冷たい雨の降る1月15日夜、東京・神田駿河台の連合会館で「止めよう辺野古新基地建設実行委員会 沖縄県議会議員団 1・15東京報告集会」が行われ、参加してきた。会場は立ち見どころか通路に座るしかない人もいるほどで、東京でもこの問題への注目度が高いことを感じさせた。
司会は、昨年11月の沖縄県知事選と同時に行われた沖縄県議補欠選那覇市区で当選した比嘉瑞己さん。プログラムがさまざまある中、身近で現場を知る沖縄県議4人からの報告は“まっとーばー”(うちなーぐちで「真っ直ぐ」の意)で、実に説得力があった。
まず「県民合意なき『承認』―辺野古埋め立てをめぐる視点」と題して仲村みおさん(社民・護憲ネット会派)が口火を切った。今回の埋め立て承認が公有水面埋立法上初の事例であること、大田県政下での代理署名裁判など「公益」を問う闘争の延長にあることを熱く語り、承認の不透明さを強調した。
続いて渡久地修さん(日本共産党会派)の報告「米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因である」。復帰以降振興予算として投入された11兆円は大半が本土に還流しており、県民所得は未だに全国最下位。返還された那覇新都心などの飛躍的な発展を手本に、基地を撤去しての雇用創出を訴えた。
3番目に比嘉京子さん(沖縄社会大衆党会派)が「沖縄の民意は明確に示された」。保守革新の枠を超えた「オール沖縄」の構築がなぜできたか、1995年の県民総決起大会以降の歴史をひもとくとともに、昨年の名護市長選、県知事選、衆院選全4区の勝利を振り返り、その民意を改めて確認した。
最後に吉田勝廣さん(公明党・県民会議無所属会派)が「日米地位協定と刑特法」について。吉田さんは基地が集中する中部・金武町の元町長で、県道104号越え実弾演習などに悩まされた。その根にあるのは、日米地位協定と刑特法(*)。これらが政府の権能や市民の権利をも制限する問題だと語った。
「沖縄はずっと闘ってきたが、闘いは山あり谷あり。谷のときに私たちの心に“火種”を残しておかなければ」とは、吉田さんの言葉だ。資材搬入が活発化する辺野古では、体を張っての抗議行動が続いている。その“火種”が大きくなって燃えているのだ。情勢は全く予断を許さない。しかし人々の新基地建設反対の思いが揺らぐことはない。
最後に会場の皆で手をつないで「頑張ろう三唱」が行われた。
1月25日14時から15時まで国会周辺で「沖縄の民意を無視するな! 辺野古に基地はつくらせない! 1・25国会包囲ヒューマンチェーン」が行われる。首都圏近郊で“火種”のある方は、ぜひご参加いただきたい。(中津十三)
(*)刑特法:「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」の略称。
今や安倍内閣は沖縄に対して冷淡な政策を取っている。
これは、ある種のチャンスだろう。
沖縄が独自通貨を発行するチャンスだ。
そもそもアベノミクスは、日本円の切り下げだ。
日本円の切り下げは、地域通貨に有利に働く。
安倍内閣にとっては皮肉だが、
アベノミクスが沖縄の独自通貨発行、
すなわち、経済的独立を後押ししてくれるわけだ。