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2011-08-03up

おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」

第14回

情報に受動的ではなく能動的になるために、
自分がメディアになるという決定的な意識改革を
べきべき乗に行なう件。
〜小児甲状腺サーベイ説明会、県民のWBCの結果、大気への放出放射量、月間降下量、廃棄野菜の行方とα線核種は回答待ち。

 7月28日の統合本部の共同会見は途中から遅れて行くつもりでした。小沢一郎議員会見のほうに行ってましたからね。民主党の政策集インデックスを2003年分からほぼ徹夜で読み込んできた私は質問したいことがいっぱいあったのですが、統合本部から送られてきた共同会見のお知らせメールを見て、ぎゃー!! と叫びました。
 「被災者生活支援チームの福島さんがいらっしゃる!」
 この方に会見に来て頂くためにどんな苦労をしたかは第11回をご覧ください!
 そして福島さんが「小児甲状腺被ばく調査結果の個人への通知」と「放射線医学総合研究所において実施した福島県民の内部被ばく調査結果の概要」の説明をしてくださるという通知。こ、こ、これは私が7月8日に被災者生活支援チームの方に質問した回答を持ってきてくださったのね!
 小児甲状腺サーベイの結果を個人へ返すというのは第4回に書いたように、いったん説明会を開く、という回答を頂いてたのですが、それがなかなか実現していなくて、7月8日に「まだですか?」とお聞きしたら「結果を個人に返すかどうか検討します」と言われちゃって。検討するちゃうやろ、こちとら5月からあちこち動いて、6月3日にオフサイトセンターの医療班班長から「説明会を開いて結果を個人に返す」という電話もらってるわ! というのをとても上品な言葉でお伝えしました。すると慌てて「確認します」に変わり、7月28日の会見発表につながったわけ。いったん、いい回答頂いても、それが実現するかどうか、目を光らせとかないといけないのねぇ。ムダだこと。

 というわけで、ゼヒものの会見というわけで、小沢会見は諦め、共同会見に走って行きました。そして、冒頭の説明のあと、質疑応答。しかしまさかの司会者コメント、
 「被災者支援チームの福島さんはあと15分で退出されます」
 ええー!? 福島さんへの質疑応答は15分しかないの? ま、いいわ、いつも住民の内部被曝の質問は私とNHKのI氏しかしないものね。15分で充分。
 しかーし! 冒頭で今まで一度も住民の内部被曝関連の質問をしたことがない新聞記者さんが質問を! そしてそれがなんと終わらないの!
 質問が10個を越えた時点で私は会見場の一番前の席、福島さんのまん前の席に移動しました。次に挙手したときに司会の方に指名して頂かないと時間切れになってしまうもの!
 けど、席を移動してからも質問は終わらないのね、20個を軽く越えました…。しかも、今まで3ヶ月間、散々私がしてきた質問やHPに載ってるような質問もたくさん含まれてて。検査を受けた子供たちの男女比や年齢比や、そもそもの検査の仕方ですって? 15分間がムダに終わっちゃう!
 まん前に座ってると会見側の方々もよく見えるのですよね、福島さんが途中から苦笑しながら、メモを取り、お答えされるときも「これは県のHPに載ってるのですが…」とおっしゃっても記者さんは「それでも丁寧に説明してください」とおっしゃる。そして福島さんが「後で資料をお渡しいたしますが…」とおっしゃっても「ここで丁寧に説明してください」と。
 そのたび、園田政務官が、あらあらというふうに私に目配せをし、私と安全委員会の加藤審議官が3ヶ月前からしていたやり取りが出るたび、加藤審議官が顔を上げて、何度も素知らぬ顔で私と目を合わせていました。
 (ちなみに数日後の会見のぶら下がりで、あの連続質問は参りましたねぇ、時間も少ないですのにねぇと加藤審議官は私におっしゃってましたよ)
 そして一連の質問の回答が終わったあとも、その記者さんは「確認のため…」「念のため…」「もう1点…」。質問が終わる気配が無いのです。
 私は意識が遠くなりながら、これで福島さんに質問できなかったらどうしようかな、泣こうかな、怒鳴ろうかな、冷静にキレようかな、と迷ったすえ、かわいくいくことに決めて、お願いポーズを取り続けました。すると、福島さんが、大丈夫、あなたの質問はもちろん聞くから、というジェスチャーをしてくださったんだよね、良かった! かわいく作戦成功! その前にどえらい顔で記者さんのほう見てたんだけどネ☆
 というわけで、長々書いてしまいましたが、何が言いたかったかといいますと、その新聞社は会見側と仲良しなのかしらね? と今まで怪しんでいたのですが、わりと自主的にやっていた、ということが分かったのでした。変なの。
 というわけで、無事にいろいろお聞きできました。回答は不満足でしたが。

