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その13
今週のネタとツッコミはこちら↓
 今週のネタは、べつに特定の新聞記事ではありません。各紙の紙面から漂ってくる「きな臭さ」についての考察です。
日本はいま、
「戦時下」なのかもしれない。
 5月末の各新聞を読むと、とても怖くなってきます。
 まず、「旧日本兵がフィリピンのミンダナオ島で発見(?)された」という驚愕的な第一報。もうほとんどの日本の人々の脳裏から消え去ったはずの「あの戦争」が一気に蘇ってしまったのです。
 さらに追い撃ちをかけるように「イラクで反政府武装組織に拉致されていたイギリス警備会社社員・斎藤さんの死亡が確定的」との情報。
 一方で、政府要人の暴言ともとれる発言が相次ぎます。
 発端は、「呉儀・中国副首相の突然のドタキャン帰国」。
 結局これは、小泉首相の「私の靖国神社参拝に反対するのは内政干渉」というニュアンスの発言に怒った中国側の反応でした。
 それに対し、安倍自民党幹事長代理は「首相の靖国参拝は当然のこと、次の首相もその次の首相も参拝すべき」と中国側の怒りに油を注ぎ、森岡正宏厚生労働政務官にいたっては「A級戦犯は占領軍が勝手に行なった軍事裁判で一方的に下した判断。すでに彼らは日本国内では犯罪人ではない」というような、大ウチワで火を煽るキョーレツ発言。
 そして、こんな時にはなぜか必ず仲間入りするのが、あまりにも有名な妄言大王の森前首相。「中国や韓国のわが国に対する批判はいちゃもんもいいところだ」と、中韓の対日批判を一蹴。もちろん、狂牛病問題で大失言を連発した武部自民党幹事長も、わざわざ中国まで出かけて行って「日本の世論調査では、靖国問題については内政干渉だという意見もある」と言わずもがなのご発言、後で訂正するのにシドロモドロ。
 もちろん、政治家ばかりじゃありませんよ。 外務官僚トップの谷内正太郎事務次官、「アメリカが韓国を信頼していないようなので、日韓間での情報共有にはためらいがある」と、訪日中の韓国の代議士たちとの非公式な意見交換の場で語ったという。「アンタね、親分にあまり信用されとらんゼ」てな感じ、余計なお世話のチクリ発言。
 これで怒らない人がいたらお目にかかりたい。

 「非公式な意見交換を洩らしたのはけしからん」と、例によって相手が悪いとお怒りの評論家(?)なども居られるようですが、かりにも他国の議員数人と会っての意見交換、洩れないと思うほうがよっぽどどうかしてます。そんなワキの甘い方がわが日本の外務省トップ官僚だなんて、なんとも言いようがありません。
  日本外務省の情報公開度は、多分、世界一なのでしょうねぇ。
戦争の臭いがします。
 旧日本兵という存在が明らかにしたあの戦争の記憶。そして、その戦争の責任や歴史認識にかかわる処理が、いまもってほとんど解決されていないという事実。それどころか、問題を蒸し返しては、親しくすべき隣国の人々の神経を逆なでする政治家や官僚、文化人(?)。

 現在進行形の戦争(イラク)では、ついに日本人「戦死者」が出てしまいました。「フランス外人部隊」出身であるとはいえ、日本人には違いない。その方が「戦闘」で死亡したのです。これは、戦争、なのです。 イラク・サマワでは、日本軍(自衛隊)に向けて、ついに投石が行なわれました。また、「日本軍よ、イラクから出て行け」という落書き(?)も、一度消されたのに、また発見されたそうです。「戦闘地域ではない」と無理やりな理屈で派遣された自衛隊ですが、やはりそこは「戦地」だったのです。
 いま日本は、戦争中なのではないですか?

 現在、日本の中国との貿易額は、もうアメリカをしのいでいます。これからも増えることはあっても減ることは考えられません。 そんな国と、「子供のケンカ」を繰り返すのが、果たして「国益」にかなっていることなのでしょうか? 自民党の方々は、口を開けば「国益」を主張します。特に「愛国心」を叫ぶ安倍さんなどはその筆頭です。それが、まるで中国とは「外交断絶しても仕方がない」といわんばかりの強硬論を振り回す。 これがどうして「国益」と結びつくのか、ケンメイに考えてもさっぱり分からんとです。ヒロシです。(遅っ!)

 戦争の臭いをほおっておいてはならない。なんとか私たちの手で、小さな火のうちに消し止めなければ。
イラスト
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