ホームへ
もくじへアーカイブトップへ

バックナンバー一覧へ


その14
今週のネタはこちら↓
●最近の各紙から
小泉首相の「靖国参拝問題」。一体どうなるのでありましょうか? 今週も、この問題の関連記事が山盛りで、引用が多くなってしまいました。
首相靖国参拝
「今年は断念を」57%
共同通信世論調査 日中改善にも不満
(東京新聞5月29日朝刊)
 共同通信が27、28の両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「今年は見送るべきだ」との回答が57.7%に上り、昨年12月調査より16.9ポイント増加した。「今年も参拝すべきだ」は16.7ポイント減の34.3%だった。日中関係改善に向けた政府の取り組みに関しては「十分だとは思わない」が50.8%で「十分だと思う」の11.5%を大幅に上回った。<略>
靖国A級戦犯分祀論
参拝継続へ世論見極め
自民 解決に懐疑的見方も
>(産経新聞6月1日朝刊)
 小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐり、自民党の中川秀直国対委員長ら党幹部が相次いでA級戦犯の分祀に強い期待感を表明している。背景には、参拝を継続したいとする首相の決意の強さと世論の動向の双方をにらみ、打開策を模索しようとする思惑がありそうだが、党内には分祀による解決に懐疑的な声も少なくない。<本文略>
神社、遺族は分祀否定
(産経新聞、同)
 中国や韓国への配慮から、靖国神社にA級戦犯の分祀を求める意見が相次いでいるのに対し、当事者である靖国神社や遺族は分祀論を明確に否定している。 <略>東条元首相の孫にあたるNPO法人理事長、東条由布子さんは理由について「これは個人の問題ではなく国家の問題だ。分祀を了承することは、(日本が百パーセント悪かったとする)東京裁判史観を認めることになる」と説明。<略>
アジア外交 強まる逆風
首相経験者ら 靖国問題協議
ポスト小泉にも影響
(朝日新聞6月2日朝刊 コラム「時々刻々」)
 <略>1日、小泉政権に影と光がさした。 この日午前、衆院議長公邸。歴代首相を前にした河野洋平衆院議長が、小泉首相の靖国参拝を「日中・日韓関係の急速な悪化」の拡大要因に挙げて意見を求めた。都合がつかず欠席した中曽根、細川両元首相には自ら電話で話をし、羽田元首相には前日に会っておく念の入れようだった。 内閣主導一辺倒の小泉首相に、河野氏は議長や自民党総裁経験者としておりに触れ異を唱えてきた。ただこの日、異例の会合に及んだのは、議長就任後も自民党のアジア・アフリカ問題研究会の会長を続けている「アジア」への思いと、現状への危機感からだ。歴代政権の対中融和姿勢を保つ必要性を強調したかったからにほかならない。<略>
「安倍氏路線」反発の声
(朝日新聞・同)
 <略>「いま日本で話題の人です」。森前首相は先月31日、ラブロフ・ロシア外相と東京都内で会談した際、同席させた安倍氏をこう紹介した。 ただ、安倍氏がポスト小泉の一番手に擬されれば擬されるほど、対北朝鮮・中国外交での強硬な物言いが、青木幹雄参院議員会長らベテラン議員を中心に党内では不安の種になる。<略>
 小泉首相の「靖国参拝」問題、大火事になってきました。このままじゃ、とても鎮火できそうにもありません。
  誰の言うこともきかない「政界のジャイアン」小泉さん。いったいどうするつもりなんでしょう。悲願の「(半人前の)国連常任理事国入り」だって、ほとんど絶望的になってるじゃありませんか。
  「一度約束したことは、ゼーッタイッに守るんだもんねっ!」の
おぼっちゃまクン
に、同じ自民党の方々も、すでにお手上げ状態。河野議長が先頭に立って、歴代首相経験者が政策変更を迫っても、無視ムシ虫。
  でもね、小泉おぼっちゃま。キミの好きなあの孔子さまもこう言ってますよ。「過ちを改むるに憚ることなかれ」って。キミが屁理屈で引用した「罪を憎んで人を憎まず」よりも、こちらのほうが出典はよっぽど確かなようです。だいたいが、妙な引用で人をケムにまく、というのは話に内容のない人がよく使う手ですけどね。
  「罪を憎んで・・・」というのは、被害を受けた人が「犯した罪は許せないけど、でもそれをした人はもう許してあげましょう」という意味でしょ。それを「罪を犯した側」の日本の首相・小泉さんが使うのは、「わが国は罪を犯したが、もうそろそろ忘れてくれたっていいじゃん」ってこと。どう考えても使い方が間違ってる。そのくらい、分かんないかなあ(このフレーズ、先週も使ったような気がするけど、でも、毎週おバカな人がでてくるんだもの、仕方ないっす)。
  小泉さん、誰かいいブレーンはいないの? 竹中平蔵サンや田中直樹サンや田中明彦サンなんかじゃ、やっぱ、ムリってことかしら。