 資料はこちら。

 この「バックグラウンドが高すぎて適切に測定できなかった66人」というのは思い当たることがあったので聞いてみました。
 6月10日の日本物理学会シンポジウムの発表に「物理学者の取り組み」という資料があり、それはこの小児甲状腺サーベイを実際に行った方々の研究発表だったのね。それによると、スクリーニングレベルが2μSV/hになっていて。けど、安全委員会の資料ではスクリーニングレベルが0.2μSV/hだったので、おかしいな、と思いその物理学者の方と安全委員会に確認したのです。すると、当初、まちがえてスクリーニングレベルを2μSV/hとして測定していたとのこと。で数日後気付き、測定し直した、ということで、2μSV/hをスクリーニングレベルとしていた方々は測定人数に入っていない、とのことで。

——この「バックグラウンドが高すぎて適切に測定できなかった66人」は当初スクリーニングレベルを間違えて2μSV/hで測定されていた方々ですか?

福島さん「そうです。66人全員がそうです」

 じゃあそうおっしゃればいいのに、バックグラウンドが高すぎるのと意味が違うけどな…。

 あと「年齢不詳の3人」というのは以前にお聞きしたことがあるのですが、本人が15歳以上の生年月日を書かれていて、それが親御さんのものなのか本人のものなのか確認しなかった、とのこと。この検査は15歳以下のものだったので追及しなかったそう。

——この説明会で行なわれる甲状腺調査の説明ですが、1次検査でエコーのみのガン検診で充分でしょうか? 血液検査をして甲状腺機能障害なども調べなくて大丈夫でしょうか? (第13回参照!

福島さん「充分だと思います」

 このあと、原爆症における甲状腺機能障害の認定の話や、甲状腺ホルモン検査の話などの応酬が続き、福島さんは大量にヨウ素被曝してないから大丈夫、と繰り返されるのですが、そもそも大量にヨウ素被曝してない、という根拠は何? と繰り返しお聞きしました。

福島さん「甲状腺機能障害が出る大量に被曝するレベルは(資料をお探しになってから)5000mSVなので、そのような大量被曝はみられておりません」

 えええー! 5000mSVも被曝したら甲状腺機能障害とかいうより、死ぬやん!? 7000mSVで即死ですわよ?

——福島さんと私が噛み合わない理由が分かりました…直後に出る障害ではなく、晩発性の甲状腺機能障害のことを私は言っているのです。せっかく2年ごとに継続的に行なう検査なので、血液検査も入れて、それもチェックするべきでは? 晩発性の甲状腺機能障害は被曝線量の閾値は確か無かったと思うのですが…。

福島さん「わかりました、そういう指摘もあった、と検討委員会に伝えておきます」

 お願いしますよっ!

 そして放医研の県民の内部被曝調査結果。資料はこちら。

——5月31日に飯舘の方が2人、放医研でWBCを受けたのですが(第4回第5回参照)バックグラウンド(測定対象以外の放射線)がある、遮蔽されていない部屋で3分間の測定という簡易なものでした。この資料の県民の方々が受けたWBCは、遮蔽された部屋で20分間の詳細な測定だったのでしょうか?

福島さん「すみません、その情報は持ちあわせていません」

——セシウムの内部被曝は「相当に低いと評価できる」とのことですが、ヨウ素の内部被曝は考慮されてますか?

福島さん「していません」

——では「相当に低いと評価できる」のはセシウムの内部被曝だけであって、ヨウ素の内部被曝の過去推計は含まれてませんね?

福島さん「含まれていません。セシウムだけです。」

——ヨウ素は生物学的半減期と物理学的半減期を考慮した実効半減期は7〜8日なのでとっくに過ぎてますよね? 3ヶ月で4000分の1以下になると思うのですが、どんなに被曝してもこの時点でWBCで測定しても検出限界以下になるのではないですか?

福島さん「ヨウ素の内部被曝の過去推計については県の検討委員会での議論にあがると思います」

(だから、ちっともあがってないんやってば!!!)

 小児甲状腺サーベイの結果を個人に返してくれる計画ができたのは嬉しいですが、ヨウ素の内部被曝の過去推計については、ちっとも進んでませんでした。なのに、セシウムだけで「相当に低いと評価できる」「ヨウ素は全て検出されなかった」という結果資料を作るのはズルいよ!!

