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その9
今週のネタはこちら↓
●毎日新聞2005年4月20日付から
靖国参拝と反日デモ無関係 小泉首相
 小泉純一郎首相は19日、自身の靖国神社参拝が中国側の感情を傷つけていると指摘されていることについて「私はそうじゃないと思いますね」と述べ、中国での反日デモと靖国問題とは関連がないとの考えを示した。「それぞれの国に歴史、伝統があるから」と改めて説明した。
●毎日新聞2005年4月20日付から
国会議員80人が靖国参拝
 自民、民主両党などの超党派議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(瓦力会長、266人)の国会議員80人が22日朝、春季例大祭期間中の東京・九段の靖国神社に集団で参拝した。参拝したのは自民党が古賀誠元幹事長、平沼赳夫前経産相ら78人、民主党は原口一博衆院議員ら2人。<略>  参拝後、同会の藤井孝男会長代理記者会見し、中国や韓国から小泉首相の靖国神社参拝が批判をうけていることについて、「戦時に亡くなった方の御霊を参拝するのは自然な姿。中韓など近隣諸国の皆さんにご理解いただけないのは非常に残念だ」と話した。<略>
他に、近隣諸国の日本批判を伝える記事があった。 (タイトルのみ)
●朝日新聞4月23日付から
韓国の首相が小泉演説批判
●朝日新聞同日付から
シンガポールが日本批判の声明
        歴史教科書問題で

 日本は「国連常任理事国」入りに懸命です(この新常任理事国には、いわゆる拒否権が与えられていない、言ってみれば半人前の常任理事国なのですが、それでも日本は入りたいらしい)。
 でも、同じアジアの諸国からの支持がなければ、その半人前すらも実現は困難でしょう。そんなことは政府だって外務省だって、そして自民党だって分かっているはず。なのに、中国、韓国、北朝鮮だけではなく、ついに、シンガポール政府からも批判の声が挙がりました。中国がアジアの大国として近隣諸国に大きな影響力を持ち始めていることは説明するまでもないでしょう。その中国が日本批判の矛を収めなければ、もっと多くのアジア諸国が同調し始めるかもしれません。
 
にもかかわらず、首相以下、隣人たちの神経を逆なでするようなことを平気で言い、そして行うのです。
 「我々は、小泉首相の靖国参拝で深く心を傷つけられる」と、中国や韓国の首脳が繰り返し述べているのに「私はそうじゃないと思いますね」と小泉さん。一方が「こう感じている」と言っていることに関して

「そうじゃないと思います」
って、小泉さん、何でアンタは他人の心が読めちゃうの? いつから細木数子サンになったんですか?
 それに輪をかけてスゴイのが「みんなで行けば怖くない」国会議員の方々(それにしても、民主党の若手が加わっているのには呆れました!)。反日デモがまだ終息するかどうか分からない状況の中で、その火に油を注ぐようなことを集団で行う。隣人たちの反発をわざと誘発し、「常任理事国入り反対」の側に追いやるような行為でしょ、これ。頭をぶん殴っておいて、「私に一票を」って言ったって、そんなもん、通じるわけないじゃないですか。どうしてそんなこと、分かんないのかなあ?

不思議でしょうがありません

 もしかしたらこの国会のセンセイ方、ホントは日本の常任理事国入りに反対なのではないでしょうか。そうとでも考えなければ、とても彼らの行動は理解できません。
 しかし、靖国に行くのがいいとか悪いとかをここで論じたいわけではありません。どうしても行きたいのなら、もっとやり方を考えるべきだと思うのです。時期を変えるとか、無宗教の慰霊施設を作るとか、A級戦犯を分祀するとか、アジア諸国とこの問題の研究会を作って理解を求めるとか、方法はいくらでもあるじゃないですか。
 「お前の言うことなんか聞かないゼ。俺は俺だあっ」ってそれ、大人のやり方なんですか。まるでジャイアンみたい。
ねえ、のび太くん
 憲法についても同じことが言えるでしょう。自民党や民主党の一部の方々が主張するように、9条2項を改定して軍隊を持つことを明文化すれば、日本の意図がどうであれ、アジア諸国から「日本軍国主義の復活」と捉えられることは、この靖国参拝問題への自民党や小泉首相の対応を見ていると間違いないところでしょう。そうすれば、日本は悲しいかな、いっそうアジアで孤立してしまう。
 やっぱり、9条は大切な政治的財産として持ち続けていたい。これがある限り、隣人たちからの「軍国主義復活」批判には、明確に「違うぞ!私たちには9条がある」と言えるのですから。

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