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2012-08-03up

おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」

第48回

原子力規制委員長になりそうな田中俊一氏は
「除染マニア」で「自主避難者の敵」の件。

 7月20日に原子力規制委員会の人事案がニュースになりました。私がそれを知ったのは、飯舘村からの電話。朝っぱらからたたき起こされた寝ぼけ眼の私に怒り狂う彼!

飯舘村Aさん「人事案、見た? 信じられない! なんで田中俊一なんだー!!」

--ん? ごめん、何の話?

飯舘村Aさん「規制委員会の委員長が田中俊一になりそうなんだよ!」

--田中俊一? ごめん、あまりわからないわー

飯舘村Aさん「去年5月に飯舘にきて、行政区長さんの家の除染をやって、土ほじくりかえして、木を伐りまくって、でもあんまり線量が下がらなくて、好き勝手して、ムチャクチャ言って帰ったヤツだよ!」

--え? あの「飯舘は谷がいっぱいあるから、1つつぶして廃棄物置き場にしろ」って言った人?

飯舘村Aさん「そう! その人! NHKのETVでその場面が流れて、俺たちの村に何勝手なこと言ってんだ、とTVで知って激怒したよ! 原子力委員長代理や原子力学会会長やら歴任してた人が、俺たちの知らないところで『谷を1つつぶして…』なんて行政区長にささやいてるなんて、たまったもんじゃないよ!」

--その人が原子力規制委員長になるの!?

 というわけで、7月26日の参議院議員会館に行ってきました。
 「原子力規制委員会の人事に異議あり!」の集会が行われたのです。その中の登壇者の一人に、飯舘村の後方支援をされている小澤祥司さんがいらして、「来て来てー」と連絡を頂いたのです。

 そこで登壇された小澤さんのお話。
 「田中俊一氏が原子力規制委員会の人事案にあがったとき、まさか、と思いました。同姓同名の別人かと思って、ネットで何度も確かめました」

 そしてあのNHKでも流れた、行政区長さんの家を田中氏が除染されたときのお話をされました。
 結局、庭土を掘り返し、木を伐採しても、住めるレベルにまでは線量が下がらなかったのですって。で、大量に出た廃棄物。区長さんが、これはどう処分するのか尋ねると、田中氏、「飯舘村は谷がいっぱいあるから1つつぶして処分場にしたらでどうですか」。
 区長さん憤然として、しかしその処分費用はどうするのか重ねて聞きますと、「東京電力にでも処分費用を請求してください」。
 というわけで、その区長さんのところの除染したあとの大量の廃棄物は、まだ庭にそのまま、ブルーシートをかけて放置してあるんですってよ…。何とかしてほしい、と言っても、田中俊一氏は去年の5月以降、一度もそこを訪ねておらず、放置状態…。
 そりゃちょっと無責任すぎません?

******

 郡山から静岡に自主避難された、5歳の息子さんがおられる長谷川さんも登壇されお話しされました。
 「肩を震わせて泣いている自主避難者の前で、田中俊一氏がマイクを握り、『20mSVは安全、自主避難することに賠償するのはいかがなものか』とおっしゃいました。5歳の息子に年間20mSVは無理です。私は田中氏ははっきり敵だと、そのとき思いました」

会の最後に発言を求められ、マコちゃんもしっかり喋ってましてん。

 この集会で、田中俊一氏の発言をまとめた資料を頂きました。一応、元の資料となった議事録も全てあたりました。

 2011年8月23日の第32回 原子力委員会の議事録より。除染活動について、NPO法人放射線安全フォーラム副理事長として発言されています。

100mSVというのは健康に大きな影響がないということだと、いわゆる健康影響との関係でこのあたりをどう今後住民にご理解いただくかということ、折り合いをつけていただくかということが大変大事になってくると思います」

(ん? 100mSV以下でもLNTしきい値なしモデルで考えると健康に影響が出るというのがICRPや安全委員会の考え方、と加藤審議官は去年の統合本部合同会見で何度も何度もおっしゃってましたよ?)
(そして、放射線に対して『折り合いをつける』って何だい!)