 この日は東京電力の松本さんにも、福島第一原発から毎日の大気への放出放射量について(第13回参照)再びお聞きしました。

——4月の時点の2900億Bq/hと現在の10億Bq/hは本当に横ばいなのですか? 物理学的には横ばいと評価するのでしょうか?

松本さん「4月28日の時点では3×10の9乗Bq/hで(ほほう、30億やね)今の時点の3倍となり、ならしてみると低減傾向ではありますが、横ばいと評価できるのではないか、と思います。」

(ここで珍しくケンパルからのメモ「高い値で横ばいだ!」)

——(思わず言っちゃった)高い値での横ばいということでしょうか?

松本さん「はい、高い値での横ばいということになります」

 わー、ちょっとショック。

 ふと思いついて保安院の森山審議官にもお聞きしてみました。前回の「脱ってみる?」で現在もレベル4規模の原発事故が継続中、と書いたでしょ? それが気になって。

——さきほどの松本さんのご回答を踏まえたうえで、これはINES(国際原子力事象評価尺度)の評価基準でレベル4規模の原発事故が継続中、ととらえるのでしょうか? それともレベル7の事故が継続中、ですか? 

森山審議官「INESの評価基準では放出された放射性物質の総量で評価しますので、これはレベル7の原発事故が現在も継続中、ということです!」

 わー自信持っておっしゃられてもなー、ショック。

 ちなみに、10億Bq/hというのは現在の大気への放出放射量ということですよ。今までの海洋への放出した放射性物質を概算でお聞きしたら、まだ総量はわかんないんですってよ、トホホ。
 ピンポイントでは4月1〜6日までの2号炉の取水口で4.7×10の15乗Bqとか、5月10日に2×10の13乗Bq漏出したとか。まぁ確かにこのくらいになると、べき乗表示(10の何乗とか)のほうがわかりやすいけどね…ちなみに4.7×10の15乗Bqは4京7千兆Bqではなかろうかと思います。

 そしてこの日、園田政務官が安定ヨウ素剤の各市町村への指示がどのようなものだったか、を回答してくださいました。

いわき市→住民に実際に配布。県からの指示の後、服用すること。
三春町→40才未満に配布。飲んでもかまわない。(大半は服用済み)

 けど、私が調べた指示はもっとバラバラでした。県から指示があったら、医師の立会いのもと服用、とか。なので、立会い医師の確保ができないから、うちは安定ヨウ素剤は服用させない、とあきらめた市町村もあったり。

——なんで、こんなに安定ヨウ素剤の指示がバラバラなんでしょう? 
 そこを知りたいんですよね。JNESの「原子力災害対策の要点」や原子力安全研究協会の「安定ヨウ素剤取り扱いマニュアル」やら、他もいろいろヨウ素剤についてのマニュアルあったのに役に立たなかったの? 

園田政務官「当時は大変な混乱期でありまして…」

 いやいや、原発事故が起こって、安定ヨウ素剤を服用しないといけない状態というのは混乱期に決まってるので、だからこそマニュアルを作っていたのではないの?

園田政務官「それは後ほど検証しないといけない問題だと私も思っています」

 よろしく頼みますよぅ…

***

 毎回、長すぎてゴメンナサイ。後は簡単にまとめます。

 8月1日の会見でのトピック。
 前日にα線核種(プルトニウム、ウランなど)について気になる情報を頂きました。ちなみに、ソースはまだ明かせないのですが、東大の児玉教授と同じだと思います。

 文科省の坪井審議官に今までのα線核種についての土壌モニタリングをお聞きしたら、3回しかしてないんだよね。「しかも検出されず」と「検出されたものは過去の大気核実験由来のプルトニウム」という見解。

 プルトニウムの土壌サンプリングは1ヶ月くらいはかかるはずなのに、3月22、23日の試料が4月1日に報告資料になってるのも不思議だよね? 簡易検査だったのかしらね?

