特定秘密保護法がヤバい。
そんな話をあちこちで耳にするようになったのは、おそらく今年の9月頃のことだろうか。
何やら、政府が都合の悪い情報を「特定秘密」に指定し、それをバラした公務員は10年の懲役・1000万以円の罰金とか、だけど何が秘密なのかも秘密というギャグみたいな内容だとか、スパイがどうとかいろいろ理由をつけてるものの、これが通ったら今までのように運動できなくなりそうな気配が満載だとか、それだけじゃなくて取材とか報道、表現の自由だって侵害されそうだとか。
で、そんな特定秘密保護法、安倍政権はまさに今国会で、つまりは年内にも成立させようと必死になっているというのである。
そうして調べていけば調べていくほど、「この法律は、この国や民主主義、ジャーナリズムにとってだけではなく、そもそも私にとって、ヤバい!」という確信を持ったのである。
なぜなら、私の仕事は文筆業。その上、バリバリの活動家である。しかも取材するにあたっては「中立」的立場など一切考慮せず、自分が運動の中にがっつり入っていき、その立場から発信するというスタンスでやってきた。というかそもそもいつも「取材」という意識すらなく、運動していたら次々と書くべきことが浮上している、という感じだ。
しかし、特定秘密保護法が通ると、「運動」も「取材」も「報道」も、とてつもない「弾圧」に晒されそうなのだ。
例えば、原発について考えてみよう。今だって、原発についてあらゆる情報が公開されているかと言えば、答えはどう考えたって「NO」である。特定秘密保護法が成立してしまえば、更に情報は秘匿されるだろう。が、そのことに対して「情報を公開しろ!」と集会を開いたり騒いだりしたら、最悪、逮捕されるかもしれないのだ。
なぜなら、特定秘密保護法では、特定秘密を持ってる人に情報を求めることもNG 。それだけでなく、「共謀、教唆(そそのかす)、煽動」も罪に問われてしまうというのだ。
これらの事実を知って、私は思わず今までの「文筆家人生」を振り返った。物書きとして食べるようになってはや13年。その物書き人生の大半を占めているのは、「共謀、教唆、煽動」ではないか。常に活動家仲間たちと「次はどんなことをしよう」と「共謀」し、そして「こんな問題がある! 」と原稿に書いては人をそそのかし、そして読者に対して「こんな不条理に対して、黙っているだけでいいのか? 疑問を持った人は今度のデモに集合!」という感じで「煽動」し。いわば、「共謀、教唆、煽動」は私の大事な「芸風」なのだ。私が文章を書く上で、外せない要素なのである。というかそもそも、この連載そのものが「共謀、教唆、煽動」で成り立っていると言っても過言ではない。それがアンタ、秘密保護法とかいうのが成立しちゃったら、それらが「罪」になるかも、というのだ!!
今さら「芸風」は変えられない。というか、それを変えたら、私は私でなくなるだろう。いや、もちろん自分の仕事や生活だけじゃなく、この社会やこの国の民主主義にとって危機的な法律だからこそ反対したいのだが、今回ばかりはまず、私は私のために、特定秘密保護法に反対したい。共謀し、教唆し、煽動することが禁じられる世になってしまったら、「雨宮処凛」が存在できなくなるではないか! そんな世の中、一部の人にとってはスッキリするかもしれないけれど、絶対に息苦しい。というか、私が困る。
そしてこの法律が成立したら、存在できなくなりそうな人は他にもたくさんいる。タブーに踏み込むジャーナリスト。反権力の思いを持って活動する人々。「本当のこと」を知ろうとしている人たち。良識的なメディア。様々な市民運動にかかわっている人たち。何人かの、頑張ってる国会議員の顔も浮かぶ。残念なことに、私のほとんどの友人や同志、知人は存在できなくなりそうである。
しかも恐ろしいことに、逮捕されたとしても、自分がいかなる「特定秘密」に触れてしまったから逮捕されたのか、裁判でもそれが明らかにされないのだ。最初から、「何が秘密かも秘密」なのだから、どれほど気をつけたっていつ地雷を踏むかわからない。多くのジャーナリストやメディアにかかわる人は萎縮し、自主規制してしまうだろう。しかも、今の時点で特定秘密に指定されるのは40万件という恐ろしい数字もある。すべての書き手にとって、「見えない地雷」の上を歩かされるような時代が始まってしまうかもしれないのである。
そんな特定秘密保護法について、11月15日、衆議院第二議員会館で「女性たちは秘密保護法に反対します!」という名の記者会見が開催された。福島みずほさんのよびかけに応じて集まったのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん、弁護士の土井香苗さんなど。また、斎藤美奈子さん、落合恵子さん、上野千鶴子さん、堤未果さんなどが賛同者として名前を連ねた。
そんな記者会見には私も出席。ここまで書いたような「自分が今まで通り生きてたら逮捕されそうで困る」といった話をしたところ、会見後、何人もの人に「そうなのよ! 雨宮さんみたいな人がまず逮捕されるに決まってるんだから!」と嬉しくない太鼓判をたくさん頂いたのだった。
ということで、まずは自分のために、私は特定秘密保護法に反対します!