  「私の言うことは、国民がよく分かってくれている。だから支持率が落ちないでしょ」とおぼっちゃまクンは言いたいのでしょうが、「東京新聞」に見るように、この靖国問題で、キミの参拝は20%以上も不支持が多いんですよ。
 さすがの「産経新聞」でさえ、世論や自民党内の情勢に配慮したような記事を書かざるを得ないみたい。もっとも、神社側や遺族の意見に代弁させて、「A級戦犯分祀論」を蹴っ飛ばすのは、衣の裾から鎧がのぞいてるわけですけど。

  そして虎視眈々なのが、安倍晋三サンっす。小泉サン以上のウルトラタカ派ぶりは、ほとんど石原都知事に匹敵しますが、もし、自分が首相になった暁にも、その路線を突っ走るつもりなんでしょうか。「朝日新聞」は、その危惧を記事にしていますが、なんだか右へ右へとぶれていく昨今の世の中を見ていると、安倍政権誕生の悪夢を見そうになります。
  安倍サン、やたらに国民を煽ります。ほとんど中国や韓国とは断交するほうがいい、と言わんばかりの強硬発言100連発。でもね、こんなふうに国民を煽れば、その煽った国民に今度は自分が煽られて、どんどん「強い国家」を演出せざるを得なくなるのですよ。そうしなければ国民に見捨てられるのですから。これを、自分でまいた種といいます。で、行き着く先は、ナショナリズムに乗っかった武装国家。それは必然的に「戦争」をイメージさせます。

  仲良くしなければ、アジアでは生きていけない。 日本からはどちらが近いのですか、アメリカと中国や韓国では。 そのくらい、分かんないかなあ(と、くらーく呟く)。
イラスト
ツッコミのおまけ
あんまり暗いニュースばかりで、ツッコミ人もくらーくなりますが、ちょっと古いけれど、久々にホッとするネタもありましたよ。
住基ネット離脱認める
金沢地裁判決「同意なし、違憲」
(朝日新聞5月30日朝刊)
<記事略>
 これは、いわゆる「住民基本台帳法」による住基ネットワークで、個人の基本情報をその個人の同意を得ないまま台帳に載せ勝手に運用するのは、プライバシー権を侵害しているとして訴えた住民が勝訴、ネットからの離脱を認められた、というものです。
 とにかく、この法律はソートーに危ない。だって、あなたの情報があなたの知らない間に行政機関の間を飛び交っているのですよ。どう利用されてたって、あなたには分からない。
 そんなのヤダ、とこれに参加しなかったエラーイ市に、東京の国立市があります。その不参加をリードしたのが、わが『マガジン9条』発起人のひとり、上原公子市長なのですっ! この記事を読んで、チパチパチパッ! と、思わず拍手しちゃいました。
 でも、これ、地裁なんですよね。高裁、最高裁と進むにつれて、住民側ではなく国や行政側に都合のいい判決が多くなるのですから、心配ではありますが、ここはとりあえず「上原さんバンザイ!」と叫んでおきたいと思います。
イラスト
ご意見募集!
ぜひ、ご意見、ご感想をお寄せください。
このページのアタマへ