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予告「対論:国民投票法案」

閉会してみれば、教育基本法改定や防衛庁省昇格など、重要法案の成立にすっかり気をとられてしまった今臨時国会でしたが、憲法9条改定にも関係の深い、国民投票法案に関する審議も、実に着々と進んでいたのです。

改憲のための手続法として、憲法96条にあらかじめ規定されている「国民投票」ではありますが、その行われ方については憲法にかかれておらず、解釈のしかたによって、ルールの在り方もずいぶんと変わってきます。

当然そのルールづくりも非常に重要になるわけですが・・・今だにメディアの取り上げ方も弱く、ほとんどの国民が「知らない」「よくわからない」国民投票法案です。このままでは、国民不在のままにルールが決まってしまう大きな不安があります。

そこで現状のスケジュール把握と今国会で何が審議されたのか、与党案と民主党案の最終要綱など、何が問題なのか。その資料について整理してみました。

もちろん、ただまとめられた公式資料を漠然と読んだところで、チンプンカンブン。(私もそうです)ということで、緊急討論企画が決定!

問題点は何なのか? 公平なルールは果たして可能なのか? などなど、国民投票法案について異なる考え方のお二人の専門家をお呼びしてのガチンコ対論を来週更新の「マガ9」誌上にて再現いたします。

予習

難しい・・・わからない・・・と尻込みしたくなるこの法案ですが、一緒に考えて、どんどん参加していきましょう!ということで、簡単な予習のための資料です。国会傍聴レポートもあります。 

2006年 5月26日

自民・公明の与党は「日本国憲法の改正手続に関する法律案」(以下「与党案」)民主党は、「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案(以下「民主党案」)を、議員立法として衆議院に提出。

----安倍内閣発足、臨時国会開会

2006年 10月26日

衆議院憲法調査特別委員会(以下「憲法特」)は、与党案と民主党案の提案理由説明と質疑が行われ、実質の審議入り。

憲法特が、小委員会を設置。 いくつかの主要なテーマについて、テーマごとに参考人(専門家や有識者)を呼び、意見を聞き懇談を行う。
*小委員会とは?

2006年 11月〜12月14日まで

今臨時国会では、9回の特別委員会、5回の小委員会が開かれ、以下のテーマについての討議が行われています。(全て「衆議院TV」のアーカイブより視聴することができます)

以下討議されたテーマの一部

国民投票運動の規制・罰則について
  • 公務員など教育者の地位利用による国民投票運動の禁止の是非など。メディア規制・国民に対する周知広報
  • メディアにおける意見広告を無制限に認めることの是非
  • 投票日の7日前から広告放送を制限することの是非
  • 広報協議会の構成など。
憲法調査会その他国会法改正部分
  • 憲法審査会における「調査」及び「審査」のイメージ
  • 発議のイメージなど。
その他
  • 国民投票の対象(憲法改正国民投票に限るか、一般的国民投票も含めるか)
  • 投票権者の範囲(20歳以上か、18歳以上か)など

こちらのページにアクセス→左メニュー「法律案・要綱等」をクリック→12月14日更新版がアップされています。
◎国会(憲法調査特別委員会)傍聴

11月30日 敢行!国会見学!
〜衆議院「憲法調査特別委員会」の傍聴<再びの巻>〜

 6月1日の国会見学ツアーに引き続き、再び、国会に足を踏み入れました。

 今回は、本会議ではなく、衆議院「憲法調査特別委員会」のみの傍聴で、テーマは「憲法審査会その他国会法改正部分について」。つまり憲法審査会を設置する際、どのような形態、どのような性格のものとして位置付けるかといった内容とのこと。前回の見学ツアーは10名にも及ぶ大所帯でしたが、今回は残念なことにわたくしひとり…。寂しくもありましたが、「マガ9」としては、こんなに粛々と進んでいる国民投票法案の審議の現場を見ないわけにはいかない!と、胸を張っていざ!…だったのですが…。

 しかし、しかしですよ、午前9時からはじまった今回の「憲法調査特別委員会」もどこか牧歌的な雰囲気が漂い、のんびりムードの中、はじまりました。11月16日に行われた「憲法審査小委員会」での話を受け、手続き論的な質疑応答に終始し、内容的にはイマイチ盛り上がらず…。今回も約半数の25人前後だし、この出席率は前回の6月の傍聴の時もほぼ同じで驚いたけど、ひょっとしてこんなもんなんですかね? 野球じゃ5割は驚異の打率なんですけど…。

委員会での各委員の発言は、Webサイト「衆議院TV」のビデオライブラリーで見ていただくか、下記「衆議院」サイト内の「会議日誌」で確認してください。 http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kenpou.htm

 重要法案の審議なのに、緊迫感の微塵も感じられない委員会でしたが、3時間!もウォッチしていると、気になったことが出てきました。

 それは発言者の中に、何を言っているのかサッパリ分からない人がいること。名前を出して悪いのですけど、その代表格が委員長の中山さん。あまりにも滑舌が悪すぎです。次に発言する人の名前を「○○くん」と発言するだけにもかかわらず、えっ、誰のこと?って、思わず中山センセーのご尊顔をまじまじと見つめちゃいました。あとから記録を見て、ああ「ほそかわ」さんというのは、「いとかわ」さんだっんだ…なんて気づいたりして(苦笑)。確かに私の勉強不足もあるのですが、あれでは顔と名前が一致していない人の場合、たいていの傍聴人には、理解不能だなぁと思いました。他に自民・船田さんも分かりにくかったですね。

 逆に、分かりやすかったのは、自民・葉梨さん、民主・枝野さん、共産・笠井さん、そして社民・辻元さん。これらの人に共通しているのは、一語一語はっきりそして比較的ゆっくりと喋っているということ。そして難しい漢語的な言葉ではなく平易な言葉を使っているということ。もともと比較的、通りやすい声質というのもあるのかもしれませんが、それだけではなく、やはり相手に伝えようという意識が働いているからではないでしょうか? そんなことを、委員の皆さんの発言中、考えていたりして。

 国会議員など政治家と言われる方々は、地元の有権者以外にもすべての国民に対し、国政を伝えることも義務のひとつであるはず。選挙演説以上に国会での答弁や発言は大切なように思います。しかし、発言の機会が与えられているにもかかわらず、相手にちゃんと届くような努力をしているのか?は甚だ疑問でありました。いくらすばらしい政策やアイデアを持っていても、話し方が難解だったり、滑舌が悪ければは何も伝わらないような気がします。

 話し方教室に通った方がいいとは申しませんが、せめて、自分の発言をVTRなどであとから確認して、世間の人はこんな風に聞いているんだ、ということくらいは把握しておいた方がいいんじゃありませんか?いかがでしょ?中山委員長!

ということで、来週をお楽しみに!

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