松崎菊也の笑うニュース・クイズ:バックナンバーへ

松崎菊也の笑うニュース・クイズ:2

070404up

麻生外相は語るよ

まつざき・きくや 戯作者 1953年、大分県別府市生まれ。劇団民芸の演出家を経て、88年、社会風刺コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に参加。99年独立。現在、風刺コントの台本を書きつつ政治風刺ライブを展開中。TBSラジオ荒川強啓デイキャッチ・毎週月曜日の名物コーナー「あの人の独り言」で、権力者になりすます爆笑一人芝居を生放送中。『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでコラムを執筆。著書に『一瞬の沈黙』『巷は勘違いに満ちている』『男が捨てられた夜』(いずれも三五館)、『コメディアン』(実業之日本社)、『松崎菊也のひとり天誅!』(毎日新聞社)など。

韓国済州島で3月31日、日韓外相会談が開かれた。
麻生外相としては、安倍総理就任以来、雪解けムードが進んだので、この際韓国大統領の訪日の地ならしをするためにも、まずはざっくばらんに韓国のリゾート地で、ノーネクタイに気さくに日韓問題について胸襟を開いて語り合おう、という狙いだった。
これに対して韓国の宋外相は硬い表情を崩さなかった。従軍慰安婦問題などの日本政府の歴史認識を念頭に、「日本国内で誤った言動がみられる。日本政府は歴史を直視すべきだ」と語って、対応を求めた。大統領の訪日なんぞもってのほか、という表情である。

−質問−
麻生外相は、日本軍の関与を認めて謝罪した
1993年の河野洋平官房長官(当時)の談話を継承すると
安倍総理が国会答弁したことを紹介して、なんと語ったか?

1の解説は、語尾の「ですってば」にひそむ、政治家麻生太郎の苛立ち。「ま~だ言うかよ」「いいかげんにしてもらいたいね、ま~ったく」のニュアンスが潜む。かろうじて外務省の役人は「ですってば」を訳さなかったので、会談が決裂することはなかった?
2の解説は、「ということです」は「てば」より慇懃ではあるが「てか」「なんてな」「な~んちゃって」と似て、「表向きはね」というニュアンスを持つのであり、リベラル政治家の平身低頭を語尾で全否定したいのだけれども、「ま~た怒るんだもの。前から言ってるでしょうが」と、こちら側の考え方が変らないことを繰り返し、心の底ではベ~ッと舌を出す。際限ない堂々巡りの関係でよしとしている麻生太郎の心根がふきこぼれた?

3の解説は、変化がないのであれば、「旧日本軍による狭義の強制性はなかった」なんて発言するわけはないのであり、河野談話とは違う考えである、と安倍総理は対外的に言明したのである。
「でもね。総理はああ言ってるけど、政府としては軍の関与を認めた河野談話を継承する立場に変りはないですから、ここはひとつ、ご理解を賜りたい」 って、おいおい! そんな立場を理解できるわきゃねえだろが!
 この果てしない2枚、3枚舌を、いけしゃあしゃあと持ち続ける政治家が、ほとんど実感なく、「あの戦争は正しかった!」だの、「いつまで謝れば気が済むんだ!」などといろいろな場で発言し、「二度と戦争をしないために、自衛隊を軍隊にするんだ」という破滅的な発想を生む。おお、いやだ!

正解は3番。韓国済州島で3月31日、日韓外相会談において日本政府の立場を韓国外相に説明(4月1日、毎日新聞朝刊より)  わたくしは、3番がいちばんひどい2枚舌だと考える。みなさん、どう?

石原氏と黒川氏
ご意見フォームへ

ご意見募集

マガジン9条