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2011-12-09up

おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」

第35回

平成23年度の患者調査で宮城県の一部と福島県が除外される件。

 ツイッターで、「福島県だけ白血病の調査をしないって本当ですか?」そういうご質問がきました。本当だったら、ドえらいことだね、ちょっと調べてみましょう。
 どうも、それは「白血病の調査」ではなく、3年毎に行なわれる「患者調査」から宮城県の一部と福島県が除外される、といったものでした。
「厚生労働省における東日本大震災の対応状況」

 これはどういった議論で、どういった理由で決まったものなのでしょうね? お聞きしてみました。ちなみに12月5日。
 (電話取材をICレコーダーで録音したものの書き起こしです。これなら正確に伝わると思って。音声もありますよ〜)

***

「こちらは厚生労働省です、内線番号をご存じの方は2を」
「厚生労働行政に関するご質問、意見など、国民の皆さまの声、受付窓口をご希望の方は3を」
「内線番号をご存じでない方は1を押して下さい」 「ピッ!」 
「お繋ぎしますしばらくお待ちください」
♪「メリーさんの羊」♪

(ケンパルに書き起こしを頼んだら、こんなとこから書いてたわ、アホか!)

――お忙しいところ失礼いたします。審議会についてお聞きしたいのですけれども、あのー、患者調査をする審議会というのは、大体どこの審議会になるのでしょうか。具体的に言いますと「厚生労働省における東日本大震災の対応状況」という資料が発表されました審議会が知りたいのですが。

厚労省の方「もう一度…メモリます、よろしいですか」

――あっ、わかりました。患者調査や、医療調査、例えば病気の患者数などの統計を取ることについての話し合いをする審議会、について知りたいんですね。

厚労省の人「…(聞き取れず)…」

――はい、わかりました、お願いします。

厚労省の人「…統計室でございます」

――お忙しいところ失礼いたします。審議会についてお伺いしたいのですけれども。

厚労省の人「はい」

――患者調査について話し合っている審議会というのはどこの部署になるのでしょうか。

厚労省の人「といいますと…」

――具体的に申しますと「厚生労働省における東日本大震災の対応状況」という資料が出されました審議会はいつの日にちでどこのものだったのか、を知りたいんですね。

厚労省の人「えーと、それは審議会にかけられた日ということですか」

――はい、かけられた日と、ちょっと調べてみたんですけれども、調べきれなくて。(資料が載っていたのは)疾病・障害認定審査会と同じようなアドレスだったんですけれど、これは違っておりましましたので…。

厚労省の人「聞いてまいりますので、少々お待ち下さい」

――はい、多分10月…(日付をお伝えしようとしたら保留に)

保留音♪「ボレロ」♪(4クールくらい聞く)

厚労省の人「大変お待たせしました、すいません、患者調査で福島県と宮城県を除くという決定をした審議会資料を知りたいということですか」

――そうです、その資料自体は手にしているのですが、その審議が行なわれた…どういう議論が行なわれたか、どういう意図でその宮城と福島全域で調査を行なわないということになったかという理由を知りたいのです。

厚労省の人「お手元にございますのはどの資料ですか」

――資料5のみです。

厚労省の人「資料5ですね…えっと、10月の20日の資料ですかね」

――はい10月20日の資料です。

厚労省の人「はい、そこのところでですね、社会保障審議会の統計分科会というところに報告という形で配布されまして、その中で議事録に示されてますけれども、…にご意見を…(聞き取れず)」

――わかりました、では10月20日の社会保障審議会の統計分科会にこの資料5を含む資料が上がっているという事ですね。

厚労省の人「そうですね」

――ではその資料、議事録を読めば今回患者調査で宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行なわない、ということの理由がわかるんでしょうか。

厚労省の人「理由はちょっと…そのー、決定事項としまして、そういうふうに除いてやります、という報告でありますので、その理由については、えーと、総務省のほうにも決定で…その宮城県の一部と福島県を除くということだけで」

――あっ、何のほうにはですか? すみません、聞き取れなくて。

厚労省の人「えっ。総務省…」

――総務省。

厚労省の人「はい、統計委員会というところにも、えーとまあ、期間統計という調査でございますので、はい、届け出をして承認を得ているところですけれども、それについても決定に出るまでの詳細についてはちょっとネット上にはアップしてませんので」

