マガ9備忘録

10月13日に東京で行われた「原発ゼロ行動」には、主催者発表で40000人が参加したという。私も、その中の1人だ。前日までの季節外れの酷暑こそなかったものの、デモ行進最中の日差しは強かった。その後の国会前抗議では気温が下がり、体調維持に苦労された方も多かったのではないだろうか。

デモ行進では、私のいた第1梯団は14時20分に日比谷公園霞門を出られたものの、あまりの人数のためなかなか出発できなかった方も。デモコースは一度公園に近づくのだが、そのときにはまだ大勢が待っているのが見えた。梯団は27にもなり、デモを終えた最後尾がゴールインした時間は18時10分だったというから、参加されていない方も、その巨大さがお分かりいただけると思う。

デモ行進出発前。「脱原発」の大旗が打ち振られる

一方、その2日前、11日の抗議行動はささやかなものだった。金曜夜に行われる行動は、いつもは首都圏反原発連合が呼びかけているのだが、13日に力を傾注するということで、この日は他の団体の仕切り。この金曜夜の抗議は、2012年4月から大飯原発再稼働問題に対しての抗議行動が呼びかけられて始まった。以降ほぼ毎週、官邸前と国会前で反原発の声を上げ続けている。この日も人数が少ないとは言え、皆真剣にスピーチや抗議を続けていた。

3・11後、最初の反原発大衆行動は、同月27日の六ヶ所村再処理反対デモ。これは長年行われている月例デモだが、普段は30人ほどの参加者が1200人にもなったという。エポックとなったのはその翌月10日に東京・高円寺で開催された「原発やめろデモ!!!」だろう。デモ申請人数の30倍、15000人を集め、各方面に衝撃を与えた。

東電本店前では、人々の声がひときわ大きくなった

それ以来現在にいたるまで、さまざまな反原発大衆行動は続いている。それは東京だけではない。北海道から原発のない沖縄までの全国各地で開催されている。とはいえ、東京のように大規模ではない。数人から数十人というところもあるようだ。立ち上げるノウハウの欠如も悩みの種だという。しかし「原発ゼロ行動」の国会前スピーチに立った各地で闘う人たちは口々に「この規模を見て勇気づけられた」と言っていた。

原発からの脱却には、まだまだ時間がかかるだろう。だからこそ声を上げ続けなくてはならない。抗議行動は、言わば「権力側を嫌がらせてナンボ」。そのためには、「行動を長くしつこく続けること」「行動が広範囲であること」「そしてたまに行動が大規模であること」が必要なのではないか、と参加しながら考えた。
(参考資料:小熊英二編著『原発を止める人々―3・11から官邸前まで』文藝春秋)

 

  

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その5)大衆運動の目的を
権力者に届けるために
」 に1件のコメント

  1. 花田花美 より:

    結局、原発も、TPPも、憲法改悪も、みんな同じひとつの原因からきているようだ。
    グローバル化した大資本が中小企業や庶民の富を吸い上げるシステムが年々強化され、格差が広がっている。
    庶民生活を痛めつけ、大企業がやりたい放題の世の中になってきている。
    そのことを、テレビは国民に知らせず、
    あほなエンタメ番組と政府や大企業に都合の良いニュースを敷き詰めることで、現実から目をそらさせている。
    本当に、本当にやばい事態になったら、国民はめざめ、動き始めるのだろう。
    その序章が全国規模の脱原発デモなのかもしれない。

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