マガ9に「おしどりマコ・ケンの脱ってみる? デイリー」を不定期連載しているおしどりのお2人。東京電力の会見や福島現地での取材など、精力的に活動しているのはご存じの通りだが、もともとの芸人としての「芸」も素晴らしいのだ。
アコーディオンを奏でつつ歌を歌うマコさんと、それに合わせて針金を自在に曲げて作品を作るケンさん。さすが夫婦漫才、息もぴったりで観客の爆笑を誘う。YouTubeの「oshidorimakoken」チャンネルで、その一端を見ることができる。
その、おしどりケンさんの針金アート展が、東京・下北沢の「HIBOU HIBOU」で開催されていたので、お邪魔してきた(10月19日まで、現在は終了)。路地裏の小さなギャラリーに、ケンさんの作品が所狭しと展示されていた。多すぎて壁に飾れないものもあったようだ。
中でも目を引くのが、奥に据えられた高さ2メートルほどの作品「人柱式鉄器」。その形は原子炉のようで、中にはタイベックスの放射線防護作業服が入っている。新聞記事でも写真つきで取り上げられたが、近くで見ると、鉄器の表面にはさまざまな顔や人の形が。核を制御しようとしてできない人類を表現しているかのようだ。
また、首にくるりと丸められた部分のある小さな子どもの横顔がいくつも。小児甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いの子どもの数だけ展示されているのだ。色鮮やかな針金と現実との対比に言葉を発することができなかった。
マガ9本誌の「脱ってみる?」や、雑誌DAYS JAPANの「実際どうなの!?」に掲載された作品はカラフルな針金を使っているが、叩いて平たくするなど一工夫されたものもある。また、実物を見ると立体感があって、コンピューターの画面や印刷された雑誌とはひと味違う印象を受けた。アート性と風刺はもちろんのこと、さらにそこに留まらない悲しみや怒りといった、ケンさんの魂を直に感じたのかもしれない。
この仮面は学生時代に作ったものだそうだ。
今回の展覧会は終了してしまったが、機会があればぜひご覧いただきたい。(中津十三)
おしどりケンさん、ありがとうございました!
こんにちは。ケンさんの作品は、実に素敵ですね。11年の高円寺のデモの時には、針金のギターを演奏していました。以前、展覧会があったときはマガ9で告知があって行くことができました。次は、このHPで教えていただけたら幸いです。
そうそう、先日パレスチナ問題の真面目な集会に行ったら、お二人がいらしていてしかも主催の方のお手伝いをなさっていてびっくりしました。世の中の嫌な部分は、原発でも水俣でも足尾でも沖縄でも…パレスチナでも構造はパラレルにしてフラクタルだからいらしたのかなと拝見しておりました。