こちら編集部

 5月にマガ9コラムで『親子でつくる自然エネルギー工作1 風力発電』で紹介した後、『2 太陽光発電』、『3 小水力発電』『4 太陽熱・バイオ発電』が大月書店より相次いで刊行され、先般、同シリーズが完結しました。

 この企画を立てた編集者のセンスにあらためて敬意を表したいと思います。

 磁石をつけたCDケースを回転させたり(小水力発電)、紅茶の燃料電池をつくったり(バイオ発電)、身近にあるものを片っ端から活用して電力をつくる、その技術と遊び心がとても愉快なのです。

 「いってみれば、たかが電気です。たかが電気のためになぜ命を危険にさらさなければいけないのでしょうか」

 こう語ったのは、2012年7月に代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」での坂本龍一さんでした。

 彼は、電気そのものを、あるいは電力会社を蔑んだのではありません。発言の真意は、人間の命と電気を対比させたら、どちらが大切なのかという問いかけであり、坂本さんは「2050年ごろには電気が各家庭・事業所で自家発電するのが当たり前の世の中になってほしい」と訴えています。

 夏休みは大方終わりを迎えてしまいました。いまからでは子供の宿題に間に合いませんが、編者の川村康文・東京理科大学教授と川村研究室の理系男子・女子の面々、そして文と写真を担当した高橋真樹さんたちが紹介する工作を多くの人に試してもらいたい。

 自ら電気を作ってみれば、いままでの自分よりも少しだけ自立した気分になれると思うのです。そして、着るものを編んでみたら、食べるものをつくってみたら、と想像を広げてみましょう。衣食住のうち、ほんの少しでも自給ができ、足りない部分のわずかでも仲間と分かち合えたら、これまでの経済生活において「仕方がない」とあきらめてきたことが、そうではなくなるかもしれません。抽象的な言い方で申し訳ありませんが、自分が変わる。そんな思いも抱かせてくれる『親子でつくる自然エネルギー工作』シリーズ、各ご家庭に「常備」されることをお勧めします。

親子でつくる自然エネルギー工作1 風力発電 /></a></div>
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親子でつくる自然エネルギー工作1
小水力発電

身近な道具と材料で、風力発電機をつくる

著者:川村 康文 編
   高橋 真樹 写真・文
 
親子でつくる自然エネルギー工作2 太陽光発電

親子でつくる自然エネルギー工作2
太陽光発電

花の色素と歯みがき粉で太陽光電池ができる

著者:川村 康文 編
   高橋 真樹 写真・文
 
親子でつくる自然エネルギー工作3 小水力発電

親子でつくる自然エネルギー工作3
小水力発電

水車をまわして電気をつくる

著者:川村 康文 編
   高橋 真樹 写真・文
 
親子でつくる自然エネルギー工作4 太陽熱・バイオ発電

親子でつくる自然エネルギー工作4
太陽熱・バイオ発電

太陽熱でゆで卵、レモンや紅茶で電気を起す

著者:川村 康文 編
   高橋 真樹 写真・文
 
 
 

  

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