 そして、重要なのは、WBCではα線核種の検出はできないのです! ちょっとこれから気になる重要トピックになるかもしれません。

 そして、この土壌サンプリングでも食品サンプリングでも気になることなんだけど、試料を360度全方向から測定するか、1方向から測定するか、でだいぶ線量が変わるんだよね。正確に測定するにはもちろん全方向から測定しないといけません。そうでないと、その試料の全ての放射線を測定したことにならないから。けど、簡易検査の場合は1方向しか測らない。そうすると、かなり過小評価されてしまうのです。

 今までの、そしてこれからの土壌や食品の放射線の測定はどうやって行なわれてるんでしょうね? これも今、質問していて回答待ちです。

 あともう1点気になる情報も。汚染豚について。豚は牛よりも飼料による放射性物質の移行係数が高かったはず。で、熊本で見つかった1万頭の汚染豚が福島産かも、というニュースがあったでしょ? それらは配合飼料、ということだったけど、豚は産廃野菜くずを飼料にする場合が多い、という情報を聞いたのです。

 それを踏まえた上で、福島の、関東の汚染野菜はどうやって廃棄されたのでしょうか? 燃やしても汚染物質ですよね? どういうふうに処分されたかを園田政務官に質問して回答待ちです。

 あと、この日、環境放射能水準調査結果(月間降下物)という資料も出ました。

 …栃木県や茨城県、高くない? いや東京もなかなかのものだけど。宮城が、3月はまだわかるとして、4月も震災被害で計測不能なんだよね、おかしくない? そして右上の単位を見て愕然とするのです。
 MBq/km2か…え? メガベクレル!? メガって10の6乗だよね?
 140000MBqということは、140000000000Bqです。1400億Bqね。あーめんどくさ。

 チェルノブイリの避難基準はセシウム換算で500kBq/m2ということは前回お伝えしましたよね? MBq/km2=Bq/m2だけど、全ての降下物を考慮すると、栃木や茨城ってチェルノの避難基準にせまらない? と文科省の坪井審議官にお聞きしてみました。

坪井審議官「前から土壌の表面密度との避難の関係については日本の場合は空間線量率で基準を決めてきているという状況に有りますので、計画的避難区域などについては、年間20mSVが避難基準になっている状況でございます。」

(訳:日本は20mSVなの、チェルノのことはいいの)

マコ「空間線量率だと、呼吸による吸入被曝、内部被曝はあまり考慮されないと思いますが、それは無視して空間線量率、外部被曝、μSV/hだけで、避難基準は考慮していいというお考えなのでしょうか」

(実際の会見ではこんな口調なのですわよ)

坪井審議官「4月、原子力安全委員会が計画的避難区域の場合はコンセプトという事で政府対策本部の質問に対する答えが有った時に、外部線量で基準を決めて避難する区域を決めるという事を4月時点で決められていた事だと理解しています」

(訳:安委が4月に決めたんだよ)

マコ「それはこれからも変わる可能性はないという認識で宜しいでしょうか。4月に外部被曝のみで避難基準を決めたままこれからずっと行くという事なんでしょうか」

坪井審議官「先日原子力安全委員会の方で今後の防護の区域の考え方では外部被曝と内部被曝、両方合わせて考える事が必要である趣旨の考え方をまとめられてると思います。今後の解除とかでは両方考えるべきだという事を提言されていると理解しております」

(訳:ほんとは内部被曝も考えないといけないってわかってるって)

マコ「分かりました。この4月の時点で避難基準は外部被曝のみという事で、3月、4月の時に住民がした内部被曝というのはこれから考慮されていくご予定はあるのでしょうか。4月までは外部被曝のみという事で内部被曝を考慮しないという可能性はないのでしょうか。どなたか、お答え出来る方にお願いいたします」

ここでスクっと立ち上がる加藤審議官「実際問題としてどのくらい被曝をされていたかというのは出来るだけ明らかにされるべきで、そういう意味で我々としても県で行っている健康調査での内部被曝の調査には非常に関心を持っているところであります」

マコ「わかりました。すみません、県の被曝調査になるともう堂々巡りになるので。ありがとうございました」

 県の検討委員会は内部被曝の過去推計をちっともしないのさ! そして、国はそれを不思議がってるだけ。アホか!

 というわけで、ヨウ素被曝の過去推計について、ちっとも回答が出ないので、共同会見に県の検討委員会を呼べ!というのを細野大臣に上品に丁寧にお願いいたしました。

 山下教授や検討委員会メンバー(第11回に調べたメンバーを書いてありますのよ)がいらしてくださるといいな、そして細野大臣は原発推進の経産省の中に原発監視する保安院があるのはおかしいって言ってらしたでしょ? 県民の被曝調査の予算782億を経産省が出すっておかしくない? というのを熱くかわいく言いましたら、「わかりました、検討します!」とのこと。

 細野大臣、ほんとにお願いいたしますわよー!!