――わかりました。この資料を見ますと、国民生活基礎調査というのは岩手、宮城、福島を除くんですけれども、患者調査のみ宮城の一部と福島を除いております。その理由は今のところ公表はしていないということでしょうか。

厚労省の人「あっそうですね。理由はネット上に公開しておりません」

――わかりました、ではもしよろしければお答えを教えていただきたいのですが。

厚労省の人「県や保健所を通じまして、医療機関に調査票を配布をしているんですけれども、その調査票にですね、医療機関のほうでカルテから症状なり患者の治療状況などを転記して頂くんですね、その患者調査は3年ごとに実施され、HP上にもアップされておりまして、過去の患者調査というのはご覧いただけると思うんですけれども。はい、まあ調査を実施するにあたり、医療施設のほうも被災をしていて保健所も被災による復興作業で、そういうことで、とても調査できる状況ではないということですね。
 もう一つは、限られた医療施設…一部地域では施設が全壊したり半壊したりしている状況もございますので、通常の状況ではない調査結果の偏りということも考えられますので、正確な推計ができないということで、除外をしております」

――なるほど。

厚労省の人「厚労省だけではなくて、福島県、宮城県と協議をして県庁のほうと両方で決定いたしました」

――ありがとうございます。それをお聞きしたくて。
 少しお聞きしたいんですけども、医療施設が被災をしているので調査票の記入がやりにくい、という点でそれは、被災している岩手は除外されてないんですか。

厚労省の人「大変な状況だと思いますが、対応できなくはないということでなんとか協力をいただいてますので。岩手県としては除外はございません」

――わかりました。ではこの宮城の一部、というのは主に大体どのあたりなんでしょうか。除外をされる地域というのは。

厚労省の人「沿岸部、石巻医療圏というのがありまして、市区町村ごとに調査設定をしているんですけれども、その医療圏で対応できないのが石巻医療圏と気仙沼医療圏なのです」

――なるほど、津波の被害がひどかったところですね。

厚労省の人「 …(聞き取れず)… 」

――わかりました、ありがとうございます。
 では、福島県で、例えば内陸部の会津の辺りなどは、宮城の内陸部と同じようにあまり被害は受けてはいないと思うのですが」

厚労省の人「はい、あの被災した――そうですね。原発の周辺の人たちが避難をしている状況で、そういう人たちの診療に追われている状態もございますので。あの、平時でも患者調査というものは医療機関に大変な負担をかけますので」

――なるほど、わかりました。では宮城の内陸部より福島県の内陸部の方が状況が大変であるという判断ですね。

厚労省の人「医療機関それぞれによって――まあ医療機関の役割もございますので、大病院、中病院、小病院それぞれ役割がございますので一概にその比較はできませんけども、その県を含む協議の中で調査は不可能であるということで判断しておりますので」

――なるほど、それは福島県と協議をしたということで。

厚労省の人「はい」

――わかりました、その福島県は県庁の部署でしょうか。あの、健康福祉課でしょうか。

厚労省の人「ちょっとお待ち下さい」

――あ、申し訳ないです。

♪「ボレロ」♪

厚労省の方「…お待たせしました。健康福祉部のほうです」

――健康福祉部のほうですね、わかりました、ありがとうございます。ちなみに、宮城県も健康福祉部という部署でしょうか。

厚労省の人「えーっと、そうですね。健康福祉部ですね」

――ありがとうございます。
 で、この患者調査の調べる病気というのは、あらゆる疾病に関してなんでしょうか。

厚労省の人「あの、調査日も設定しておりますので、その日に医療機関にかかった患者さんの症状を調査票に転記していただく」

――なるほど。

厚労省の人「調査日に入院していた人には入院していた日の状況を記入していただいております」

――なるほど、わかりました。ありがとうございます。

厚労省の人「福島の状況をお知りになりたい、ということですか」

――そうです、福島の震災後の疾病状況などを知りたかったので、今年は調査を行なわない、ということで。

厚労省の人「えー、患者調査はもちろん被災地の健康状況、福島や宮城の情報を出来るだけ把握する必要があるということは重々わかっておりますが、先ほど申し上げたようにデータの正確性、あとまあ調査に協力いただける自治体の協力を得られなかったという状況なわけなんですけども、別途災害による健康状況をフォローする調査が内閣府のほうで行なわれておりますので、そちらの結果等をご参照していただければ、全くその被災後の健康状態が国の方ではわからない、というわけではございませんので」

