マガ9備忘録

hatespeech

ヘイトスピーチ対策法施行後4カ月が経った。大規模な街頭ヘイトデモは少なくなったと言われるが、それでも散発的に続いている。また、ネット上でのヘイトスピーチが相変わらずであることはご承知の通り。さらに、単なる悪口をヘイトスピーチと混同するといった一般的な理解は、まだ道半ばといった状況だ。

そんな中、『Q&A ヘイトスピーチ解消法』(発行・現代人文社、発売・大学図書)が出版された。ヘイトスピーチとは何なのか、対策法が施行されたその効果と今後の課題などが104ページにまとめられている。

監修は師岡康子さん。彼女は、ヘイトスピーチをはじめとする人種差別撤廃に取り組む弁護士として知られている。そして、編著は外国人人権法連絡会だ。この会は、ヘイトへのカウンター行動や裁判闘争、地方議会や国会へのロビイング、国際人権活動など様々な「現場」に関わってきた、師岡さんを含む弁護士・研究者でつくられている。

この本の表紙には、こうある。

東京、大阪など各地で繰り広げられた、在日コリアンなどを差別し、攻撃するヘイトスピーチ。誰もが尊厳を傷つけられず、安心して暮らせる社会を実現するために、国、地方公共団体、そして私たちは何ができるのか。

また、この本よりもコンパクトなのが、小冊子『ヘイトスピーチって知ってる?』(Smash! Hate Project)だ。巻頭の葛西映子さんの漫画によって、ヘイトスピーチの基本を分かりやすく知ることができる。

この小冊子でも師岡さんは、表現の自由とヘイトスピーチ規制についての関係を語っている。ヘイトを許さない社会をつくるために大車輪の活躍の師岡さんだ。

少しでもヘイトスピーチについて知りたい人はもちろん、カウンター活動で既にヘイトスピーチとは何であるか知っている人も、改めて読んでほしい2冊だ。「私たちは何ができるのか」、勉強しよう。

(中津十三)

※ 『ヘイトスピーチって知ってる?』は、東京・新宿のベルク、青山のクレヨンハウス、神保町の農文協・農業書センターなどで配布されていますが、限定2500部ですので、配布が終了している場合があります。

 

  

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