 最後にこの月間降下物の資料に参考として昨年のものも付いていました。

 そこを熟読してたケンパル、「なんで石川県と秋田県が高いの?」。

 あら? 島根や福井は原発があるけど、秋田や石川は無いよね、どうして? 安全委員会の加藤審議官にお聞きしたら、「3月など冬の日本海側は雪によって大気圏内のセシウムが落ちてくることが多い」とのこと。えーそうなの、毎年そうだったの? でもそのわりに山形は不検出ですよ? 「そのあたりはまだ説明がついていません」
 そうですか… けど、チェルノブイリや過去の原爆水爆実験による放射性物質がまだまだ残っていて、こんなに落ちてくるとはね、知らなかった。そしてきちんと知らないといけなかったな!

(追記… 実際には石川県には停止中の「志賀原発」があるのだそう。不勉強でスミマセン。ご指摘ありがとう存じます)

 そしてこの日の質疑応答が全て終わった後の東京電力のプラント状況報告にさらっと、ほんとにさらっと! 「10SV/hの地点が見つかりました」とおっしゃいました。

 10シーベルト〜!? 思わず顔を見合わせる私たち。ちなみに、2Sv の放射線を全身に浴びると5%の人が死亡し、4Sv で50%、7Sv で99%の人が死亡するそうでーす。わー即死ポイントが出現。その上恐ろしいことに、機械が10SV/hまでしか測れないので、10SV/h以上あるそうです。なんつーことを最後におっしゃるのさ!

 というわけで、いったん終わりかけた会見が、またもや質問がたくさん出て、10SV/hポイントで持ちきり。

 ま、この情報はいろんな媒体で出るでしょうから割愛します。ちから尽きたのが本音。

***

 この「脱ってみる?」は毎週、1つのトピックだけにしようかと最初は考えてたのですが、やめました。できるだけ書きます。今回は会見資料もできるだけ付けて、臨場感! を出してみました、なんちて。

 ところで先日、大阪の仲良しの噺家の師匠にいろいろお話したとき「君の考えてることは一人の人間の生きてるうちにはムリや、どうせ60、70年くらいしか生きられへんのやから、われわれ庶民は難しいこと考えんと日々の楽しさを追って暮してたらええんや」と言われしょんぼりしました。

 けっこうポンポンと言い合える仲なので(どんな仲!?)食い下がったのですが

「長いもんにはまかれといたらええ」
「難しいことは他のもんにまかせたらええ」

 とのことで、もうやめとき、とケンパルに横からつつかれました。でも、そこで思いついたんだけど、一人の生きてる人間の60年でムリなら、同じ時期、同じこと考えてる1000人がいたら60000年効果ねぇ? だったら一瞬ですむ♪

 でも、次の日悔しくて泣いたことがありました。

 飯舘の仲良しは、おそらく自分でものすごい内部被曝してるだろーなーと言っていて(50〜100μSV/hのところでマスクせず何日もいましたから)、でも、何が何でも長生きするけどね! と笑っていて。けど、彼自身、水面下でもこういう動きをすることで自分の仕事のクビもかかっていて、クビにされても、みんなの命のことだからしょうがない、と考えていて。

 内部被曝してる飯舘の仲良しが、仕事をクビになる不安までかかえて何でこんなに頑張らないといけないんだろう? と考えると涙が出たのです。文科省に交渉にいく福島のお母さまがたにしても、本当は心も体もとても傷ついてるはずなのに、なんで当事者が頑張らないといけないんでしょうね?

 全国のお母さまがたが、そしてその他のみなさまが、福島のお母さまがたの代わりに激怒したら福島のお母さまがたを守れるのに! がんばって、の代わりに私ががんばるから、少し休みな? と言いたいものです。

 傷ついてる方のために元気な方が激怒する国になったら、国ももう少し国民のことをナメないでしょう。突然しみじみとそう思いました。

 放射性物質でなく、熱い人たちの動くパワーこそ、6.0×10の18乗で。(適当)

【今週の針金】
10SV/hが出てきたのにはびっくりですねん!!
目には見えない放射線。今年の夏は怖いですねん!

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「いま傷ついてる人のために、元気な人が怒る」こと。
それは決して「他人事」ではなくて、思いっきり「自分事」でもあるはず。
これ以上「ナメられない」ために、
それぞれが自分のやり方で怒ろう、動こう!

マコさん、ケンさんへの「ご祝儀口座」はこちら
http://oshidori-mako.laff.jp/blog/2011/07/post-ad67.html

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おしどりプロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。

ブログ:
 http://oshidori.laff.jp/
twitter:
 マコ:@makomelo
 ケン:@oshidori_ken
その他、news logでもコラムを連載中。

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