こんにちは。
都知事選挙の結果は、残念。
大雪の影響があったとはいえ、投票率の低さにも正直がっかりでした…。
石原都政、猪瀬都政から、舛添都政へと変わるわけですが、私たちの生活の何が変わらなくて、何が変わるのか、しっかり市民が監視・評価していかなければいけないですね。
さて、何かが変化する前後をわかりやすく比較することを「ビフォーアフター」なんて呼ぶことがあります。この手法、社会問題を指摘するときにも有効だと思いますので、ぜひ使ってみてください。
例えば、最近グリーンピースが作成した比較写真がフェイスブックなどで広く拡散されました。それが、下の写真。
ミツバチがいなくなったら、これだけの野菜や果物が、棚から消えてしまう恐れがあることを示したものです。
ミツバチの役割
私たちが毎日食べている野菜や果物の実りに、ミツバチがとても大きな役割を果たしている事を知っていますか?
ミツバチは、花の蜜を集めるだけではなく、私たちの毎日の食事に欠かせない果物・野菜を栽培する農業の現場において、果実を実らせるための受粉も行っています。
「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」と国連環境計画(UNEP)アヒム・シュタイナー事務局長が2011年に報告しているように、ミツバチは生態系だけではなく、人間にもとても重要なものです。
ミツバチが受粉を行う主な作物
ハチは世界の作物の3分の1の受粉を担っていると言われていますが、その主な作物がこちら。
リンゴ、アーモンド、アスパラガス、ブラックベリ、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、カカオ、ニンジン、カリフラワー 、セロリ、サクランボ、ナス、ニンニク、ライチ、マカダミア、マンゴー、ナツメグ、タマネギ、パッションフルーツ、桃、梨、梅、かぼちゃ、ラズベリー、ポンカン、スイカ
いなくなるミツバチ
そのミツバチが、世界中で姿を消しています。日本でも各地で、ミツバチの大量死や、ミツバチの巣に異変が見られています。さまざまな原因が複合的に影響を与えていると言われていますが、その中でももっとも直接的な原因とされているのが、ネオニコチノイド系農薬です。
住友化学などの農薬会社はその影響を否定し続けています。その理由は、決定的な証拠がないからというもの。しかし、影響が決定的になってから規制するのでは手遅れです。このネオニコチノイド系農薬、ヨーロッパではミツバチに対して有害性があると明らかになってきたことから、使用が一時禁止されています。
ヨーロッパでは使用禁止。日本では?
ハチに影響をあたえるネオニコチノイド系農薬。日本では禁止どころか、逆に規制緩和が進んでいるのです。厚生労働省は昨年10月、ホウレンソウ、ハクサイ、カブなど約40種類の食品に含まれるネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの残留農薬基準値を最大2000倍と大幅に緩和する方針を示しました。その後のパブリックコメントでは、異例の1000件を超える意見が集まり、消費者の意識の高まりがうかがえます。
グリーンピースではこの規制緩和に反対する署名を続けています。締め切りは明日の2月13日ですが、ぜひいますぐにご協力ください!
「残留農薬の規制緩和に反対します」>> こちらから署名に参加できます↓
国連環境計画(UNEP)が、ハチの激減に関する初の報告書を発表したのは、東日本大震災の前日、2011年3月10日でした。そのタイミングもあって、日本ではなかなか注目は集まりませんでしたが、日本の養蜂家についても「25%がミツバチ・コロニーの喪失に直面した」と言及されているなど、強い危機感を抱かせられる内容です。UNEPのシュタイナー事務局長は「この自然の財産の扱い方次第で、21世紀の人類の未来の一部が決まってくる」とも。まだ原因が完全に特定されているわけではないにしても、対策が急がれることは間違いありません。