お 役 だ ち ブ ッ ク ス |
『姜尚中の政治学入門』姜尚中(集英社新書)
『マガジン9条』発起人の一人でもある姜尚中さんの新著。この本は、7つのキーワード「アメリカ」「暴力」「主権」「憲法」「戦後民主主義」「歴史認識」「東北アジア」で、現在の日本を読み解く、政治学入門のカタチをとった現代日本論です。この7つのキーワードは、一つのストーリーへの問いに即して取り上げられたものであり、その問いとは「戦後の日本が、“アメリカ”に軸足をおきつつも、もう一つの軸足を“東北アジア”あるいは東アジアに置くことができるのか、否か?」。日本のこれから進むべき道を考えるガイドラインとして必読の一冊。 | |
『護憲派のための軍事入門』山田朗(花伝社)
護憲派にはとかく「軍事のこと」については敬遠しがちですが、9条改憲論議には軍事にまつわる正しい知識や理解も必須です。ということでこれは平和を求めるための「軍事入門書」です。現在の自衛隊の実態と、海外の軍事情勢について、わかりやすく解説されています。自衛隊の所持する大型艦隊の写真をはじめ、現代軍事の基礎知識や戦争と軍事を知るための用語集なども充実。
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『茶色の朝』(大月書店)
フランスの統一地方選挙で極右政党が台頭してきた1998年に出版されて、極右への反対運動の盛り上がりに一役買い、一国の政治を揺るがすことになったベストセラー寓話。ファシズム批判の内容であるが、声高な告発や糾弾の調子はない。語り手の「俺」とその友人の生活に起こった変化が、たんたんとした筆致でつづられているがゆえ、かえってファシズムの恐ろしさが行間から滲み出ている。解説で「思考停止をやめること、考え続けること」を訴える高橋哲哉氏の文章は必見。
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『高校生からわかる日本国憲法の論点』
(トランスビュー) 「憲法の根本的な意義・役割とは何か。それは“権力に歯止めをかける”ということです」と明快に解く著者の伊藤真氏は、司法試験界のカリスマ塾長。こういった憲法学の最低限の常識も踏まえずに、政治家は改憲論議をかまびすしく行っているが、実は小学校でも中学校でも高校でも憲法の本質は教えられていない。この本は「高校生からわかる」という題名どおりに分かりやすさもウリだが、憲法のさまざまな論点をほぼ網羅しているので、大人にとっても手元において便利な一冊だ。
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『憲法を変えて戦争へ行こう という世の中にしないための18人の発言』 (岩波ブックレットNo.657)
「どの国も軍隊を持っているでしょ?」というような、憲法を変えたい派の意見に対して、マガ9でもおなじみの香山リカさん、姜尚中さん、森永卓郎さん、木村裕一さん、ピーコさんをはじめ、美輪明宏さん、吉永小百合さん、辛酸なめ子さんといった芸能人、文化人、企業人18人が、「なるほど」と腑に落ちる、しみじみ納得させられる自論を展開している。世代も生き方もさまざまながら、9条を大切に思うことにかけては見事に一致していて、心強い一冊。 |
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『「9条」変えるか変えないか 憲法改正・国民投票のルールブック』今井一編(現代人文社)
「9条改憲」の是非を問う国民投票は、すでに政治的日程として組み込まれつつある。 憲法改正の是非を決める国民投票は、最も重要な主権行使の機会。どんなルールにするかはみんなで考え、私たち主権者の意志が正確に反映されるようにしたいもの。この本には、'05年3月に行われた、国民投票に関する公開討論会の詳細や、マンガによる国民投票シミュレーションなどがわかりやすくまとめられている。 |
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『映画 日本国憲法読本』(フォイル)
ジャン・ユンカーマン監督による映画『映画 日本国憲法』の採録シナリオとインタビューの全文が掲載されている。ジョン・ダワー、ノーム・チョムスキー、ベアテ・シロタ・ゴードンら6名の国内外の知識人が「日本国憲法」について語っている。憲法のドラマチックな成り立ちの経緯を知ると共に、9条をどう考えるのかについて、彼らの言葉から学ぶことは大きい。映画と併せて読みたい1冊。 |
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