マガ9備忘録

去る6月14日、「ゆんたく高江」が東京・新宿区で開催された。米軍ヘリパッド(オスプレイパッド)建設に揺れる沖縄のやんばる・東村高江という小さな集落のことを皆に知ってほしいと、今年で第7回目を数えるイベントだ。

映画『標的の村』のヒットで少しは知られるようになった高江だが、この地のことはもちろん、沖縄の米軍基地負担の現実を内地で知る人はまだまだ少ない。少しでもお役に立てば、と今回も手伝いをさせてもらった。

会場はマガ9学校の会場にもなった新宿NPO協働推進センター。ここに高江から来た方々のほか、バンドのつちっくれ、ミュージシャン知久寿焼さん、女優大月ひろ美さんが、ライブやひとり語りのステージを繰り広げた。

ほかに人形劇やトーク、ドキュメンタリー映像の上映、資料や写真の展示、野菜や衣服の物販、さらに飲食ができるコーナーなどさまざまなブースが並び、400人以上を集める盛況となった。

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中でも注目を集めたのは、高江の現地からやって来た「ヘリパッドいらない住民の会」の安次嶺雪音さんと石原理絵さんのトーク。高江で生き生きと生活する人々の姿と、飛び回るオスプレイや進むヘリパッド新設の現況との落差に愕然とさせられるばかりだ。

そして彼女たちによる高江フラのステージも素晴らしいものだった。石原さんと娘の飛鼓ちゃんが、七尾旅人さんの曲『沖縄県東村高江の唄』をバックに踊る姿には涙を禁じえなかった。彼女たちの「慈愛」が感じられたからだろうか。

その町には 武器なんて似合わない (ほら、ほら)
その町には 笑顔が似合うのさ (ほら、ほら)

『沖縄県東村高江の唄』より

そういえば、開会時の「はじめの言葉」では、昨年、今年とヘリパッドが2基完成してしまったことを受けて、反対運動にとっては今が一番しんどいかもしれない、と正直な気持ちが聞かれた。確かにこの7月からは辺野古の新基地建設も、安倍政権は強引に進める構えだ。

この3日後の17日、最高裁は高江SLAPP訴訟の上告棄却を決定した。だからと言って、現地で座り込む人々も、彼らに連帯する人々も何も変わらないだろう。「ゆんたく高江」からつながった人々の輪は、広がり続ける。(中津十三)

 

  

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