生涯の集積被ばく量100mSVということになりますと、ほとんど福島県では子供を育てることができなくなるということもありますので、こういった基準の決定は十分に注意深くやって頂きたいということであります」

(何に対して注意深く? といいますか、ほとんど福島県では子供を育てることができなくなるから、基準を甘くっていう意味にしかとれませんが!!)

 参議院議員会館での集会のスクリーンに「2人のミスター100ミリシーベルト。2人の俊一」と、映し出されていたのはこういうわけだったのですね。

 この議事録の他の発言も拾ってみます。

「5月に飯舘村の長泥地区での放射能除染を行いました」

(うんうん知ってる、あなたがその後ほったらかしにしてあるやつね!)

「…空間線量率が13~15μSV(中略)…ミニホットスポットでは170μSV…」
「除染前、裏のほう2、4、6という部屋が一番高かったんですが、こういったところについては全体として周りを除染しまして下がりまして、いろいろやってみましたけれども、結果的には半分、3μSvぐらい。当初2μSvぐらいまでと思って取り組んだんですけれども、(中略)広域な除染をやらないと線量を下げるということにはならないんですが、やれば下げられるということです」

(田中氏のあだ名は除染マニア、と国会議員さんから伺っていますわよ)

「民家の小国の廃棄物がこれです。大体ざっと言って70tぐらいあります。それから、飯舘村のほうは、これはまだブルーシート等をかけていない状況ですけれども、この程度ということであります」

(ええ、村民の方が自分でブルーシートかけたって言ってたよ。ほったらかしにされたから)

******

 他の???な発言も拾います。

「住民が納得するかどうかというのは、やはり住民が除染作業にある程度関与していただけるような状況を作ることが一番大事だと思います。
(中略)除染をする中でストレスを克服する力というか知恵をつけていただきたい…
「除染活動を当面の労働の機会とする…」

(ほほう、あだ名が除染マニアというのが納得できますね!)

******

そして、田中氏個人の考えを述べておられる部分がありました。

この状況のままで今後の原子力の再生は非常にもう、個人の考えですけれども、絶望的です。とにかく何らかの形で除染をきちっと行い、避難住民が帰ってこられるような状況を作り出されない限りはこれからの原子力発電を含めてそういったものはどう政策を進めていいかわからないなということがありましたので、私自身はそういう思いもあります

 ん? 田中氏個人の考えをまとめると

原発事故

原子力の再生は絶望的

でも除染! 除染!

避難住民が帰還

再び原子力発電の政策を進められる☆

 というところでしょうか。
 この除染マニアは、日本原子力研究開発機構(旧動燃)副理事長、原子力委員長代理、原子力学会長などを歴任してこられた方ですからね!

 そういえば、省庁のエレベーターで去年の5月に官僚がたと乗り合わせたとき、「除染という言葉が世間で出始めたら、我々の勝ち」と言っていたよ、と私に教えてくださったフリージャーナリストの方もいらっしゃいました。でも、それをお聞きしたのが去年の12月! もう少し早く教えてくださったらよかったのに!

 そして、福島から静岡に自主避難された長谷川さんのお話にもありましたが、田中俊一氏は自主避難者への賠償を徹底的に認めない、と考える方だそうです。
 原子力損害賠償紛争審査会においても、賠償方針を策定しようとする能見善久会長に最後まで抵抗し、審査会で決まったあとも、抗議文を読み上げ、福島の方々や傍聴者の怒りをかった、とのこと。
 政府が避難の基準としている20mSVをゆるがすべきではない、住民の帰還基準も20mSV、と主張されているのです。

 第14回、原子力損害賠償紛争審査会の議事録より。
※低線量でも積算すれば100ミリを超えると判断し避難した場合の合理性についてのやりとり。能見会長と田中俊一委員の部分を抜粋します。