〈この連載そのものが「共謀、教唆、煽動」で成り立っていると言っても過言ではない〉。なんと、言われてみれば!(というか、「マガ9」全体がそんな感じのような気がします) 共謀とか扇動とか言われると、なんだか怖くておどろおどろしい、別世界の行動のようにも聞こえるのですが、要するにそういうこと。何よりもまず、自分たちが息苦しくなく生きていくために、「反対」を叫びたい。そんなわけで、こんなのも作ってみましたので、ぜひご活用ください!
共謀、教唆、煽動 なんて、貴女、カトリック教なんて、凄いもので、バチカンから、回勅(命令書)がたびたび・降りて来る。 ほとんど、一般信徒への命令でして、ね。とすれば、今度の法律が出来てしまえば、麻生なんかは、ただちに、捕まるはずなんだが???
何を特定秘密にするか知らせない、とか、防衛、テロ対策その他に関するものなどといくらでも拡大解釈できる表現。戦前の治安維持法の復活を思わせる。自民党は日本を中国か北朝鮮みたいな警察国家にしようってのかね。とんでもない悪法だと思うが、そんなのに賛成している信じられないマスコミもいるし、反対する勢力には反日だの左翼だのとレッテル張って頭から議論を封じ込めようとするのだからこれはもう、民主主義の体をなしていない。
ほかにもNHKの経営委員を首相の息のかかった人選で固めるとか、これじゃあ放送法の中立要件を満たしえない。これだってプレーヤがアンパイヤの人事に介入するようなもので、反則だ。
昨日の野音人が多くて入れなかったが、とても良かった。思うに1万人を超えるような集会はもう若い人のノリで無いと無理だと思う。デモのテクはベテランが手配して、行動のテンションは若手がやるのがいいと思う。もっとふくれると思うので、三宅さんにお願いして。別件、雨宮さん!写真変えませんか、なんだか淋しそうで。
プロフィールの写真ですね? これは編集部でチョイスしたものなので・・・ちょっと変えた方がいいかもしれませんね。近々、雨宮さんと相談してプロフィール写真、新しくしたいと思います。
昨日の野音のデモ、私たちマガ9スタッフも有志で参加しましたよ。
早速の返信ありがとうございます。コメントノカイの甲斐があります。マガ9学校可能な限り参加しています。
今国会の会期中に成立させるんだ、と随分と「リニアモーターカー」みたいにお急ぎのようですね。
世間の人の声を聞かせてくれたが、「分からない」とか「関係ない」、「どうでもいい」という声ばかりで、懸念の声を上げて居るのは、私のような「後期高齢者間近の年齢」以上の、戦前、戦中を経験した人だけのようだ。
以前に、札幌地裁に「自衛隊は憲法違反である。」と、「正しい憲法解釈をした裁判官」が居た、そんな理解は「現在の選挙法は憲法違反である、しかしそれで選ばれた議員は資格を失わない。」なんて解釈をする「最高裁判事」に「特定秘密保護法」は「憲法違反である」などといくら訴えても、理解不能だろう。
軍隊を持っている世界中の国に聞いても、「我が国は他国を侵略するために軍隊を持っている。」と答える国はないだろう、要するに自衛のために軍隊を持つと言う理屈は成立しない事だ。
従って「軍隊を持つ」事を理由にした「国民に対して秘密事を作る。」必要はない、と言うしかない。
他国との軍事同盟もいらない、外交交渉は最初から最後まで国民に知らせながら行う、日本という国は国民にどんな小さなものでも「秘密を作らずに政治を行う国」だ、と宣言する事を要求する。
>従って「軍隊を持つ」事を理由にした「国民に対して秘密事を作る。」必要はない、と言うしかない
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たかはしたつおさんのご発言の意味が理解できませんので、「分からない」という声を上げるしかありません・
