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まつざき・きくや 戯作者 1953年、大分県別府市生まれ。劇団民芸の演出家を経て、88年、社会風刺コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に参加。99年独立。現在、風刺コントの台本を書きつつ政治風刺ライブを展開中。TBSラジオ荒川強啓デイキャッチ・毎週月曜日の名物コーナー「あの人の独り言」で、権力者になりすます爆笑一人芝居を生放送中。『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでコラムを執筆。著書に『一瞬の沈黙』『巷は勘違いに満ちている』『男が捨てられた夜』(いずれも三五館)、『コメディアン』(実業之日本社)、『松崎菊也のひとり天誅!』(毎日新聞社)など。
政府は、手遅れにならないうちに必死に社会保険庁の「改革」なるものを打ち出したいらしい。打ち出したテコ入れが、どれもあまりに大雑把で、選挙目当ての場当たりでしかないので笑ってしまう。
民間から前内閣に乞われて社会保険庁の長官になった村瀬清司が、記者会見を開いて言ったことは次のうちのどれか? 正解は1つ。
矢継ぎ早に「こんだけやったんだから許してください」を総理以下、自主的な反省を連発するが、てんでなってない。正解は3番(6月25日の記者会見にて)。
この長官「あの~~~、申し訳ないんだけども、ボーナスを返すと自分から言い出してくれないかな~」と役人に言う前に記者会見で先に発表しちゃったのだ。バカ丸出しである。民間出身の経営者なら2の発言が当然だろうが、この一言が言えなかった。どうしようもない役所のずぶずぶ馴れ合い体質がトップの発表から漏れ出した。「自主返納という形のボーナスカット」ってなんだ? 自分から頭を丸めたように見せかけて、実は上からの指示である。
トップがビシリと、「ボーナス? とんでもねえよ、おととい来やがれ!」とタンカのひとつも切れないで、なにが社会保険庁改革だ。
どっかのずぶずぶ馴れ合いプロ野球球団が監督以下選手全員を南の島に集めて、朝の散歩から上がメニューを決めて、当たり前のように毎年やってる、あの「合同自主トレ」のほうがまだ清潔!(自主的の意味を無視する点は似ているのだが)
「あのねえ校長先生? 校長先生が命令したのに、生徒が自主的にやったことって言っちゃったら、校長先生の責任はどうなりますかぁ?」子どもでも分かるこの矛盾。そういうことで「反省してます」だなんて、反省してないこと丸見えじゃねえか。総理以下、このさい全員「自主的に」辞めちゃえよ。
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