【能見会長】 政府のほうでもって行政的な措置として避難すべきかどうかという基準は、これは20ミリシーベルトなんだと思いますけれども、それを基準に避難するというのは、緊急に避難しろということなんだと思うんですね。
 そこに長期間いると放射線をたくさん浴びる、最終的には合計では何年かも継続して浴びるようになって、それは危険であるという問題と、今緊急に避難すべきだという考えのもとに設定されている基準というのは、やはり違って考えるべきだと思うんですが、今、自主的な避難について問題となっているのが、そこに長いこと住んでいると、今すぐということじゃないかもしれない。長いこと住んでいると危険かもしれないということで避難しているとすると、これは、20ミリ というのは基準にはならないんじゃないかと。20ミリというのは、あくまで緊急に避難すべきだという基準ではないんですか。
【田中委員】 非常に難しい問題で、実は国の基準は来年の3月、要するに事故発生から1年間ですね。その積算線量が20ミリになるか、ならないか で判断しているんですね。だけど、普通は、そういうふうに長期には事故が続く、被曝状況が続くというふうにはほんとうはあまり考えていなかったというところに、非常に混乱があることも事実のような気はしますけれども、今、会長がおっしゃったことからいきますと、どれだけになるかわからないという時期を過ぎた後は、もう予測がわかっているんだから、あとは来年の3月までに除染をするなり何なりして、線量を下げてしまえば、避難する必要はなくなるという判断も出てくるんですね。
【能見会長】 それは、どのぐらい除染できるかという予測のもとに考えるということですか。どのくらい除染できるかというのは、まだやってみないとわからないと私なんかは思うんですが。
【田中委員】 そのぎりぎりのところが十分20ミリを下げるぐらいのことはできると思いますけれども、努力すれば。
【能見会長】 いや、私が申し上げているのは、20ミリというのは、緊急に避難するための基準だから、そこに例えば10年住んでいるときに、積算で危険かどうかという問題とは直接は関係ないのではないかということです。そうすると、例えば1年ぐらいで除染で放射線量が半分ぐらいになったとしても、 その後ずっと住んでいても大丈夫ですよということにはならないのではないか。また、除染の結果ということを考慮して、除染するから避難する必要はないということが十分言える場合もあるかもしれないけれども、除染はこれからやってみないとわからないので、考慮要素の1つにはなるが、それ以上ではないのではないか。更に言えば、今、避難しているのが合理的かどうかという判断の基準には、直ちにならないのではないかと思います。
【田中委員】 今、会長がおっしゃったように、10年単位で住んでいて、高いところに住んでいて、幾らならいいという基準は、今は多分なくて、 ICRPのリコメンデーションとしては、できるだけ年間1ミリシーベルトに近づくように努力しなさいということだけしか、今は基準はないんだと思います。 だから、避難のこととは少し違ってきますね。
【能見会長】 ちょっとまだ少し食い違いはあるかもしれませんけれども、そして、違いがあるのであれば、それを明かにするために、仮定の話しとし て、次のような場合はどうかを伺いたいと思います。これはあくまで仮の話として、今年間10ミリシーベルトの放射線被曝を受ける地域があるとして、除染によって減っていくので、ずっとそれが続くわけではないかもしれないけれども、仮に10ミリシーベルトが続くと考えて、その10年間積算されると100ミリ シーベルトになる。積算の仕方も、本当はこのように単純に積算していいのかどうかわかりませんけれども、仮に総量で100ミリシーベルトになったときに、 その積算で100ミリシーベルトという総量はそんな安全であるというふうには考えられていないのではないかと思いますけれどもどうなのでしょうか。このように低線量であっても長期に先まで考えて、現在、特に心配されているのは子供だと思いますけれども、こうした子供などを避難させたいと考えるのが不合理な のかどうかという問題なんだと思いますけれども。
【田中委員】 その100ミリの基準は、私はちょっと今答えられないですね。どちらかというと医学的な観点が入ってくると思いますので、100ミリというのが、国としてそういうふうに積算線量を決めてしまったのかどうかということも、まだ明確ではないし、それを決めてしまったらば、今、会長がおっしゃったようなことがいっぱい出てきますね。それは非常に広域になります。

