ホームへ
もくじへアーカイブトップへ

あらため
「今週のナットク」

バックナンバー一覧へ


その8
今週はいつもと違って、
とってもナットクしてしまう記事に出会いました。
「ああ、こういう想いを抱いている方が
いらっしゃるのだなあ」と、
少しだけ、いい気持ちになりました。
で、今週にかぎり、タイトルを「今週のナットク」と
変えさせていただきました。
ペコリッ!
●東京新聞4月13日付の、インタビュー記事です。
(※拡大文字は編集部による)
--憲法を語る--
「伊藤塾」塾長・伊藤真氏

私は
「立憲派」です
憲法はまさに理想。現実に合わせたら、現実が離れる
 憲法が現実に合わないからといって、簡単に引き下げてしまうべきではない。生活の中で、理想と現実は食い違うものだ。<略>理想に向かって努力するから、生活がよくなる。憲法は、まさにその理想を示すものなのです。
 もし、現実に合わせるために理想を変えたら、そこを基準としてさらに現実が離れていく。磁石の隣にもう一つ(同じ極の)磁石を置くと、すっと向こうへ逃げていくのと同じです。
<略>法律は、私たちが社会の秩序を乱さないようにするもので、
憲法は
国家に歯止めをかける道具。まったく、向きが逆なんです。憲法を守るのは国家の側、国民は守らせる側。
このような考えを
立憲主義という。
  世界で憲法改正が多く行われているというが、国の根本を変えているところはどこにもない。例えば、フランスは一七八九年のフランス革命の人権宣言がまだ生きている。でも、時代遅れなんて誰も言わない。
<略>日本の
積極的非暴力平和主義の九条の考え方も、根本は個人の尊重にある。前文と九条は、日本の英知。この考え方を進める改憲ならばすばらしい。私たちが幸せになる改憲ならいい。今の改憲論議はそれを後退させようとしている。<略>
今、改憲問題に対する国民の意識は高まっていない。
これは、国民にとって、
現在の憲法で不都合がないからだ。不都合なのは、権力を行使する側なんです。
 どうです? ナットクいただけましたか?
いつもなら、ここからおかしなところをシツコクほじくり出すのがこのコーナーの「ウリ」なのですが、今週はもう、この記事を読んでもらうだけで満足しちゃいます。
 伊藤真さんは、東大法学部在学中に司法試験に合格したという方で、現在は司法試験受験生のための資格試験予備校「伊藤塾」を主宰なさっています。こんな方の教えを受けて法曹界に進んだ人は、きっと素晴らしい弁護士や検事になると思いますよね。
 まったく、伊藤さんのツメの垢を煎じて飲ませたいような政治家連中が、イヤんなるくらいウジャウジャしてますもんね。そして、彼らと結託して私たちの国を好き勝手にいじくり回す東大法学部出身のキャリア官僚たち。
 本当に、憲法の持つ大事な意味を、もっと根底から考えてほしいものです。

 このコーナーには直接かかわりのないことですが、フォークシンガーの高田渡さんが、公演先の北海道で亡くなりました。57歳でした。飄々とした風貌に似ず、とても辛辣な風刺を含んだ歌をたくさん作った方でした。メディアでは『自衛隊に入ろう』ぐらいしか紹介されていませんでしたが、死刑囚・永山則夫の文章に曲をつけたり、3億円事件を皮肉ったり、時代を見る目を最後まで濁らせることのなかった人でした。
 そんなミュージシャン、ほんとうに少なくなってしまいましたね。少しでも政治的な発言だと、尻込みする人ばかり。自由に歌が歌えなくなる日が来ても、何の痛痒も感じないのですかねえ。
ご意見募集!
ぜひ、ご意見、ご感想をお寄せください。
このページのアタマへ