3月27日の大相撲春場所千秋楽の結びの一番は横綱同士の対戦。しかし、白鵬が左に変わって日馬富士を突き落としで破って優勝したことに非難の声が相次いだ。
確かに全く褒められた相撲ではない。大一番、しかも横綱が注文相撲を取るなど、もちろん批判されてしかるべきだ。当人も優勝インタビューで泣いて詫びていた。
しかしそこで発せられた、「モンゴルへ帰れ」などという差別ヤジは聞き捨てならない。もしこれがプロサッカーであったなら、そのヤジを飛ばした人物を特定し、出入り禁止とするだろう。かつて小欄でもJリーグで起きた差別事件に対しての問題について触れた。
また、昨年秋に発覚したプロ野球の賭博問題も、ジャイアンツに制裁金が課され、高木京介投手含め4人が失格処分となっただけで、自粛も何もなく通常通り今シーズンが開幕した。ほかに賭けマージャンや闇スロット、選手間での高校野球くじなどが他球団でも発覚したが、これも大したお咎めはなしだ。
賭博と言えば2010年、大相撲の親方や力士による野球賭博問題が発覚したことも忘れられない。「国技」の信頼は大きく失墜し、当時の北の湖理事長が引責辞任した経緯がある。
これは一体どうしたことか。大相撲もプロ野球もドメスティックなプロスポーツだ。“外圧”がないと自浄できないのか。皆が忘れるのを待っていたり、トカゲの尻尾切りで済まそうと考えているのではないのか。
国際的なスポーツでは、サッカーのFIFA幹部が逮捕され会長が交代するなどの大きな不祥事があるが、少なくとも、差別や金銭問題に対しての「建前」が成り立っている。
ルールという「建前」あってのスポーツではないのか。それを失い、差別も金銭問題も許容するスポーツなど、存在するに値しない。ルールから外れたものに対しての毅然たる態度こそが求められているのだ。
(中津十三)
早大教授尾形鶴吉は、江戸後期におけるヤクザを社会的影響力の順に分類(1)火消人足(2)目明(3)角力(4)博徒及び侠賊(5)人入。もともとヤクザで娯楽の興業だからねえ。65年には大鵬・柏戸ら横綱までも拳銃密輸をして御用になるも処分は書類送検だけ。協会はけん責処分にしただけでマスコミも追求していない。職業野球も同じで、長島が入る58年まではプロレス並の評価だったという。’06年に12球団統一の試合観戦契約約款が変わるまでヤクザと関わる応援団がやりたい放題だった。球団も、切符を流してダフ屋をさせてたしね。例えば、02年9月27日には東京ドーム社の林有厚社長が陳謝する事態となっている。建前を押し付けて批判してもいいけど、いくら生臭くないような顔をしているからといって、魚に対してお前は生臭い、許せないと非難しても詮無い話、むしろ法人格と、伴う特権を引っペがして内実に相応しい扱いに戻して好きにやってもらうべきでしょう。