 ええと、子供に低線量を長期被曝させるのは心配だから避難させたい、ということの合理性を認めると、非常に広域になるから、自主避難の賠償は認めない、という結論ですか、田中委員?
 けど、議事録読んでいると、けっこう能見会長はいい感じなんですよね! この後やりとりの相手は、田中委員から高橋委員に移るのですが抜粋。

【高橋委員】 今の会長のお言葉ですが、これを避難の概念に入れるかどうかということだと思うんです。今考えているのは、当面の福島の事故で、放射能の被曝を避けるために一たん出られて、中長期的には戻られることも前提にした方の話をしていると私は受けとめていて、そういう意味では、居住された方が、居所を転居されてしまって、もうもとへ戻られないというところはちょっと将来的な推移も考えないと、なかなか現段階で想像できないんじゃないかという気がします。そこは会長、いかがお考えでしょうか。
【能見会長】 もう戻れない、あるいは戻るつもりはないという人たちについてどう考えるかは、おっしゃるように別の問題があります。私は、先ほどのような長期の放射線の影響を考えて当面避難しているが、線量が下がれば戻ってくるという場合を考えています。そして、その際、長期の影響を考えて放射線被爆を危惧して避難していることが合理的かどうかということを問題としています。それが合理的だという判断になれば、次に何を賠償するかというはまた別の問題になります。私は個人的には、おそらく増加する生活費みたいなものが一定期間賠償されるということが中心的な損害になるのではないかと思いますけれども、何を賠償するかはまた後で議論したい。いずれにせよ、今のような危惧から、避難して、その人がほんとうにもう戻らないということになれば、それはケー ス・バイ・ケースでもありますが、またちょっと違った問題が生じてくるだろうと思います。
 繰り返しになりますが、今、自主的な避難ということで 問題となるのは、放射線量が年間20ミリシーベルトを切っているけれども、長期の被爆についてそれなりに不安を感じて避難する人の避難が合理的かどうかという点で、その人たちが戻らないと決心したときにどうするかはと別の問題です。その場合に、どうすべきかについては、私としてはまだ考えておりませんけれ ども。
【高橋委員】 後から出てきますが、当面2年の除染の方針が出ております。それはやはり前提にして議論したほうがよろしいのかなと私は思います。
だから、2年後にこうなっているということを前提にして、それで避難されている、戻らない、2年後戻らないという方が合理的かどうかというところを議論すればいいかなと思うんですけれども。
【能見会長】 すると、2年間はどうなんですか。
【高橋委員】 とりあえず2年という話になるんじゃないでしょうか。
【能見会長】 いや、その2年間分の避難は、それなりに合理性があるということになるのではないですか。
【高橋委員】 いや、そこをどう考えるかということだと思います。政府としては当然除染するのですから、それを踏まえて、当分は戻ってこないのが合理的か否かを検討しようということです。

 などなど、能見善久会長VS委員の方々、みたいな状況が随所にありますね!
 田中俊一氏みたいな方が賠償紛争審査会の会長でなくて良かった! でなくて原子力規制委員長になられるんだった!! 大変!

 以下、第16回 原子力損賠賠償紛争審査会の議事録から抜粋。能見会長に気をとられちゃうので、田中委員のみ抜粋します!