――ありがとうございます。ちなみにその、内閣府の調査をする部署は何というところなんでしょうか。

厚労省の人「福島県と提携をしてる形で、県民健康管理調査を行なう被災者生活支援チームです」

――あー、わかりました、それは福島県が独自でやっている、検討委員会でやっているものですね。わかりました。ありがとうございます。
 最後にもう一点だけ、では今回除外した宮城の一部と福島の患者調査は次回は大体時期的にいつ頃行なわれるのでしょうか。

厚労省の人「3年に1度のサイクルでやっている状況ですので、次は平成26年です」

――わかりました。平成26年で。今年の平成23年度の患者調査は、もう結果は発表されてるんでしょうか。

厚労省の人「いいえ」

――あっ、年度末ですね。

厚労省の人「24年の秋、一年後です」

――わかりました。ありがとうございます。すいません、お時間をいただいてありがとうございました。

厚労省の人「いいえ。はい、宜しくお願いいたします」

――宜しくお願いいたします。

***

 気になることがいくつかあります。患者調査を津波被害を受けた地域の医療機関が行なうことは本当に大変なことでしょう。宮城の沿岸部が除外されたのはわかります。でも、岩手の沿岸部は

「大変な状況だと思いますが、対応できなくはないということでなんとか協力をいただいてますので」

 岩手県は患者調査をするんだよね。そして福島県の津波被害の無い内陸部は

「その県を含む協議の中で調査は不可能であるということで判断しておりますので」
「あとまあ調査に協力いただける自治体の協力を得られなかったという状況なわけなんですけども」

 と、なんか福島県の判断で患者調査を行なわない、というふうにも解釈できちゃいますよね? これは福島県庁にもお聞きしなくてはね。

***

 そして、この10月20日の統計分科会の議事録を読むと、患者調査に関する議論は

○土屋委員 これは医政局に伺うべき問題かもしれませんけれども、医療施設調査と患者調査で、宮城県の一部と福島県の一部はやむを得ないと思うんですが、福島県は全域で患者調査とか、(医療施設)静態(調査)を行わないというのは、地域保健医療計画の策定に障害を及ぼさないのかどうかということをちょっと心配するんですが、いかがでしょう。

○早川統計企画調整室長 福島県の状況ですけれども、医療施設調査については、少なくとも病院の数とか病床数については、これは県が電話で聞き取りと書いてありますけれども、必要最低限の情報は何とか死守しようというふうに取り組んでおります。患者調査なんですけれども、これは今、福島県は特に地震だけの影響ではなくて、原発の影響もあって、平時でない状況が続いているということで、そういった状況をあえて調査したとしても、その後の利用に耐え得るかという考え方から、患者調査の方については今回見送るという形を取っております。

 この2つのやりとりのみです。平時でない状況…。でも岩手の沿岸部は調査するんだよね? 原発の影響はそんなに大きいのかしらね?

***

 さてさて厚労省は被災者生活支援チームが県民健康管理調査を行なうので大丈夫、とおっしゃっていましたが、「脱ってみる?」のコアな読者の方々は、県民健康管理調査がいかに疑問だらけか、そして被災者生活支援チームは単なるオブザーバーでしかなく、この調査の主催は国ではなく県で、福島県知事が指名した県民健康管理調査検討委員会(座長:山下俊一福島県立医科大副学長)であることはご存知ですよね?

 んーー、でもまぁ、確認は基本かしらね、いちお、厚労省はこうおっしゃってますけど、被災者生活支援チームはどうなの? ということでお聞きしました。直接、被災者生活支援チーム医療班の福島班長や堀岡さんの携帯にお電話してお聞きしようかと思ったけど、よく考えたら、被災者生活支援チームからは電話がかかってくる一方で、自分から代表番号にかけたことはないので、そっちを体験してみました。

 内閣府の代表に電話すると「番号をお伝えするので経産省に掛け直してください」。

――え? でも被災者生活支援チームは内閣府の組織ですよね? 

内閣府「はい、でも被災者生活支援チームの部屋は経産省にあるのです」

 ふーん、そうすか、不思議、というわけで掛け直し。
 被災者生活支援チームの広報の日野さんとお話ししました。まず、疑問だったので、

――どうして内閣府の組織の被災者生活支援チームが経産省にあるのでしょうか?

