前回、『ニュース女子』の沖縄ヘイトについて述べたが、これを放送した東京MXテレビが、1月16日の同番組終了時メッセージを掲げた。その内容に呆れ返っている。
1月2日に放送しました沖縄リポートは、
様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる
議論の一環として放送致しました。
今後とも、様々な立場の方のご意見を
公平・公正にとりあげてまいります。
このメッセージを発したということは、抗議の声が放送局まで届いていることの証拠だろうが、内容を読むと、なぜ問題になっているかをまったく理解せず、とりあえず頭を下げておこうというさもしい魂胆が見える。
自身が流したデマについての言及は何もなく、そのデマが「議論の一環」とは驚いた。「公平・公正」を掲げながら事実でないものを放送できるその精神を疑う。
ネットニュースサイトのBuzzFeed Newsによれば、同社は先立つ6日、東京MXテレビに対し、取材が実際にされていたのか、根拠となる事実確認はどうしていたのかなど9点の質問を送付していた。しかし、それに対する回答は一切ないまま、前記のメッセージを放送する、というメールが送られてきたという。
確かに沖縄の基地問題は賛否ある問題だ。しかし、現場にも行かず、当事者に話も聞かず、沖縄の人々を蔑むデマを公共の電波で放送したことを開き直るのでは、東京MXテレビはメディアであることを自ら否定したも同然だろう。
(中津十三)