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2012-12-12up

松本哉ののびのび大作戦

第69回:謎の外人作戦続報&またイカサマ選挙が始まった!

 11月10日に行われてしまった、大バカなゲリライベント「NO NUKES NO BORDER RIOT」は、相当とんでもなかった。いや、本当に最高だった。原宿、新宿、新大久保と、神出鬼没に現れて大パーティーの連続。
 夕方にはこの世紀の野外ゲリライベントも終了したわけだが、ここからがまたよかった。夕方からは、高円寺の「マーブル」というカフェのライブスペースにてアフターパーティ! 別の高円寺のバンドも加わり、これまた狂乱のライブイベントが行われ、出演者、観客ともに、誰がどこの国から来てるのかサッパリわからないぐらいのバカ騒ぎで、「NO BORDER」なんてわざわざ言うまでもない感じ!
 そのライブイベントも夜の11時頃には終了。で、その後は普通の流れで打ち上げに。で、この打ち上げがまたかなりよかった。やはり各国から10人近くが来てるだけあって、最初はそれぞれ言葉が通じる者同士で集まって飲み始める。が、飲みまくったり食べまくったりしてるうちに、これまたゴチャマゼに。う〜ん、やはりバカは国境を越える! 大マヌケな奴らに言葉など要るはずもなく、数十人の国籍不明の奴らが意味不明の大騒ぎになって、みんなやたらと仲良くなってしまっている! これはすごい!

国籍不明飲み会。なんとかBARにて

 飲んだくれて来ると、韓国の連中と台湾の連中が、「どっちがダメ人間か」とか「下ねたのヒドさ」とか「悪口のレベルの高さ」とかで、メチャクチャくだらない競争で盛り上がり始める。さらには、台湾の連中などは相当マヌケで、「ちょっと高円寺の街を散歩して来る!」と、数人で出かけて行ったのはいいが、「マッサージいかがですか〜?」という中国人女性の客引きにまんまと引っかかった! しかも、お互い相手が日本人だと思ってカタコトの日本語や英語で会話して、そのまま付いて行ってしまった。うーん、マヌケすぎる!! 中国語通じるのに!
 ま、そんな感じで、打ち上げもムチャクチャなまま続き、夜も更けて行った。
 ちなみに、今回のイベントに海外から招待する時「今回は路上ゲリライベントやるよ〜」と、声をかけまくったんだが、みんな最初「俺たち捕まっても大丈夫だよ! 別に日本に来れなくなっても大丈夫だからねー」と、ケロっとしていた。そう。最初はみんな日本にはそこまで愛着はなかったのだ。だが! この大バカなイベントや、その後の飲み会を通じてやたら日本にも愛着は湧いて来たのか「いや〜、日本最高だね〜」と、満足げに帰って行った。いや、よかったよかった。「NO BORDER」、身近な所では一瞬で成功だねー。

国際基準の飲み会の音量レベルは、明らかに日本より上。いつもは「もうちょっと静かめでお願いしまーす」とお願いするところだけど、この日は日本のレベルの高さを知らしめるためにグッとガマン。そうしたらこの有様! 翌日、向かいのおばちゃんにこっぴどく叱られました

 あ、一応言っとくけど、この「日本最高」の「日本」って、当然ながら政府のことでも国家システムのことでもない。もうちょっと漠然として、訳の分からない有象無象なんかもひっくるめたもの。日本で遊びまくって野田首相が好きになる訳がない。縁もゆかりもない。
 逆もそうで、台湾に行ったり韓国に行ったりして、友達と飲みまくったり、遊びに行ったりするといつも「いや〜、メチャクチャいいね〜!!」と、大満足して帰って来るが、政府などは知ったこっちゃない。韓国の李明博大統領は弱者を切り捨てまくる強硬派で、橋下とか石原にそっくりでロクでもないし、台湾政府も最近やたら中国にすり寄って台湾のローカルな生活など何も考えてないし、東アジア圏、どこを見ても政府はカスばっかり。しかし! どこへ遊びに行っても、やたら楽しいし最高なのだ。要はどこの世界も二極化していて、つまんない政府がのさばってる一方で、楽しい大バカ達もウロウロしてたりする。
 よーし、こうなったら世界レベルの大バカな奴らの輪を広げて、勝手なことをやりまくってる方が、よっぽど手っ取り早いね! この完全につまらない世の中を根本から変えるのはやたら大変なことだけど、一瞬でも勝手にやらかして実現してしまうことは超カンタン! ってことで、長期戦を構えていろいろ頑張るのもいいけど、みんなが勝手に面白いことをやってたら、気づいたら世の中って変わって行くもんだろう。関係ない話だけど、街づくりも同じで、やれ再開発だとか地域活性化計画だとか練ってもなかなか進まないけど、マヌケな商売人たちがとんでもないスペースを続々とオープンしまくって行けば、街の景色など一瞬で変わってしまう。ま、世の中もどうせそんな感じでしょ。

