戻る<<

松本哉ののびのび大作戦:バックナンバーへ

松本哉ののびのび大作戦

100428up

これまで「高円寺一揆」や、「クリスマス粉砕デモ」など、
数々の脱力系にして最強の「運動」を繰り広げてきたカリスマ店主、松本哉のコラム連載です。
高円寺から世界へ「のびのび大作戦」、日本のみならず世界各地でも増殖中!
翻訳ツールもつけました。

まつもと・はじめ 「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ

『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)

※アマゾンにリンクしてます。

第26回:阿佐ヶ谷ディナーショウ

 最近、どうもこの連載、やたらと路上騒動のことを書きまくっているような気がするが…、なんと今回もまたひと騒動の話。
 以前、仲のいいバンド、ジェロニモレーベルと、長野にある小市リサイクルセンター(以前も紹介したことがあるとんでもないリサイクル屋)でイベントをやったことがある。このときに、ふと思いついて盛り上がったのがなぜかディナーショー!
 で、さっそく、阿佐ヶ谷にあるトークライブハウス「Asagaya LOFT/A」の場所をおさえた。さらに、どうせやるならと、高円寺から阿佐ヶ谷までオープニングアクトとしてデモをやってしまおうっていうことになった。

いつも通りのコースで、駅前へ

 さて、まずはデモ。「本当は広場でイベントをやりたいのに、路上が厳しすぎるので場所代のかかるところでイベントをやらなきゃいけない!」ってことで、今回のデモは「杉並区の路上監視員の廃止要求デモ」。この連載でも一度書いたことがあるが、高円寺の駅前で何か人がたまると、路上監視員が解散させにくる。いつも言ってることだが、これじゃ何も生まれない。それに、行政側がこういう発想だから、コミュニケーションが苦手な人が増えたり、ひきこもったり、無謀な暴れ方をしたりってことになるんだよ、まったく。おい、杉並区長の山田! オマエ、くだらない新党なんか作ってる場合か! 駅前広場をどうにかしろ!!
 まあ、そんなデモをやろうかと思っていたところ、イベントの数日前になって急に意外な申し出があった。つい最近、話題になった、キャバ嬢らの労組=キャバクラユニオンが一枚噛ませてくれとうちの店にやってきたのだ。話を聞いてみると、いま高円寺で争議が起こってるとのことで、これがまたとんでもない。最初の話では何も聞いてなかった罰金だの減給だのが突如出現して、その当事者の子は最後の月の給料は、時給にして65円だったという! で、経営者側は、挙句の果てに開き直って交渉を拒否し始め、争議状態になったという。う~ん、こりゃ確かにヒドイね! よし、近所とあらば一肌脱ごう! やはりデモは頻繁にやるもんだね。
 ってことで、今回のデモのスローガンは「①駅前の路上監視員の廃止、②キャバクラ“club DUO”は正当な賃金を払え③ディナーショーを盛り上げる」の3本柱! なんだこりゃ。いよいよ、よくわからなくなってきたが、高円寺を出発して、軽く悪を滅ぼしてから阿佐ヶ谷でディナーショーってのもなかなかいいもんかな…。ちなみに、主催は、最近の高円寺デモを毎回主催している強力な新勢力「パンクロッカー労働組合」!

デモがスタート! 相変わらずのマヌケ軍団だ

 さて、当日! まずはデモから。いつものように高円寺中央公園に集まり、パンクロッカー、キャバ嬢、ヒマ人などなど…、相変わらず謎の顔ぶれでデモは出発! 今回はデモ先導のトラックにはバンドは載せずに、店の倉庫からひっぱり出してきた機材を積んで、ひたすらDJのみ。音楽をまきちらしながら、駅前広場では監視員廃止を訴え、南口の“club DUO”付近では、「賃金をよこせ!」と文句を言い、その辺のヒマ人を巻き込みつつ阿佐ヶ谷方面へ!

