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雨宮処凛がゆく!

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あまみや・かりん北海道生まれ。愛国パンクバンド「維新赤誠塾」ボーカルなどを経て作家に。自伝『生き地獄天国』(太田出版)のほか、『悪の枢軸を訪ねて』(幻冬舎)、『EXIT』(新潮社)、『すごい生き方』(サンクチュアリ出版)、『バンギャル ア ゴーゴー』(講談社)、『生きさせろ!〜難民化する若者たち〜』(太田出版)など、著書多数。現在は新自由主義の中、生活も職も心も不安定さに晒される人々(プレカリアート)の問題に取り組み、取材、執筆、運動中。非正規雇用を考えるアソシエーション「PAFF」会員、フリーター全般労働組合賛助会員、フリーター問題を考えるNPO「POSSE」会員、心身障害者パフォーマンス集団「こわれ者の祭典」名誉会長、ニート・ひきこもり・不登校のための「小説アカデミー」顧問。雨宮処凛公式サイト

雨宮処凛の闘争ダイアリー
雨宮処凛の「生存革命」日記

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そろそろメーデー
今年は「逆襲の棄民」!!の巻

 前回、体調を崩して連載を休んだら、その隙にキム・ソンハ君の連載が始まっていた! タイトルがまだすごい!「パンにハムをはさむニダ」! なんだかよくわかんないけど「ニダ」の説得力が素晴らしい! 文章もちゃんと書けてる! 内容も面白い! ということで、この連載ともども、「パンにハム〜」もよろしくお願いしたい。
 さて、かなりギリギリになってきたが、今年もまたメーデーがやってくる! 今年の東京のメーデータイトルは「自由と生存のメーデー10 -- PRECARIAT-Z --『逆襲の棄民 パンドラの箱が開く』」。以下、呼びかけ文だ。

「私たちが棄民である。はじめまして。お久しぶり。

この社会が営々とつくりだす奔流。庭師、清掃、警備、テーマパークの芝生管理、型枠大工、畳職人、キャスト、アイヌモシリから、介護、ダスキン、土方、塾講師、ニート、カヤック、かつて南米大陸へ、ウェイター、パチンコ屋の並び、弁当工場、作家、台湾へ、校正、軽作業、重労働、ひきこもり、八百屋、リネン、航空郵便、郵便仕分け、板金塗装、アクティビスト、いま南米大陸から、ガソリンスタンド、デザイン、リサイクルショップ、アニメーター、編集者、絵の先生、朝鮮半島へ、NPO職員、交通量調査、スリーパー、水道工事、派遣営業、ショップ店員、デリヘル、失業者、政党職員、大学院生、カメラ助手、琉球へ、サクラ、寺の寺務、朝鮮半島から、レジ打ち、検品、運転手、ゲーマー、事務員、中国から、カメラマン、パン職人、セクシュアルマイノリティ、ボーイ、バーテン、アンケート調査員、セクキャバ、玄界灘を越えて、野宿者、新聞勧誘、キャッチ、生保受給者、プログラマー、菓子販売、テレアポ、POP作成、ポスティング、コンビニ、ライター、駐車監視員。それが私たちです。

ニューディーラーを超えて、パンドラの箱が開く。
生存と尊厳の蓋。」

 ということで、なんだかますます「文学」な感じになってるメーデーだが、あなたはこの中で経験した仕事がいくつあるだろう。私は5つ。「キャスト」(キャバクラの)と「ウェイター」(ウェイトレス)と「作家」「ライター」「レジ打ち」だ。あ、「アクティビスト」も入れたら6つ。そんなふうに、自分たちを「棄民」と定義したメーデーで「逆襲」し、その上「パンドラの箱」が開くのである。メーデーは5月2日に集会、3日にデモ、4日に「ムービーユニオン・メーデー」。詳しくはこちらでチェックしてほしい。今年はデモも凝っていて、なんかすごいことになりそうだ。
 また、全国各地でも例年通りインディーズメーデーが開催される。熊本、広島、札幌、名古屋、福岡などなどだ。
 2日の集会では、「セーフティネットとベーシックインカム」的な話や、一部の職業が寄る辺ない人たちのセーフティネットになっているのではないか、なんて議論を当事者をまじえてする予定だ。
 ちなみに私は「第2のセーフティネット」などについて話す予定なのだが、最近、「基金訓練」について興味深い話を聞いた。基金訓練とは生活費を貰いながら職業訓練を受けられる制度。私のフリーターの知人が現在、基金訓練で「介護」の職業訓練を受けているのだが、20数人枠の介護の訓練に150人以上が殺到し、すごい倍率になっているというのである。派遣切りの嵐が吹き荒れた直後から「仕事のない若者は介護・農業をしろ」的な意見が幅をきかせ、それでもなかなか人が集まらない、なんてことで「仕事を選んでる」などと更にバッシングを受ける、という構図があったわけだが、それから1年以上経った今、介護の職業訓練に人が殺到しているという事実。これは現在の雇用情勢の厳しさを反映していると言えるだろう。しかも、その知人によると、訓練を受けている20数人のうち、生活費の給付を受けているのは半分程度。失業中の身だから収入はゼロなのに。受けない人に理由を聞くと、「生活保護」という説明を受けたそうで、その言葉に抵抗があったようだ。基金訓練は生活保護とは全然違うのだが、何か現場レベルで「生活保護」という言葉を使うことによって給付を抑制しているのであれば大問題だと思うのだが。
 また、「ベーシックインカム」論についても触れたいと思っている。何かここ数年で「ベーシックインカム」の語られ方が随分変わってきたように思うからだ。例えば私が初めて「ベーシックインカム」という言葉を聞いたのは06年のメーデー。完全に個人的な印象だが、その当時は「賃労働を問い直す」的な意味で語られ、「貧困」や「不安定さ」に主に目が向けられていたように思う。しかし、ここ最近耳にするベーシックインカム論には、何か「更なる自由競争」や完全な「自己責任」に軸足が置かれているものも多い気がするのだ。その善し悪しは別にして、語る人によって「ベーシックインカム」の印象がまったく違うものになっているという点について、非常に気になっているし興味もある。
 さて、そんなメーデーだが、現在、「賛同団体」「賛同人」も大募集中だ。公式サイトから申し込めるので(賛同費・団体2000円、個人1000円)、こちらもよろしく。

「自由と生存のメーデー10 -- PRECARIAT-Z --『逆襲の棄民 パンドラの箱が開く』」

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寒い寒いと言っているうちに、
今年もやってきました、熱いメーデーの季節!
東京に駆けつけるもよし、
地元のインディーズメーデーを探すもよし。
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