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まつざき・きくや 戯作者 1953年、大分県別府市生まれ。劇団民芸の演出家を経て、88年、社会風刺コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に参加。99年独立。現在、風刺コントの台本を書きつつ政治風刺ライブを展開中。TBSラジオ荒川強啓デイキャッチ・毎週月曜日の名物コーナー「あの人の独り言」で、権力者になりすます爆笑一人芝居を生放送中。『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでコラムを執筆。著書に『一瞬の沈黙』『巷は勘違いに満ちている』『男が捨てられた夜』(いずれも三五館)、『コメディアン』(実業之日本社)、『松崎菊也のひとり天誅!』(毎日新聞社)など。
共産圏に対しての武器輸出。 国連決議で武器の輸出が禁じられている国への輸出。 紛争当事国となるおそれのある国への武器輸出。 以上、3つの条件に当てはまる国や地域へは、武器を輸出しないという原 則。
さて、原則とは建前であって、法的な拘束力はもともと無い。憲法で平和国家を高らかに宣言したてまえ、戦争に結びつく武器をこの3つの条件に当てはまる国へは輸出しない、という、あくまで建前である。
だから政治家として、それも防衛省の最高責任者としてならば、堂々と発言できるわけである。以下、久間防衛大臣は「武器輸出3原則」の見直しの根拠をどう言ったか? 例によって正解はひとつだけ。他はわたくしの妄想である。
正解は1番(5月4日産経新聞)。
2、3番ともに本音であろう。特に3番は現場のトップがもっとも言いたいことではなかろうか。 憲法記念日にぶつけて、「もっと武器を輸出せよ」と発言する現職防衛大臣がいる。一方、虚仮の一念で憲法前文に「和」や「礼節」の精神を書き込もうとする元首相がいる。両方の言い分を混ぜ合わせると、日本の頼りない未来が透けて見える。
「和を尊び」でアメリカと共同してミサイル開発をせよ。家族やご近所に対してではなく、アメリカに対して「礼節」を重んじよ。 分かりやすい符合ではないか。こういう連中が判で捺したように改憲を叫ぶ。そんな中に野党の現職国会議員も混じる。なにが「和を尊び」だ、よせよおまえたち!
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