 到着後、さっそく「Asagaya LOFT/A」でディナーショー開催!!
 今回は貧乏人ディナーショーということで、事前に仕込んでいた大量のもやし炒めや、アワやヒエの入ったご飯に、長野から持ってきた“おやき”など、貧民食のディナー。そして、出演バンドの人たちもかなりいいライブをやってくれたし、そのバンドの間のトークショーも、フランスや台湾など、外国から来てる人のトークや、おやきを持ってきた長野勢のトーク、キャバクラユニオンの怒りの叫びなど、とても充実したディナーショーが行われた。

ディナーショーとして、一番盛り上がってきた時間帯。いやいや、この時は楽しかった。このあと、あのような大惨事が待っているとは…

 …かに見えたんだが、そのまま終わらないのが、素人の乱イベントの恐ろしいところ。最後にひと波乱!! 
 みんなが楽しく食事をしながら、お酒を飲み、いい気分で盛り上がってきた、そのとき! 突然、最後の出演バンド=パンクロッカー労働組合が登場。で、この連中、何を思ったのか、それとも本当に大バカ者なのか、突如ライブ中に暴れだし、テーブルひっくり返すわ、椅子は砕け散るわの大パニック! バカ! トークライブハウスで暴れる奴がどこにいる! こうなっては客席も大騒動! みんな酒をかぶったり、逃げまどったりの、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図! これはヒドイ! ディナーショーで最後にパンクロッカーが出てきて、みんな逃げまどうって、もはやコントの世界だ!
 当然ながら、普段は温厚なLOFTの店長も、この時ばかりは大激怒。「殺すぞ!」と叫びながらステージ上のライブ中のバンドに掴みかかる! 客席から物を投げる奴もいる! いや~、すごいショーになってきたな、こりゃ。

 さて、ライブ後は、バンドのバカども共々、自分も主催者なので一緒に、店長に平謝りに謝って、破壊したものをキッチリ耳をそろえて弁償して帰ってきた。

店長「今日はギャラないよ!」
バカ全員「ごもっともです」

まったく、みっともない!!

 せっかくなので、すこし余談も。
 そのディナーショーの翌週、友達が企画したイベント「LIVE UNDER THE BRIDGE」というイベントがあったので行って来た。高円寺からさらに西へずーっと行った、日野あたりの多摩川の土手でやったライブイベント。フランスのバンドも2組も来ていたりと、なかなか規模の大きなイベントだった。これがものすごくいいライブだったんだが、それはまたいずれどこかで紹介するとして、この場所もとてもよかった。もちろん、川でやるので、変な許可や使用料なんかもなく自由な空間。いいね、こういうところは! なんとかフェスみたいな感じ。

 高円寺は、田舎だ田舎だと思っていても、なんだかんだいってやはり都会。駅前広場では人が集まるだけでゴチャゴチャうるさい監視員もいるし(天安門広場かよ!)、ライブハウスなどでは当然、採算を考えなきゃいけないから大変。ましてや暴れるバンドなんか出たら怒るのも無理はない。その一方で、「LIVE UNDER THE BRIDGE」や「なんとかフェス」のような自由な空間もたくさんある。
 う~ん、とりあえず、みんながいろんな場所づくりを試みていくことが重要だね!

大惨事のライブ後、とりあえず乾杯してごまかしてみる。果たして次の出演はあるのだろうか…
【スケジュール】

・4月29日(木)
『TOKYOなんとか』PARTY
「LIVE UNDER THE BRIDGE」の報告&「なんとかフェス2010」作戦&5・1高円寺メーデーの告知&インターネットラジオ公開放送、などなど…。
Cafe★Lavanderia 19:00スタート!
新宿区新宿2−12−9 広洋舎ビル1F
迷ったらTEL! 03-3341-4845

・5月1日(土)
高円寺メーデー(超大規模デモ)
主催:素人の乱&パンクロッカー労働組合
出演バンド:PPP/デラシネ/NAGOMI/パンクロッカー労働組合/どついたるねん/かっちゃん/素人の乱静岡店(from仙台)
ほか
参加:キャバクラユニオン
東高円寺・蚕糸の森公園18:00集合

・5月9日(日)
世紀の作戦会議!「霞が関かゲリラ戦か」
湯浅誠×松本哉×二木信
Asagaya LOFT/A にて
→詳細はこちら

←前へ次へ→

なんだかとんでもないことになっていた「ディナーショー」。
破壊行為はもちろんよろしくない、のですが、
いろんなスタイルの「自由な場」が増えてくれば、
もっと面白い世の中になるのは間違いなさそう。
ご意見・ご感想をお寄せください。

ご意見フォームへ

ご意見募集

マガジン9条