沖縄・高江での米軍ヘリパッド建設強行のため、本土の機動隊が現地に送られ、反対運動を弾圧しようとしている。その詳細は、今週の「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記」に記されているので、そちらをお読みいただきたい。
私はいても立ってもいられず、昨日(19日)夜の警視庁前抗議に参加した。参加者はおよそ180人。直前までのゲリラ豪雨でひどい湿気だったが、高江で感じられるやんばるの森からの湿気とは違っていた。
警察官としての良心への訴え、未来の子どもたちに恥ずかしくないのかという叫び、高江の人は平穏に暮らしたいだけだという願い…さまざまな人が声を上げた。
その声を聞きながら、先日の県民大会で聞いた沖縄の若者である玉城愛さんのスピーチを思い出していた。
「安倍晋三さん。日本本土にお住まいの皆さん。今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか」
高江の現地では三上さんの報告のようにぎりぎりの闘いが続いている。それを、私たち本土の人間は無視するのか。見て見ぬふりをするのか。
警視庁前での抗議には警察官が大勢張り付いてくる。はっきり言っていい気持ちはしないし、むしろ恐怖も感じる。それでも、「高江」を知った人には、こうした抗議に参加してほしい。
時間的に難しい人はSNSでの発信でもいい。テレビ局の「ご意見募集」のページや電話に高江のことを報道するお願いをしてもいい。実力行使が間近と伝えられる中、本当に歯がゆいが、沖縄のメディア以外でほとんど報じられない「高江」は、とにかくあまりにも知られていないのだから。
うちなーぐちに「ちむぐりさ(肝苦さ)」という言葉がある。「哀れみ」という意味でも使うが、本来は「他人の苦しみや哀しみを知った時に、自分の肝(心)もその人と同じように苦しくなる」ことを表す言葉だ。同じ日本に住む者として、「ちむぐりさ」を感じないか。
(中津十三)