【田中委員】 そのプラスアルファの要因があれば、もちろん、会長がおっしゃるように、そうだと思いますが、それは、私は、また新たに線量とかなんかということを持ち込むということになると、非常に混乱すると思います。一応国の責任において、20ミリシーベルトというところで、滞在するかしないかという予測線量ですが、指示を出したわけだから、それをまたこの時点で、ここで個人の判断による線量基準を持ち込むということは、私は、非常にいろんな意味で、今度は滞在している人たちに、今からでもすごい混乱をもたらすような気がするので、そこはぜひ避けていただきたいなという気はしています。
【田中委員】 今お聞きしていて、不安というのは2つあって、サイト内の事故の収束状況に対する不安というのがあって、それと、線量や被曝の問題とが少し混在しているような気がしますね。
 サイトの問題は、確かに不安定な状況であることは確かで、いまだに完全に安定したという状況ではありません。ただし、国の考え方としては、サイトに起因するところにおいては、避難の基準というのが決まっていて、当初は50ミリシーベルトだったんですが、今は20ミリシーベルトということが4月22日に決められたわけだから、それをもし超えるような恐れが出たら、これは国の責任で、さらに拡大するとかなんかということがあると思います。4月22日に国が行ったことは、サイトの状況を見極めて、一応20~30kmは屋内退避基準ということから、準備区域というふうに変えたわけですから、そこにかなり明確な国の指示があったように私は理解しているんですね。だから、それでもなおかつ不安だとか信用できないというのは、これは気持ちとしてはわかりますけれども、それがほんとうに合理的な理由としていいのかどうかというのは、私は法律学者じゃないからわからないですけれども、ちょっとあれかなと思います。
 それから、線量への不安ですけれども、これもそうなんですが、国20ミリシーベルトを別にいいとやっているわけではないのですけれども、当面は現存被曝状況というのは、国際放射線防護委員会の勧告を受け入れて、20ミリシーベルト以下とそれ以上とに分けて、20ミリ以下は一応とりあえず住みながら、いずれ国の責任で少し下げましょうという、そういう決定をされたわけですね。そのことに従って、99%の住民の方は、被曝線量に対しては、不安は住んでいる人のほうが大きいかもしれないと私は思いますが、そういうことをもって、それでもそこに住んでいるわけです。もう日々不安にさらされていると思いますけれども。その人たちと自主避難した人の不安というのを、どういうふうに判断するんだろうかというのは、私はちょっと。
 先ほど5ミリシーベルトの管理区域の問題が出てきましたけれども、それとこれと同じような考え方でやると、それじゃ、これからの住民、一般人を含めてすべてそうですけれども、被曝線量の基準って一体どうなっていくかということが全然わからなくなって混乱すると思います。今でも若干混乱しているんですけれども、そういうことをやっぱりきちっと、ここでその線量基準まで決めるというのは、少し行きすぎなような気は個人的にはしています。

 ??? 混乱するから、いったん決めた国の基準をゴリ押ししますよ! というふうにしか読み取れません。
 混乱するから、国民に情報を出さない、と判断された原発事故直後みたいでイヤだなー。

 以下、第18回 原子力損害賠償紛争審査会の議事録より。

【田中委員】 私は少し違った意見を持っていまして、放射線被曝の今の現況というのは、急に変わることはありませんので、終期もどこまでいくかというところがあります。それで、低線量被曝に対するこの不安は、人によって非常に千差万別で、いろいろ違います。ただ、国としては一応基準を出しているわけですから、そのことを踏まえると、いつまでもこれがずっとどこまでも低線量の被曝の不安が続く限り賠償の対象にするというのは、必ずしも住民にとっても、私は、ほんとうに金額だけでその不安が解消されるかという観点から見ると、必ずしも同意できないところがあります。

 ………は? 低線量の被曝の不安が続く限り、賠償の対象にすべきでしょうよー。金額だけで不安が解消されるかどうかわからないなら、医療の面での優遇や、移住する場合の就学支援、就職支援など、金額以外でもたくさんできることあると思うし!

