7月10日投開票となる第24回参議院議員選挙の選挙運動もたけなわ。各候補さまざまに工夫を凝らしているが、一頭地抜けたセンスを示しているのが、神奈川県選挙区のあさか由香候補(共産新人)のポスターだ。
ポスターと言っても、これを印刷したものやメールによって頒布することは公選法で禁止されているのでネット上で見ることしかできないが、紹介したSNSでは多くの人に拡散されている。作ったのは、彼女を応援する「with あさか由香」という勝手連のようだ。
第1弾は、バーのカウンターで男性がグラスを手にこちらを見ている構図。そこに「8時間労働ならうまい酒が飲める時間がある。」と大書されている。これは、あさか候補の訴えたい政策の最初に書かれている「人間らしい働き方 8時間働けばふつうに暮らせる社会へ」を表しているのだろう。
この男性の名前が書かれ、その下に「私は、あさか由香に投票します。」とある。「日本共産党」の字は小さく、むしろ「7.10 SUN 投票日」のほうが大きい。
第2弾は「社会保障を確立して安心して働いていける建設産業に。」、以下「医療費、介護保険料の窓口負担をへらし、誰もが安心して受けられる制度を実現すると言ってくれた。」、「奨学金を給付制に。学生が借金漬けになることはおかしいと言ってくれた。」、「子どもたちのため戦争をしない国であってほしい。」と続く。
伝える内容ももちろん、伝え方が素晴らしく、心に残る。地に着いた一人ひとりの生活と政治が、特別なことではなく普通に繋がっていることが分かる。
29日現在の最新作の第9弾は「武力で平和はつくれない。憲法を守る、と強く言ってくれた。」。投票日までこのキャンペーンは随時更新されていくという。今後に期待するとともに、他の候補者のさらなる奮起を望む。
(中津十三)