則」に基づいてやめていくと宣言しました。「予防原則」に基づくということは、有害性が100%証明されなくても疑わしければ使用をやめるという原則です。

 さらにこの宣言では、2020年に向けて細分化されたステップも合意されています。例えば、2013年5月末までに、ファーストリテイリング社の中国工場における化学物質の使用状況を情報公開するという内容。
ファーストリテイリング社 CSRページ
 今回、同社が使用をやめるという化学物質の中には、メーカー側として代替することにかなりの労力とコストがかかる可能性のある物質も含まれていますし、海外(特に中国)の工場における有害化学物質の使用状況を同社のHPで公開すると約束したわけですから、今回の宣言でファーストリテイリング社は同規模のアパレルメーカーと比べても世界でトップレベルの取り組みを宣言したことになります。

グリーンピースもユニクロを評価

 よって、グリーンピースとしても現時点で、ファーストリテイリング社がアパレルトップメーカーにおける有害化学物質削減へのリーダーとして評価すると記者発表しました。
グリーンピースの記者発表
 この宣言は、グリーンピースとファーストリテイリング社が2011年よりコミュニケーションを続けてきた結果でした(2011年にも同社はグリーンピースのキャンペーンの結果、有害化学物質削減への努力を続けると宣言しましたが、今回の宣言は具体的な期限や数値目標を掲げるという点でさらなる前進です)。

 「え、ユニクロがグリーンピースと?」と驚かれた方も多いかもしれません。ファーストリテイリング社もグリーンピースの国際的な活動の意義と、有害化学物質の全廃の必要性をしっかりと理解してくださった結果だと思います。

アパレルトップメーカーが次々に!

 中国などのアジア諸国やメキシコなどにおいて、衣服などを製造するアパレルメーカーが布の染色加工プロセスで膨大な量の化学物質を使用しています。その化学物質が河川を汚染している状況も依然として深刻な状況です。

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写真: 中国の河川と繊維加工工場 (c) Qiu Bo /Greenpeace

 これまで、中国などの工場で使用されている化学物質については、情報公開が進んでいませんでした。近隣住民は工場でどのような化学物質が使用され、近所の川や水路に排出されているのかを知ることができません。 

 すでにグリーンピースと合意を交わしているH&M、ZARA、C&A、Levi’sなど世界規模でビジネスを展開する10社以上のアパレルメーカー、そして今回のユニクロの発表によって、アジアにおける工場の情報公開と有害化学物質使用削減がさらに進むことが予想されます。

 グリーンピースが、常に業界のトップ企業に働きかけるのは、その市場へと与える影響が非常に大きいという点と、トップ企業にこそ社会的責任をしっかりと果たしてもらいたいからです。

 ファーストリテイリング社の今回のリーダーシップは、とくに日本企業の社会的責任のとらえ方として先進的な取り組みと言えます。

2013年、グリーンピースの意気込み

 2013年、グリーンピースはこのような「企業に責任を問う」キャンペーンを行っていきます。グリーンピースの2013年への意気込みは、こちらのブログに詳しく書きました。

 ぜひご覧ください。

▼グリーンピース事務局長ブログ 
新年挨拶、「虹の戦士」の力を結集したい (2013年1月7日)

 

  

※コメントは承認制です。
第17回 ユニクロが、グリーンピースと2020年までに有害化学物質全廃で合意!」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    新年とはいえ、今ひとつ明るい気分にはなれないところに、数少ないいいニュース!
    社会に大きな影響を与える大企業だからこそ、社会的責任をしっかりと果たさなくてはならない。
    そうした意識は、もっともっと広がっていいのではないでしょうか。
    そしてそれを実現するのは、私たち消費者の意識と行動のはずです。

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マガジン9

佐藤潤一

佐藤潤一(さとうじゅんいち): グリーンピース・ジャパン事務局長。1977年生まれ。アメリカのコロラド州フォート・ルイス大学在学中に、NGO「リザルツ」の活動に参加し、貧困問題に取り組む。また、メキシコ・チワワ州で1年間先住民族のタラウマラ人と生活をともにし、貧困問題と環境問題の関係を研究。帰国後の2001年、NGO「グリーンピース・ジャパン」のスタッフに。2010年より現職。twitter はこちら→@gpjSato

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