2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。
第3回
「希望」に込められた願い
素晴らしい音楽で盛り上がった、
「希望のエリア」メンバーのライブ
「ケサラ! ケサラ! ケサラ! 僕たちの人生は〜、平和と自由求めて生きていけばいいのさ〜♪」メロディを自在にリードする二朗さんのギター、熱いビートを刻むコブさんのドラム、華麗な町澤さんのピアノ、そして誰もの心をわしづかみにする明日香さんのボーカル!
2月14日、高円寺のライブハウス・グリーンアップルで開催された「希望まつり」は、ライブハウスいっぱいの64名という大盛況の中、参加者全員スタンディングでの「ケサラ」の大合唱の中、幕を閉じました。
松平晃さんの素晴らしいトランペットの演奏で幕を開けた「希望まつり」。「希望のエリア」ではいつも司会をつとめている明日香さん、そして進行係としてタイムキーパーをし、ドラムも叩いている二朗さんのボケツッコミを交えた名調子のMCで、次々と素晴らしい音楽、フラダンス、お話、パントマイムがくり広げられました。出演された方は、松平晃、けみちゃん、ぴけ亭、後藤真左美、変なおじさん、力、浜名実貴、毛里美穂子、釣竿の渡辺さん、島村輝、山内金久、ゆきふみ、けんちゃん、しいなまん、希望バンド(コブ、町澤恵、二朗、明日香)の皆様!(敬称略)
実はこのメンバー全ての方が、「希望のエリア」に集う参加者やスタッフなのです。抗議の場とは別に、みんなが元気になるイベントをやろうと「希望まつり」は開催されました。来場された皆さんはその多彩さ、素晴らしさに驚かれると同時に、時には笑い、時には涙し、一緒に歌って楽しみ、心を動かされていました。まさに楽しく希望に溢れたライブ! 参加された全ての皆さん、会場のグリーンアップルさん、本当に有難うございました。
未来を生きるための希望を
互いに与え合う場でありたい
さて、毎週金曜日の国会前「希望のエリア」にも、この「希望まつり」にも【希望】という言葉が入っています。実は、「ファミリーエリア」という名称から「希望のエリア」に変わる時、スタッフの中で様々なエリア名の候補があげられましたが、最後はこの「希望のエリア」に落ち着きました。その由来はというと……。
今を生きる、そして未来を生きる希望を、主役である参加者の方が互いに与え合い共有する場、民主主義の夜間学校でありたい、との願いが、この「希望のエリア」という名前に込められているのです。
あの福島原発事故で、多くの方が生きてきた土地や生業、人々との生活、暮らしに根付いた様々な文化、そして多くの命が根こそぎ奪われました。また、戦争法・安保法制によって懸念されている戦争が、原発と同じく多くの方の命、生活や文化を破壊するものであることは言うまでもありません。
私たちの生活や文化を破壊する政治や社会、これに抗うために何が必要なのか? それは「希望」なのだとスタッフ、参加者は確信しています。
「ここに来れば、友がいる。友から元気をもらってまた一週間頑張ろうという気になれる」。世知辛い世の中で、互いに元気を、希望を共有できる場所がある。これこそ、希望そのものではないでしょうか。
つらい時、くじけそうな時、絶望を感じてしまう時、そんな時こそ人には希望が必要です。ナチスの強制収容所で過ごした経験を持つヴィクトール・E・フランクルは、名著『夜と霧』の中で、「未来を信ずることができなかった者は収容所で滅亡していった」と述べています。
この未来を信ずることができない者は、希望を持てない者と言い換えることができるでしょう。これからも希望のエリアは、参加される方が互いに想いを語り、今を生きる、そして未来を生きる希望を与え合う場でありたいと思います。
(国会前「希望のエリア」スタッフ/佐藤真)
「希望まつり」は、普段いっしょに抗議活動をしているアーティストたちの表現の場をつくり、元気が出るようなイベントをしたいと開催されたそうです。幅広い年代の人たちが集まったライブハウスには、あたたかな居心地のよさがありました。一人では挫けそうになるときも、周りに同じ思いをもつ人たちがいれば、また前を向いていけるのかもしれません。