19日から20日にかけての夜、沖縄・辺野古の米軍キャンプシュワブ前座り込みテントが暴漢に襲われた。
この暴漢は街宣右翼「日思会」の約20人。夕方からテントを威嚇し、飲酒を始め泥酔した挙句の狼藉のようだ。ナイフを振り回し、横断幕を破ったりテントを引き裂いたり、さらには数人に負傷させるという乱暴を働いたにもかかわらず、警察の動きは異常に鈍かった。
右翼が暴れ回る模様はツイキャスで中継され(現在はこちらで見ることができます)、筆者もこれを見ていた。一番に非難されるのは右翼たちだが、さらに呆れるのは名護署員の対応だ。夕方から威嚇を繰り返しており、通報もされていた。しかし、実際に駆け付けたのは深夜になってからだ。
なだめることしかせず、本気で身柄を確保しようとしないものだからいよいよ図に乗る右翼たち。酔っているのだから挙動不審で「保護」くらいはできるだろうに、手をこまぬくばかりの警察の無気力と不作為は、目を覆わんばかりだった。
辺野古に新基地を造らせない運動は、非暴力を貫いており、だからこそ人々の広い支持を得ている。そうした運動に対して、公然と暴力沙汰に及ぶ右翼の乱行には、怒りや恐怖を通り越して、唖然とせざるを得ない。精神の荒廃と言ってもいいだろう。
その後の新聞報道で、男3人が傷害と器物損壊容疑で逮捕されたことを知ったが、後手に回る警察の対応のまずさばかりが浮き彫りになった。この後、右翼団体の家宅捜索など厳正な捜査が必要だ。
琉球新報9月21日付社会面より
国会で安保法制が可決されたのは、19日未明。国民の反対の声を押し切り、論理的整合性など無視した政府の暴力的な決め方と、右翼の暴力に共通項があるように思えてならない。そして、その暴力に加担していると見られてもおかしくない警察の対応も。
(中津十三)