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>他国との軍事同盟もいらない、外交交渉は最初から最後まで国民に知らせながら行う、
>日本という国は国民にどんな小さなものでも「秘密を作らずに政治を行う国」だ、
>と宣言する事を要求する。
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その宣言を日本政府に要求する前に、(シーランド公国といったミクロネーション国家は除いた)他国でその様な政策を実現できる可能性を提示すべきでしょう。 因みに、軍隊を廃止したコスタリカでも、反共主義で米州相互援助条約という集団安全保障体制にある以上、「秘密を作らずに政治を行う国」は不可能だと推測できます。
なお、今回のやり取りで「特定機密保護法」が憲法違反だと厳密には立証できないということがよくわかりました。
「表現の自由を侵し、主権者の国民を萎縮させる憲法違反の法案だ」というのは、批判者の主観にすぎません。
なんてこった予定通り強行採決か。
やっぱり一言言わなきゃ気がすまない。
どんな理由があろうと政府が我が儘を通すなど許されない。
世論を無視した強行採決は十八番だ。25年前も同じだ。
消費税なんぞ初めから反対だった。そんな事をすれば日本のモノ作りは死ぬとわかっていた。そりゃそうだろう。作り手も売り手も買い手すらもモノの価値、すなわち価格に責任を持たないんだから、良いものを作ろうとする奴は馬鹿と罵られ、値下げ合戦になるのは目に見えていた。消費者は一度の飯を食うのに二回税を取られる事に気づかない。誰も価値を引き受けない消費税分は社会の損失として毎年蓄積される。
景気が少々上がったからって一度保身に走った大企業のモノ作りは復活しない。下請けどころか正社員すら雇い主を信じないからだ。イノベーションが起こるとすれば中小か個人からだが、増えすぎた現代のしがらみを乗り越えられるのはほんの一握り。政治が暮らしに踏み込み過ぎなんだ。なんなんだよ「オープン価格」って。
それは結果論だからまだいいが、これはそうもいかない。
この国の政治家が日本をもう一度戦争が出来る国にしたがっているのは「例のアレ」を見るまでもなく、もはや誰の目から見ても明らかだろう。よそから秘密を買うのも「有利に戦う」ため。もう表の外交など真面目にやらん、ってことだ。もし法案の目的が対テロ対策なら秘密どころか公開すべきだし、国内の安全対策なら作業従事者への厳罰化は完全に逆効果だ。答えはひとつしかない。
国民の権利を制限し、少しずつ実効支配を強めていく。こんなやり方は勿論憲法違反だ。現状の政治に否を唱えるのは扇動行為どころか国民の義務だよ。「例のアレ」を党の名前で公開した時点で義務を破ったのは為政者のほうさ。
「できること」は「必ずやる」それが人間の性だ。
「絶対にパンだけを食べてください。でもどうしてもと言うならケーキも食べていいですよ。」ってのと同じだ。
このまま行けば戦争は避けられない。
そしてそうなれば憲法が保障する人権は一切なくなる。
簡単な理屈だ。
「国家の一大事に人権などと寝惚けるな!国がなくなりゃ当然憲法もなくなるんだぞ!」
言論が封殺された時代にこの理屈に否を唱えることができる者は居るまい。
日本人だけでなく、多くの人が誤解している。国が言う安全保障は為政者の仕事を保障するに過ぎない。なぜなら「国」を武力で攻撃することは「物理的に不可能」だからだ。物理的に壊せるのは「国土」と「人間」、すなわち「我々の暮らし」だ。
元々概念的なもの同士の交渉が話し合いで解決しないからといって我々を人質にとるなど本末転倒、生活の単位を国というものさしで分けた意味がない。
そんなこともわからぬような為政者など全体の奉仕者としては不適格。国民の権利より強い自由を得られると思うな。
この法案は廃案になってくれ。
そしてこれに賛同した為政者は国民の権利により罷免されてくれ。
やり方はわからんが、取り急ぎ一国民として声をあげる。