ゴキゲンすぎて、帰国当日の成田空港へ向かう電車内でもおおはしゃぎ。ちなみにモロ通勤時間帯

 と、勝手なことをやることの手っ取り早さと重要性を再確認していると・・・。一方、日本の政治の世界では、最も遠回りな民主主義プロセスである選挙モードに突入している。選挙ってのは一応、民主主義の象徴みたいな扱いを受けており、気づいたら「選挙=すばらしい」ってことになってるが、ホントにそうなのかね・・・? 下手したら、「デモも、署名活動も、役所に怒鳴り来んでみることも、飲み屋でのオッサンの政治話も、全部意味がなくて、私たちには選挙がある。選挙に行けばいい」という、選挙教みたいになってる人までいる。しかし、どうも選挙ってウサンくさくてしょうがない。そもそも、どいつもこいつも選挙になると漠然としたいいことを言い始める。政治の循環はだいたい次のような感じ。「景気回復!」or「いまこそ改革!」→当選→ロクでもない政治(増税・金持ち優遇・ワイロなど)→評判落ちる→選挙→「景気回復!」「改革!」→当選→悪政・・・。アホか! 茶番じゃねえか! で、挙げ句の果てには選挙制度まで勝手にいじる。ひと昔前は「少数意見も一応聞いておかないと」ってことだったけど、ひと昔前に「いちいちしゃらくさい少数意見と議論するなんて面倒だ!」ってことになり、おエライさん達の間で「ここはやはり二大政党制にしよう」ってことになってきている。で、選挙制度を変更してデカい二つの党が残るような小選挙区制のシステムになる。こら! なんで先に想定される体制があって、後から制度が決まってるんだ。普通逆じゃねえか! う〜ん、これ完全にイカサマだね! 
 ところが!!!! さらに図々しいことに、これで選ばれた奴らがずいぶんと幅を利かせるので、これまた頭に来る。本当だったら、選挙制度を都合のいいように変えたりした瞬間に選挙のボイコット運動とかが巻き起こって、そのインチキ選挙を無効にするぐらいが世の常だけど、なかなかそうもいってない。とうわけで、しょうがねえ、毎回渋々投票に行っている(これがいけないのかな?)。
 と、「あー、また選挙か。しょうがねえなー。また、民主・自民・維新以外にでも入れに行こうかな〜」ぐらいに漠然と思っていると、なんと、突如、あの俳優の山本太郎氏が立候補するという! おおー、すごいすごい。いいねー、またやらかしてるね〜、などと思っていたら、なんと東京8区から出るという。あれ、それって杉並区・・・。ギャー、ウチの地域じゃねえか! なんだなんだ!? ってわけで、山本太郎氏の出馬宣言の会見の様子を見てみたら、これまたすごい。本当のことを言いまくり!!!!! う〜ん、なるほど。「たったひとり議員になったところで変わらないでしょ」と思う前に、こういう選挙の出方ってのもあるのね。完全に正面戦って感じで気持ちがよくて景気がいいね!!
 そんなことで、興味ないながらも、巷はにわかに選挙の雰囲気がして来たので、せっかくだから政党の採点表でもおまけにつけてみよう! あ、完全に主観に基づくいいかげんなものなので、何の参考にもならないので、あしからず!!

【党名】(点数:100点満点)

【民主党】(0点)

巨大ノンポリ党。バラバラの寄せ集めだから、結局何がしたいのかわからないので、全然ダメ。最大の欠点は面白くも何ともないこと。いまやあるだけ迷惑な党。

【自民党】(0点)

大企業やら大金持ちやらの代弁者の党。基本的に資本家優遇で庶民の敵の発想で政治をやってる。が! 民主党と違って、街に根付くのがうまいので、庶民の敵なのに庶民に情で投票してもらってるということを確信犯でやってるから、悪の権化ような党。たまに無法者っぽい奴が登場したり、金のことしか考えてなさそうなドス黒い雰囲気の政治家がいたりするのも典型的すぎて最高に面白い。0点。あ、厳密には資本家でも権力者でもないのに自民党に投票しちゃう人が0点。

【公明党】(0点)