 というわけで、今回、原子力規制委員会委員長の人事案にあがっている田中俊一氏は、「除染マニア」で、「自主避難者の敵」という、2つのあだ名をお持ち、ということを知りました。
 そして! 原子力規制委員会のトップにたつと、そのまま、原子力防災会議の副議長と原子力災害対策本部の副部長になるんですよ!
 原子力防災会議の議長、原子力災害対策本部の部長は、内閣総理大臣。つまり、そのナンバー2ということは、原子力規制委員長ってむちゃくちゃ重要なポストでしょう?
 そこに原子力を推進させたい除染マニアが来られるなんて、いーやー!

 というわけで、田中俊一氏が原子力委員会で述べられた「個人的な考え」のまとめをもう一度書いておきます。

原発事故

原子力の再生は絶望的

でも除染!除染!

避難住民が帰還

再び原子力発電の政策を進められる☆

 これは飯舘村の仲良しから、朝からたたき起こされるわけでしたよ。なんとかしなくちゃね!

******

 ところで、前回の「国会事故調報告書、電事連のロビー活動の件。」の記事に対して、国会原発事故調査委員会の野村修也委員が「まとめて頂き感謝です」とツイートをくださいました。野村委員が電事連に乗り込んで資料を集められたんですって。

 そういえば、去年の秋に、ある雑誌に「おしどりの記事を載せるのだったら、原発推進の記事を3か月載せろ!」と言って、結局、おしどりの記事をはじきとばしたのも電事連さまでしたわね! 記事についてはその雑誌の次号予告にまで載ってたのに、飛ばされちゃって、驚きましたわよ~
 そして、その記事は結局今年の3月に載せよう、震災から1年なので、注目されるだろう、ということになったのですが、またもや! 電事連の広告に弾き飛ばされたのでした☆ けど担当記者さまがとても頑張ってくださって4月には載りましたけどね、強いね、電事連さま!!

 7月31日の菅直人氏会見で、野村修也委員とお会いして、改めて、「これからも記事に注目しています、国会事故調の報告書もよろしく!」と言ってくださいました。そうですね、あの報告書はとても読み応えありますもん、私は資料の部分にとても注目しています。また、注目トピックをまとめます。

******

 8月1日の国会事故調黒川清委員長の会見で、最後ぶら下がりに行ったら、黒川委員長から質問攻めにあいました! 政治・政策のこととか、あるメディアが出したニュースの裏の意味わかる? とか、僕がどうしてああいう行動とったかわかる? なんであの報道番組がこの日付に出たかわかる? とか。
 わー、わかりませーん、すみませーん、とばかり答えていたら、 「しっかりしてよ! ジャーナリストなんでしょ? 違うの? あなたはサラリーマン記者じゃないんでしょ? ジャーナリストなんでしょ?」と言われ。
 違いまーす、ええと、強いていえば、芸人でーす、吉本に所属してまーす、と答えると「嘘でしょー!? この人ほんとにそうなの?(と隣の事務方に聞かれ、その方はそうです、と)」。そして爆笑して「まいったなー!!」とのことでした。(^^)

 なんかメディアやジャーナリズムについて、いろいろ語ってくださって、&怒られて、(もっとしっかり頑張れ、と!)意外とフレンドリーな黒川委員長でした。次はもっと質問に回答できるように、裏の裏を考えていきたいものです。

 田中俊一氏が規制委員長の人事案にあがっている、というニュースが出た裏も、もちろん考えていってますよ~!

【今週の針金】
除染マニア御用達、原子力大好きメガネですねん。

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田中氏以外の委員候補メンバーにも、
原子力事業者と関連する経歴を持つ顔ぶれが並ぶなど、
さまざまな問題点が指摘されている原子力規制委人事案。
これまでの「原子力ムラ」と決別するという、
委員会設立の目的(だったはずのこと)はどこへ行ってしまったのでしょうか?
文中に出てくる黒川清・国会事故調委員長会見や、
菅直人元首相会見については、
「脱ってみる? デイリー」 に書き起こしがUPされています!

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おしどりプロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。

ブログ:
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その他、news logでもコラムを連載中。

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