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その30
今週のネタ↓

今週のネタとして、久しぶりにちょっとホッとするような記事があったので、それを取り上げようと思いました。

2005年10月5日の毎日新聞より
9条改正「反対」62%
本社世論調査 改憲に賛成58%

という記事です。

同社の世論調査では、憲法改正に賛成した人が58%で、反対の34%を上回った。しかし、戦争放棄や戦力の不保持を定めた9条については、「変えるべきではない」が62%、「変えるべき」30%と、護ろうという人が改憲派の2倍以上だった、という内容でした。

これを今週のネタにして書こうと思ったのですが、すでに当『マガジン9条』のブログでも触れていますし、それよりもtamyさんのブログ「tamyレポート」が、とても詳しく的確にレポートしてくださっています。どうぞ、そちらをご覧ください。tamyさん、ありがとう。

改めて、今回のネタ
(ちょっと古いネタなので「今回」ということにします。ごめんなさい、ペコリッ)

2005年10月2日の東京新聞より
有事の住民避難
市町村に現地調整所
要領づくりで政府「ひな型」 即応へ情報共有

政府は一日、ゲリラの侵入やミサイル攻撃などに備えて市町村が作る住民避難実施要領の「ひな型」を作成した。

ゲリラ攻撃の際、事態の変化に機敏に対応できるよう、消防や警察、自衛隊などが現場における活動調整を行う「現地調整所」を設置するなど、政府や市町村が講じる措置を具体的に盛り込んだのが特徴。

ゲリラ攻撃を受けた場合、攻撃への対応と住民避難が同時並行で行われることが想定され、現場では事態の変化に即応できる態勢が必要。そのため、市町村は現地調整所を設け、関係機関が情報を共有し、現場でより迅速に判断できるようにする。

一方、弾道ミサイルは発射から極めて短時間での着弾が予想されることから、兆候が見られた段階で政府は包括的な警報を発令、発射に伴って再度、着弾予測地域を絞り込んだ警報を発令する。

予測地域内の市町村は防災行政無線のサイレンを最大音量で鳴らし、住民に屋内への避難を呼び掛ける。

政府は、三日に開催される「地方公共団体の国民保護に関する懇談会」(座長・石原信雄元官房副長官)にひな型を報告。懇談会での議論などを踏まえ、年内に作成する予定の市町村向けの国民保護モデル計画や避難マニュアルに反映させる方針だ。

きな臭いニオイがする、とこのコラムで何回か書いてきました。しかし、とうとうここまで来てしまったかという思いです。

ニオイの元を辿っていくと、そこについにブスブスと煙が見えた、ということです。その下には、多分、小さな火が見えるでしょう。それが大きくなってしまってからでは、もう消しようがない。

戦前に「国家総動員法」という法律がありました。国民のすべての力と資源とそして人的資産とを、根こそぎ戦争遂行のために「動員」しようというものでした。

それを実現するために、当時の政府は行政のあらゆる機関を、それこそ手足として使いました。市町村などの地方末端行政組織は、お国のため、というスローガンのもと、徹底的に戦争遂行のために利用されたのです。

そのとき、先頭に立たされて国民を縛る役目を担ったのは、市町村などの地方行政組織であり警察であり消防であり、そして軍隊でした。 似ていませんか?

戦争という煙などどこにも見えないこの国で、なぜ単なる「精神論」にすぎないようなマニュアル(などと横文字にするところが胡散臭いのですが)を作らなければならないのでしょうか。

そういう疑問を呈すると、即座に「有事のときの備えは必要ないと言うのかっ!」という威丈高な反論が飛んできます。

しかし、こんな精神論マニュアルが役立つとはとても思えない。ミサイルが発射されてから、着弾予測地域に最大音量のサイレンを鳴り響かせてどうなるのでしょう。「屋内への避難を呼び掛け」た後は、屋内でミサイルの爆発をじっと待て、とでも言うのですか? 

これが有効な対策だと、このマニュアル作成者たちは本気で思い込んでいるのでしょうか。

それにしても不気味な状況。ウオォ〜ン、ウオォ〜ンと不吉な音が夜空に響く。人々は、灯火管制の闇の中を逃げ惑う。

幸いなことにツッコミ人は、映画や小説の中でしかそんな場面を知りません。しかし、こんなマニュアルを読んで暗い記憶を掻き起こされる年配の方たちは、いったいどう思うことでしょう。

「現地調整所」とは、戦闘の際の指令所です。もし本当に戦闘が起きたとき、国民保護などという概念は必然的に後回しにされます。

軍隊は、国民を守ってなどくれないのです。旧満州での関東軍や沖縄での日本軍の行為が、そのことを証明しているではありませんか。

そんな有事を起こさせないようにするのが、政府に課された役割なのです。危機的事態に陥らないように、近隣諸国との軋轢を生まないような外交を展開するのが政治というべきでしょう。

北朝鮮とはもちろんのこと、中国や韓国ともギクシャクしたまま。尻尾を振り続けたアメリカにさえ、国連安保理常任委の問題ではあっさりとヒジテツ。片思いさえ実らなかった。ほかの諸国にも見放され、国連総会で赤っ恥をかいたのは、どなただったでしょうか。

さらに、沖縄の米軍基地に関しては、小泉総統はほとんど興味なし。だから外務省・防衛庁の迷走は止まらない。だって、ボスがしっかりした方針を立ててくれないのだから、現場は交渉のやりようがない。失敗して怒鳴られるよりは、なーんにもせんほうがいいもんね、とばかり洞ヶ峠を決め込む。

戦略のないところに戦法なんかあるわけがない。だから、沖縄は自国の領土内であるはずなのに、アメリカから「移転先の基地は、ここはイヤ、あっちがイイ」などと勝手放題を言われても、なす術がないのです。竹島などの領有権を言う前に、まず沖縄の領有権を確立して欲しいものです。

つまり、こんな状況にある日本国政府が言い出した「国民保護」なるものを、額面どおりに受け取るわけにはいかないのです。その裏側に、なんらかの思惑があると、勘ぐらざるを得ないのです。

なんでもできる現在の国会状況の中で、とりあえず懸案となっているものは今のうちに全部片付けてしまおう、という意図が見え隠れしている。そう感じるのはツッコミ人だけでしょうか。

でなければ、稀代の悪法とも言うべき「共謀罪」が、今頃突然、国会に提出されようとする理由が分かりません。

共謀罪もそうなのですが、とにかく国民を縛りつけ自由を奪おうという政策が、「自由嫌いの自由民主党」筋からやたら出てくる。

最後の総仕上げが、やはり憲法9条の改定なのでしょう。

そこへ至る種が、与党によって蒔かれ続けています。ひとつずつほじくり返して陽の目にさらし、枯れさせていかなくては。

イラスト
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