日野さん「確かに内閣府の組織ですが、原発事故対応ということで経産省にあります」

――そうですか…

日野さん「あの、ひとつの場所に集まるほうが対応しやすいので…」

(そういうものなのかな?)

――では被災者生活支援チームの医療班も全部そちらにあるのですか?

日野さん「はい、経産省の中にあります」

(なんか、被曝を評価するチームが原発推進の省の中にあるってちょっと気持ち悪いなー)

――厚労省が3年ごとに行なう患者調査を今年度は、宮城県の一部と福島県を除外するのですが、国として被災者生活支援チームが県民検討管理調査を行なうからそれでカバーできる、把握できる、とおっしゃってたのですが…

日野さん「えっ? 患者調査? それは被曝に関する調査ですか?」

――いえ、疾病に関する調査です。

日野さん「うちでは被曝に関することしかしないんですけどね?」

――そうですよね…

(ええ、まぁ、県民検討管理調査と被災者生活支援チームについてはひゃっぺらぺん取材してきたので存じておりますですよ…)

日野さん「本当に厚労省はうちがやるって言ってました?」

――はい、県民検討管理調査は福島県の主体ですし、変だな、とは思ったのですが。患者調査の代わり、ではなく、被災地の健康状態を把握するといった意味合いだとは思いますけど。

日野さん「でもそれは被曝に関することだけで、他の疾病の調査はしませんし…うちは被曝関係だけですよ?」

――そうですよね…。県民健康管理調査のほかに、何か健康調査をされるのでしょうか? 福島県立医科大が主体の健康調査のことでしょうか?

第27回「脱ってみる?」県民健康検討委員会の件。の後半で出てくる、全て県立医科大が費用を持ち、データを県立医科大が保管するということに同意する同意書を提出しないと受けれないあの健康調査ですよ☆)

日野さん「うーん、まぁちょっと調べてみます。お時間急いでます?」

――いいえ、お忙しいのに申し訳ありません、ひょっとして、医療班の福島班長や堀岡さんに直接お伺いしたほうが良かったのかもしれませんね…。

日野さん「え、お知り合いなんですか。そうですね、そのほうが早いとは思いますが一応、僕広報なんで、やはり広報を通して頂いたほうが…」

――そうですね、ではよろしくお願いいたします。

***

 そして、その日の統合対策室合同会見のときにお電話が返ってきましたよ。

日野さん「あ、保安院の日野です!」

(あ、被災者生活支援チームの広報って保安院の方でしたの?)

日野さん「まず、福島の県民健康管理調査以外の調査を支援チームとして別途行なっているということはありませんでした」

(ええ、まぁ福島班長や堀岡さんからそんなお話お聞きしたことないものね)

日野さん「そして支援チームがこの県民健康管理調査を行なっているわけではなく、お金を出しているのです!」

(いや、県民健康管理調査の主体が支援チームでないことはとっくに存じていますし、お金が国から出ていることも存じておりまするが…)

――ええと、そのお金、というのは第二次補正予算で健康調査費として経産省が出した782億の中に入っている分ということですか?

第13回「脱ってみる?」に経産省から出ている被曝医療の予算782億のうちわけを書いてありんす)

日野さん「ええっと、そこまでは今すぐにわからないのですが…」

(なんか私、何をお聞きしてたんだっけ? そんなわかりきってること聞いてたんだっけ?)

日野さん「あと、宮城県では患者調査をしない代わりに、厚労省の厚生科学課というところで何らかの臨時の調査をするそうです」

 ほほーう、またそちらにもお聞きいたしましょう。そして要領を得ないから、広報の方ではなく、やっぱり直接、福島班長とお話ししようっと。

***

 そして12月5日の統合対策室合同会見の中で、園田政務官にお聞きしてみました。

――これは厚労省の管轄になるのですが、政府としてどう認識して、どう評価しているかという点でお答えいただければと思います。
 10月20日に社会保障審議会の統計分科会というところで、患者調査についての審議が行なわれました。患者調査というのは3年ごとに医療機関で色々な疾病などの調査をするのですが、平成23年度はその患者調査の年度に当たってまして、「今年は宮城県の一部と福島県全県で患者調査は除外する」ということが10月20日の統計分科会で認証されました。
 でこの件について厚労省と、そして被災者生活支援チームにお聞きしたのですが、明確な回答が得られません、なぜ、白血病や先天性の奇形などを調査する患者調査を今年は福島県、宮城県の一部で除外するのか。まあ被災地ということなんですが、岩手では調査されます。そして宮城の内陸部でも調査されます。福島の内陸部などでは、会津などではそんなに医療機関なども被害を受けておりませんので、なぜ患者調査をしないのか、お聞きしたのですが明確な回答は得られませんで、その点政府としてこの件を認識しているのか、そしてそれを了承しているのかご回答いただけたらと思います。