言わずと知れた宗教色満載の所。支持者に貧乏人層も多く、ボロボロの市営住宅などで共産党あたりと激しい勢力争いを繰り広げているところは好感度アップだが、選挙が近くなると店に不審な常連客が急増し、100円ぐらいのモノを買って「このお店、本当にいい店ですね〜」などと連日のように褒め始め、最後に「ところで今度選挙が・・・」などと言い出すあたりが見え透いてて×。貧乏人に支持層を拡大してるくせに自民党と組んで貧乏人を裏切るところも×。ただ、町の中の支持者には、助け合いの精神もあるし、意外とものすごいいい人がたくさんいたりする。0点。

【社民党】(1点)

庶民の味方という感じのところは好評価。自民や民主みたいな金持ち代表者党にすぐ楯突くところも○! いい部分はいい加減なところ。つじつまあってなかったり、大まかな方向は同じでも人によって言ってることが違ったり、よく内部で揉めてたりするところは、ハタから見てると好感度アップ。悪い部分はいい加減なところ。地方の選挙なんかで、面倒くさくなったのか、よく自民党あたりと相乗りで候補者に推薦したりしてるのを見ると幻滅することも多々ある。また、いいことを言おうとして万人受けを狙いがちで、それが逆にショボく感じるところも難あり。もっと開き直って「コラー! いい加減にしろ!」的なテンションになったら2点に上昇する可能性もあり(失敗したら0.5点へ降格のリスクあり)。

【共産党】(1点)

名前がすでに頑固オヤジ。でも、その名からして貧乏人の党ってところは◎。社民党同様、すぐ文句言いだすところも○! ただ、つい最近まで0点だった。やたら組織張っており、全員同じことを言うし、選挙のときに候補者の口調がみんなそっくりなところが好感度ゼロ。万が一、共産党が革命に成功してしまったら、その辺をウロついてるメチャクチャなことやってる奴らは、逮捕か強制収容所送りは免れないのではと、最近までビクビクしていた。が、脱原発運動などで近所の共産党の人と接するようになると、明け方までベロンベロンになって飲んだくれ、いきなり歌い出して警察呼ばれたりする区議がいたりして、ダメ人間ぶりを全開にしてる奴らが意外に多く、最近1点ポイントアップ。よく、街の潰れかけた廃屋に「日本共産党」というポスターが貼ってあったりするのは説得力がありすぎるので○。

【維新】(0点)

キモチわるいから0点。言い出すことがいちいちせせこましい。ダメな大人の典型。

【未来の党】(0.2点)

脱原発とか、TPPよくないとか、増税よくないとか、庶民に不利になることに反対してるのはいい。ただ、にわかに集結した庶民の味方風の党は、いきなり裏切った民主党で懲りてるので、まだ要注意。ただ、小沢一郎の腹黒いうさんくささ満点の満面の笑みが面白いので0.2点。

【緑の党】(1点)

「脱成長」つまり「ま、頑張りすぎずに、ボチボチ行っときましょう」という、画期的なテーマを前面に出してるところが○。猪突猛進型の団塊ヘルメット突入型のスタイルとは一線を画している。満を持して結党したにもかかわらず、誰からも相手にされてないところが同情の余地あり。

【その他雑党】(不明)

よく知らない。

【スケジュール】

12月15日(土)
高円寺・反原発集会(数万人規模)
高円寺駅前広場にて夕方より。
※これは絶対行った方がいい!!!!!
17:00スタート!
出演:三宅洋平、DELI、DABO、難波章浩、沖野修也、TEX&SUNFLOWERSEED 他(死ぬほどいろんな人が出ます)
※会場の北口一帯が人で埋まった場合は南口へ。

12月23日(日)
原発アブねえ! 
超巨大・福島支援RIOT(10万人規模)

新宿駅東口一帯にて。
メインステージはアルタ前広場特設ステージ
午後から開始!!!!!!!!
パンクロッカー労働組合、ジンタらムータ、松本哉ほか

北中通り商店街
超巨大もちつき大会(10人規模)

北中通り「薮そば」前の路上にて昼頃から開催!

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そんなわけで、松本さんの「採点表」、
参考になったでしょうか(本人がならないと言ってますが)。
いろんなことが勝手に決められるのも腹が立つので、
とりあえず選挙には行きつつも、
それだけで満足しちゃうんじゃなく、
いろいろ日常でも「面白いこと」やらかしちゃう。
頼りにならない政府に対抗するには、そんな感じがよさそうです。

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松本哉さんプロフィール

まつもと・はじめ「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ

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