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その5
今週のネタはこちら↓
●毎日新聞2005年3月29日付一面に、以下のような大見出し。
9条改正「否定せず」
衆院憲法調査会 「集団的自衛権」3案
最終報告案 両論併記を多用
 その記事をまとめて表にしたものも掲載されている。(一番下のイラスト参照) 多数意見は読んでの通り、あまり議論になりそうもないところばかり。 記事もこう表現する。

<略>また全体の意見を総括する「総論」を含め、多くは改憲派と護憲派の両論併記となり、改憲の方向性を明確に示したのは憲法裁判所設置規定の新設など一部のテーマにとどまっている。最終報告書案は29日の調査会幹事懇で提示され、各党で最終調整に入る。
更に、同日付の三面では『解説』として、
意見集約 道のり遠く
9条2項 自・民の溝埋まらず

<略>9条2項の改正を「多数意見」と明示できなかったことが象徴するように、改憲の主導権をめぐる自民・民主両党の溝が埋まらないまま「両論併記」を数多く残しており<略> 改憲の最大の焦点である9条について、国権の発動としての戦争放棄を定めた1項の堅持▽個別的自衛権としての武力行使の容認▽国連の集団安全保障への参加を容認――を多数意見とした。自民、民主、公明の3党が安全保障分野で協調できるぎりぎりの線で、「改正すべきだ」という直接的な言葉を使わずに改憲志向をにじませている。 一方、9条2項で自衛権や自衛隊を位置づけるべきかについて、改正を強く打ち出したい自民党は当初、「何らかの憲法上の規定を置くべきだ」との記述を求めた。ところが自民主導を嫌う民主、改憲色を薄めたい公明両党の反対で、この部分は否定的見解を含む四つの意見に細分化された上で、「何らかの憲法上の措置をとることを否定しない」とあいまいな表現に置き換えられた。<略>
 ちょっと長い引用になってしまったのですが、いちばん大事なことなので、ぜひ、しっかりと読んでほしいのです。  
 この解説でも触れているように、とてもあいまいな最終報告案ですよね。つまり、各党の政治的思惑がもつれあって、なんだか意味不明な案に落ち着いたというところでしょう。これが、

5年間の論議の「最終案」
なのです。こんな、まるで「霧の中」にいるような案を提示して、国民に「分かってください」というのは、かなり無責任じゃないですか?
 これだけ意見集約ができない、ということは、改憲に至る道筋について国民的合意はいうまでもなく、
政党間合意すらまるで取れていないということです。
 「自民主導を嫌う民主」であるならば、自らの主張する「創憲論」の内容をもっときっちり「国民」に提示するべきでしょ? 実際は党内で護憲論改憲論が渦を巻き、とても意見集約できるような状態じゃないんですよね。だって、核武装容認論や強姦発言で勇名を馳せたあの西村真悟先生まで、民主党にはいらっしゃるんですから。
 じゃあ「改憲色を薄めたい公明」ってどうなのよ?
薄めたいってことは、改憲したいの、護憲なの、どっちなの、はっきりしてよっ! ですよね。みーんな党利党略じゃないの。今、ほんとうに憲法改定が必要なのか、なぜ必要なのか、そこんところがはっきりしないまま、悪しきナショナリズムにホンローされていく9条。
かわいそう
でなりません。 偶然なのか意図したのか、同日付の毎日新聞コラム『余録』に、次のような文章が載っていました。

「いくつかの方法があり、
うち一つが悲惨な結果に終わる方法であるとき、人はそれを選ぶ。」


あの「マーフィーの法則」です。憲法をいじくり回して悲惨な結果を招けば、それは私たちの国の破滅を意味します。そんなことにならないように、なんとか歯止めを、と考えるのです。。
イラスト
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