園田政務官「はい、厚生労働省の社会保障審議会でよろしいですかね」

――はい、そこの統計分科会です。

園田政務官「あ、統計分科会、はい。あの、すいません、えっとですね、まずどういったものなのかちょっと私も現時点で知っておりませんので、あの、一度調査をしておきたいと思います。で、その上でありますけど通常、私の経験上申し上げますと、厚生労働省の場合は全て審議会、あのーホームページでオープンにしていたというふうに、…致しておるんですが、その部分もまだ出てきてないですか」

――いや、資料はオープンになっているのですが、宮城県の一部と福島県全県で今年度患者調査をしない事についての理由はオープンになっていないのですね、なので厚労省に直接問い合わせ回答を得ました。回答をしていただいた方も、その理由はホームページ上にオープンにはしていない、との事でした。

園田政務官「そ、そのオープンにしていない理由は何と仰ってましたか」
 
――そのオープンにしていない理由は「宮城県の沿岸部と福島県全県は被災地でありますので、患者調査を医療機関にかける負担というものを考えて、今年度は宮城県の一部と福島県全県は患者調査をしない」という回答をいただいたのですが「ではなぜ宮城県の内陸部では患者調査をして、福島県の内陸部では患者調査をしないのか」という質問には明確なお答えをいただけなかったので。

園田政務官「あ、そういう意味ですね、わかりました、わかりました。
 恐らくですね、宮城県の場合は今仰ったようにですね、沿岸部とそれから内陸部とでは事情が違う、ということなんだろうなあというふうに今、私も受け止めましたけれども。福島県の場合は恐らく全域でこれから健康管理調査をやっていくといったところがあるんで、そういった面では少し宮城県とは事情が違うのかなというふうには受け止める事ができるのではないかと思いますけれども、
 いずれにしても厚生労働省が審議会の発表を受けてどういう形で判断したのかということは、今後少しあの、調査していきたいと思います」

(受け止めて受け止めてまた受けて今後調査、というお答え。)

――わかりました。宜しくお願いいたします。

 んーまぁこれは園田政務官もご存知なく、そして、厚労省と保安院の広報の方の回答と同じかそれ以下のレベルのものを持っていらして、それを回答とする流れに一万点。
 この先、福島県庁と宮城県庁と厚労省厚生科学課と福島班長に取材する道筋がありますので、また後日、再開いたします。

 他で手一杯だからどうしよ? と思いましたが、やっぱり気になることが2点。

(1)福島県庁がどういう判断をして、厚労省の患者調査に協力しなかったか。
(厚労省の方との電話取材の中で生じた疑問)

(2)患者調査への原発の影響というのはどういった判断をしたのか
(統計分科会の議事録の中の発言、「福島県は特に地震だけの影響ではなくて、原発の影響もあって、平時でない状況」という意味)

 少なくとも、福島県庁への取材と、過去、患者調査が除外された地域というものはあるのか、そして「原発の影響」の意味をご発言された早川統計企画調整室長にお聞きしたいものです。

 と、ここまでのところが私のところにきた「福島県だけ白血病の調査をしないって本当ですか?」という質問に対して私が調べたことです。
 まー、県民健康管理調査があるから大丈夫、などとはちっとも思えない私は、全県除外せずに福島県の内陸部だけでも厚労省は患者調査を行なってほしかった! と強く思います。

【今週の針金】
以前、安全委員会の加藤審議官が雪はセシウムを吸着しやすいと仰ってましてん。

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マコさんの取材法の一端が垣間見られる気のする、
リアルな取材レポート、いかがでしたか?
なかなか要領を得ない回答に、
マコさんと一緒になって突っ込みを入れたくなったりも…。


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おしどりプロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。

ブログ:
 http://oshidori.laff.jp/
twitter:
 マコ:@makomelo
 ケン:@oshidori_ken
その他、news logでもコラムを連載中。

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