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2010-10-06up

Kanataの「コスタリカ通信」

#015

パナマに行ってきました!

 グアテマラ、キューバに引き続き、ビザの関係でパナマに行ってきました。グアテマラの時と同じように今回もバスに乗って、16時間の陸路での旅です。

パナマの入国手続きの様子。朝5時にバスから降ろされたのに、6時までオフィスが開かなかった。そんなこと何も言わずに先に行ってしまったバスに対して、怒る人もおらず、みんなで談笑をして1時間待つ。日本では考えられない! けれど、これがこの国だなと改めて思うできごとだった。

 滞在したのはほとんど首都のパナマ・シティでした。世界遺産にも登録されている旧市街のカスコ・ビエホには古い教会や建物がたくさんあり、街並みは少しキューバのハバナ・ビエハに似ているように思いました。新市街には40階ほどの高層ビルが並び、車がビュンビュン走っています。これらのビルの多くは、5年ほど前にアメリカからたくさんの人が移り住むという話があり、一気に建てられたそうです。しかし、金融危機により頓挫してしまい、空っぽのビルも多くあるようです。

旧市街から望んだ新市街。高いビルが立ち並んでいる。

 5日間滞在してみて思ったのは、パナマ・シティには人のための道が少ないということでした。人は歩かないでバスかタクシーで移動するのが基本で、歩こうと思って道を聞くと、大した距離ではないのに「遠いからタクシーに乗りなさい」と言われることがしばしばありました。また、人が歩いている道は治安が悪いといわれる地域が多く、なかなか歩くことができませんでした。いつも歩き通しているわたしですが、今回はタクシー移動が多い旅になりました。タクシーに乗る度に値段交渉をするという仕組みになっていて、パナマ人と観光客への金額はだいぶ違っているようです。この料金交渉の仕組みについて「運転手にとっても、パナマ人にとってもいい仕組みだと思う」と、パナマ人の方は言っていました。コスタリカのタクシーはほとんどがメーター付きで、金額は一律なのですが、お客さんを乗せているときは必要以上に紳士的に人に道を譲ったり、「もういい」と言っているのに建物の中まで入って行ったりして、メーターの金額を増やそうとするので、タクシーに乗っている間も気が抜けません。こういった理由もあって、コスタリカではあまりタクシーを使わないのですが、パナマではタクシーに乗っている間は運転手との会話に集中することができました。

これも旧市街の様子。この国のタクシーは黄色。驚いたのはこの国はナンバープレートが後ろだけということ。車の顔の一部分が足りない気がして、変な感じだった。

 また、5日間の間にパナマ・シティとともにパナマ運河の要所である、カリブ海側のコロンという街にも行ってきました。ここには運河によって運ばれてくる物を売る、大きな卸売り街があってまるで迷路の様でした。それを熟知し観光客を案内してお金を稼いでいる人たちがたくさんいて、お金を要求された時は渋りましたが、彼らの仕事を作り出す力に感心してしまいました。運河の歴史が長いパナマについて、コスタリカからのバスで一緒になったパナマ人は「コスタリカは内に籠ってるイメージだけど、パナマは運河があっていろんな国の人たちが働いているから国際的なの。」と言っていました。しかし、ここ5年はパナマからコスタリカへの輸出よりも輸入が増え、利益にも2倍ほどの差が出ているようで、これについてはパナマ政府もあせっている様子です。

たくさんのバスの発着地にある大きなモール。奥にあるのは、こちらの人にとってのファミレス的なお店でとても有名。

 パナマ運河の建設にあたってやってきた黒人が、パナマ・シティとコロンには多く暮らしていて、パナマ・シティには彼らの歴史について展示した小さな博物館もありました。ここは政府が運営しているもので、黒人に対する差別について聞くとすべての人が「ほとんどない」とか「全くない」と言っていました。しかし、歴史的には、運河建設に関わる仕事において同じ労働をしているのにも関わらず、白人に払われる給料の半額ほどしかもらえなかったなどの差別もあったようです。コスタリカのサンホセでは、黒人の姿はあまり多く見かけないので、そこが大きな違いの一つであると思いました。

運河に向かう船たち。大きなコンテナをたくさん積んでいる。

 また、パナマでは1994年、長年にわたる軍部の国内政治の支配とアメリカの軍事支配に反対した国民の動きもあって、軍隊を廃止する憲法がつくられました。しかし、バスで会ったパナマ人は「軍隊は安全を守るために必要で、人間に例えたら靴のようなもの。だからすべての国が持つべきだ。」という人がいたり、米軍基地がなくなったことで職が減り、治安悪化につながったと考える人もいるようで、やはりすべての人が納得しているわけではないようでした。また、カスコ・ビエホで見た警察はベレー帽を被り、大きな銃を持っていて、わたしには威圧的に感じられました。

旧市街にいた警察の様子。この周辺に政庁舎や大統領の住居があるために、警察も多い。見えにくいが左手に銃を持っている。

 隣の国ということで、食文化や芸術の部分でも似ている部分はたくさんあるのですが、使われているスペイン語にも違いがあったり、人々の考えにも違いがあり、地続きに他の国とつながっているという感覚を味わった5日間でした。

パナマ・ビエホの遺跡と奥に見える高層ビルとのコントラスト。こちらはカスコ・ビエホの前の中心地だった。

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日本にいると、
ついついひとくくりにしてしまいがちな「中南米」ですが、
もちろんそれぞれの国に、それぞれのいろんな文化や事情があるわけで…。
「軍隊を廃止する憲法」についてもっと知りたい方は、
「法学館憲法研究所」に、パナマ大使館商務担当官のインタビューが掲載されていま す。

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KANATAさんプロフィール

Kanata 大学を休学して2010年2月から1年の予定でコスタリカに滞在。日本の大学では国際学部に所属し、戦後日本の国際関係を中心に勉強をしている。大学の有志と憲法9条を考えるフリーペーパー「Piece of peace」を作成し3000部配布した。
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