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レポートno29

12月9日、樋口恵子さんが「介護人材確保に向けての緊急大集会」というテーマで開いた「高齢社会を良くする会」のご報告です。みなさんに介護現場、特に、特別養護老人ホームで働く介護従事者の悲鳴を聞いていただきたく、メールいたしました。

会の冒頭、樋口さんは「介護者が幸せでなければ、介護される人も幸せになれません」とおっしゃり、介護現場の高い離職率(景気がよくなり他業種に)と人材確保の難しさを打開するために一般市民の力を結集することを訴えました。
 同会では10万人の署名を集め、先日厚生労働省の舛添大臣に提出、同時に各党党首に会い、通称「待遇改善の提言書」の法案成立の趣旨説明をすでに行いました。

提言書の概要は下記です
  (1) 介護従事者の給料を一律3万円アップする法案を設立させる
  (2) 14万事業所の繁多なデスクワークの削減
  (3) 介護専門職の社会的な評価を引き上げ、人材育成をはかる

現在、事業所に勤める介護へルパーの初任給は12万から15万が相場で肉体+感情労働のストレスを考えると、これは「社会的不正義」であり、黙ってこのまま見ていられないと、樋口さんは猛然と立ち上がったのでした。

続いて大熊由起子さんが、デンマークの高齢者ケアを中心に80年代からの日本のケアの現状を紹介。ちなみにデンマークのヘルパーの月収は日本円で48万円、勤務医は80万円だと聞いてびっくり。

この日の圧巻は16人の現場で働くヘルパーやサービス提供責任者、ケアマネージャーと10人の介護事業の経営者や自治労健康福祉局などの団体の2分間スピーチでした。

特に介護現場からの声として「仕事が嫌で辞めていくのではない。生活給の確保ができない。結婚したら生活ができない」という実情が語られました。ある介護福祉士養成校のベテラン教師は、就職氷河期の時には特に優秀な学生が集った。しかし、彼らは勤務後半年か1年で悩みを相談に来るようになった。その時、彼らは激やせかストレス太りになっていて、過酷な労働条件を訴えてくる。低賃金なので、家賃が払えない、新聞代が払えない。早出・遅出・サービス残業で疲れ果てているのが実態だという話がでました。特に障害者の自立支援のヘルパーの給料の低さが問題視されました。

また市民福祉団体全国協議会の2006年の調査報告をした中村喜佐子さんのスピーチでは、施設の離職率は25.9%、訪問介護21.8%、通所介護19.9%という具体的な数字がでました。コンビニのアルバイト以下の収入と繁多な書類業務に忙殺されるのが現状だそうです。中村さんは現場の悲鳴が聞こえると語りました。介護予防事業の見直しなどの提言もでました。
 役人主導でない研究会を発足、介護マンパワーの充実と、ヒューマンサービスの観点からの制度改革が必要で、そのためのロビー活動をしていくとの心強い話を聞きました。

経営者からの話としては、実態調査ではほとんどの事業所が赤字だそうで、これは介護報酬が下がっているから。医療や看護との報酬比較でも、介護は極端に低いということが分りました。
   訪問看護 時間当たり 8300円
   訪問介護         3000円
   訪問診療        20000円

結論はひとえに政治にかかわる問題という話になりました。
 この会の凄さは5党から下記の5人の政治家が出席したことです。司会は樋口さんと、さわやか財団の堀田力さんでした。

自民党 丹羽雄哉氏(介護保険施行時の厚生大臣)
公明党 古谷範子氏
民主党 山井和則氏
共産党 小池 晃氏
社民党 福島みずほ氏

「3万円法案」の提言書に対して一番具体的な検討を始めているのが民主党でした。しかし、山井さんは成立させなければならない法案がやまほどあり、努力はするが審議に持ち込まれるかの確約は難しいと語りました。優先順位が決して高くないというニュアンスを感じました。
 しかし、再来年の介護報酬改定まで、待てない緊急課題でこれを解決するにはどうするかと議論がおこなわれました。

120万人いる介護職の給料上乗せだと、約3000億円の財源確保が必要。
 利用料金の値上げにつながらないよう、また、介護企業が介護職の給料とは別にこの金額を引き当てないようにする対策が必要だとも山井さんは語りました。

結局、話は財源の問題になりました。
 与党からは、2000年の発足時に3,6兆円だった給付が2006年には7兆円となり、この増額を何で補うのかという話に発展。来年も国債を発行すると700兆円の累積赤字となり、この負の遺産を孫子の代まで残すのかと自民党丹羽さんは語ります。

道路特定財源の話や、在日米軍への「思いやり予算」の2300億や企業減税との相殺の話などもでました。結局、国単位の特別会計というブラックホールのお金は埋蔵金があると憶測されるほど、不透明なのです。消費税値上げの話もでました。

最後に、堀田さんが議論を締めくくりました。
 財源としての消費税引き上げは
  (1) 歳出削減をしてからの話
  (2) 歳出削減を国民が十分にされたと理解してからの話
  (3) 値上げをどのように使うかを明快にする

これまでの歳出削減は各省庁の既得権のバランス主導で結局、なかなか実質的な削減につながらないとも。

堀田さんは、超党派でこの問題を緊急措置法として取り組んで欲しい。
 そして、何が優先順位の第一にくるかというとそれは「人のいのち」だと訴えました。
 財源は、何がいま必要かということで、ちょっと、工夫すれば可能ではないかと力強い呼びかけがありました。

結局、市民がきちんと選挙することが一番。投票が政治への圧力になります。投票率が今のように低いのでは民主主義の国として、恥ずかしいと私は思いました。

thanks1

「人のいのち」よりも優先される歳出や法案とは、いったい何なのか?
私たちの税金が何に使われているのか、そしてどう使って欲しいのか、
きちんと考え、声をあげていきましょう。
藤原さん、詳細なレポートをありがとうございました!

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