【スタッフコラム】
福島原発さいたま訴訟報告(1)
福島原発さいたま訴訟を支援する会
北浦恵美
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福島原発さいたま訴訟の次回口頭弁論期日は2月18日午後2時半から、第4回目となります。この裁判は、かけがえのない故郷を追われ、埼玉県で困難極まる避難生活を強いられている避難者の方々が国と東電に対し、正当な賠償を求めている裁判です。去る1月19日には、新たに7世帯30人が追加提訴しました。
今回提訴した方々の中には、自主的に避難された方が多く含まれています。母子で避難せざるを得ず、大変な思いをされている方もいらっしゃいます。自主避難された方々は、避難所も定まらず、あちこち転々とされ、情報も少なく、避難生活は困難を極めました。
自宅は放射線量が高くて帰ることもできない、生活、仕事を失ったが、ADR(裁判外紛争解決手続)による国の保障額は本当に僅かだった、という現実に言葉を失います。
強制避難の方々も、自主避難の方々も、共に、正当な賠償を得ることができるよう訴えていくことになりました。
弁護団は、今回の第2次提訴も、これまでの第1次訴訟と併合して審理されるよう求めています。これで、原告は13世帯46人となりました。
昨年12月に行われた第3回期日においては、書面のやりとりの確認ののち、東電代理人弁護士が原告側が準備してきた代理人陳述について、「準備書面に記載のない内容なので、陳述は認められない」などと異議を述べてきました。
すぐに、原告側代理人の吉廣弁護士が、口頭弁論なのだから、書面にない内容を陳述することは認められることだ、と厳しく反論、裁判所も、口頭主義ですから、と東電の主張をすぐに退ける、という一幕がありました。
当事者が対峙して互いに自分の言い分を口頭で述べあうための手続が口頭弁論なのですから、当然のことなのですが、それを忘れるほど、東電は代理人の陳述を皆に聞かれたくなかったのでしょうか。
まず、原告本人陳述が行われました。
何も知らされず、とりあえずの避難だ、と言われて避難をしたこと。ペットがいたため、避難所に入れず、車の中で過ごしたこと。寒さで凍死するのではないかと心配だったこと、
情報もなく、避難してきた作業員にメルトダウンしている、ここも危ない、早く逃げろ、と言われたがどうにもならなかったこと。母の具合がどんどん悪くなり、ついには歩けなくなってしまったこと。母の涙が止まらなくなったこと。一方的に避難解除されたが、線量が高くてとても帰れないこと。
国や東電に奪われたものをきちんと賠償してもらえるよう裁判所には公正で正義にかなった判決をしていただきたいこと。
とつとつと静かに語られ、何も知らされなかった不安、悔しさ、今も続く避難生活の困難さ、奪われたものの大きさなどが胸に迫る内容でした。
続いて、東電が嫌がった原告側代理人の意見陳述が行われました。陳述したのは松浦弁護士。まず国の責任について、国が原発を推進してきた責任、東電が十分な安全対策をとっていなかったことに対し指導・停止命令をなすべきだったのに、なさなかった違法を厳しく指摘しました。
続いて、東電の過失についての審理の必要性について。東電は事故の責任は自分たちにないかのような主張を一方的にするだけで、原告らの主張に反論する必要さえないと主張している。このような東電の主張は、被害者を愚弄する行為に他ならない、自らの行為について法的に審理されることを拒否し、責任について公の場で明らかにされることを回避する東電の態度を強く非難する。
迫力ある陳述でした。裁判所がこれらの陳述を真摯に受け止め、東京電力の「無責任論」を許さない訴訟指揮を取ることを求めたいと思います。
この裁判が公正な判決を得ることができるまで、ぜひ多くの方と共にこの裁判の傍聴に参加し、原告の思いに寄り添いたいと思っています。
どうぞ足をお運び下さい。
≪福島原発さいたま訴訟第4回口頭弁論及び報告集会≫
とき:2月18日(水)14時半開廷 さいたま地裁101号法廷
是非傍聴にご参加ください!
※傍聴券が配られる予定です。2時までにさいたま地裁B棟前においでください。※裁判終了後弁護団主催の報告集会があります。
場所:埼玉総合法律事務所3階会議室
内容:口頭弁論期日の説明、原告側の主張の概要予告~福島原発さいたま訴訟報告集会と
映画「日本と原発」上映会のお知らせ会場 市民会館うらわ(浦和駅西口より徒歩7分)
日時 3月28日(土)12時半開場 13時開演
前売り 1,000円 当日券 1,200円「福島原発さいたま訴訟」報告のあと、原発差止訴訟等に精力的に取り組まれてきた、河合弘之・海渡雄一両弁護士が製作に携わったドキュメンタリー映画「日本と原発」を観て、埼玉の地にあるわたしたちに何ができるか、共に考えます。ぜひご参加ください。お申し込みは、Email:apply@fukusaishien.com まで。
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